『まんがタイムきららフォワード』2021年7月号、昨日の続きです。
『ねことちよ』
好奇心に負けてちよ幼少期のアルバムを見てしまったふみ。勝手に見てしまったこと、ちゃんとちよに詫びるんですね。でもちよ、全然気にしてなくて、ああ、よかった。それどころか、ちよと一緒に映っていたねこ似の女性。その正体もあっさり教えてくれまして、ああ、ちよのお母さんなんですね! って、そうなの? 親しいお姉さんで、その娘がねこなんだと思ってた。ちよのお母さんなら、ねこはちよの娘なの? いや、そうじゃないよね。え? 実はそうなん?
ふみ、気になっているちよとねこの関係、聞こうとしたらタイミング悪くねこがきちゃいましてね、聞きそびれてしまいました。でも、それでよかったみたいですね。関係こそわからなくとも、ふたりが仲良く元気ならそれでいい。そう思えるなにかがあったわけですね。
しかし、大きな物語にはならない。謎というのもささやかなものでしかない。なのにこんなにも面白いのはすごいなって思う。今回も、そのささやかな謎に近づきながらも、踏み込むことなく遠ざかって、でもそのふみの決断が意味あるものと感じられて、ええ、こういうところがこの漫画の見どころ、よさなのだと思います。
『あいらいく俳句』
終わった! ハッピーエンドだ! なにはともあれ帰還を果たしたあいの父。10年間不在だった父を前に、大きな声を出してしまうあいの母だけど、その身にはあいの父グッズがいくつもあしらわれていて、というか、パパの顔面ネックレスとかパパスリッパとか、ちょっと尋常じゃない。でもそれだけの愛、あるいは執着、肝心の父には届いてないのか! どんだけコミュニケーションに問題があるの!? なかなか素直になれないお母さんも悪いのかも知れないけど、自信なさすぎる父も父で、その駄目さがゆえに出奔することとなったのかなあ。
最終回は、その父の自爆芸がこれでもかと披露されましたよ。うさこがイベントで出会った子と気づいて、娘の前で出しちゃあいかんタイプのDVDを出してみたり、またなにやら怪しいノートもうっかり見せてしまって、このうっかりというかなんというか、尋常じゃない。またこの10年の暮らしについて聞かれて、普通に答えられることやってないからなにも答えられないっていう悲しさ!
あいたちが父にあう仕事を考えるくだり、あれよかったですよね。演劇部のバイト先で働くの、大賛成です。きっといけると思います。
最後の最後にね明かされた父とわびさび部の関係。OBだったというのですが、ああ、やっぱりラストにはいい感じのエピソードでしめますよね、と思ったら、おにぎりがなにやら疑惑を提出しそうになってますよ……。
ええ、なかなかいい話になりづらい、そんな漫画でしたけど、その残念感が面白みで、そしてそんな中に、ああいい話かもなあって思えるものがあるのが好きでした。今回もそう思えるところいくつもあって、これまで描かれてきたものの集大成ともいえるエピソードの連続、その果てに主要メンバー勢揃いでしょう。ああ、演劇部、この子好き。そして演劇部の兄、輝夜の恋実るのか!? 九曽先生も冤罪が晴れたようでなによりと、こうして多方面に細やかなフォロー、心配りしながらの大団円。本当に喜ばしいと思います。
- 『まんがタイムきららフォワード』第15巻第7号(2021年7月号)
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