感染症を変異させながら人類根絶を目指すとんでもないゲーム『Plague Inc.』について書いてからほぼ1年が過ぎました。正直、こういう悪趣味な楽しみは世の中がある程度健全であったからこそみたいなところがありまして、いえね、今みたくガチ感染症で世界が世界が大騒ぎ! みたいな状況で楽しむのはいかがなものだろう……。いや、やってみたらやっぱり面白いんですけど……。さて、このゲームに感染症に立ち向かうThe Cureモードが追加されて半年くらいたちました。よかったですね、これで後ろめたさなく『Plague Inc.』を楽しむことができますよ!
The Cureモードが追加されていることには、随分前に気づいていたものの、遊ばないまま今まで放置してました。いえね、なかなか時間がとれなくてですね。でも今になって遊んでみたのはなぜかというと、Twitter上に、ウイルスは人間との共生を図るため、変異しながら弱毒化していくものだ、みたいな意見を言い募る人が結構いることを知ったからなんです。
いやいや、進化はそんな都合よく意図的に方向性が決められるもんじゃないですよー。宿主を速攻死に至らせるようなヤバい病原体は、次の宿主に感染するよりはやく自身の運び屋である今の宿主を殺してしまうため、自身のコピーを増やすことに失敗しやすく、結果的にマイルドなやつに遅れをとってしまうってだけで、そこに意図とか選択性とかありませんから。
みたいなことを話していた時に、『Plague Inc.』遊んでみたらわかりやすかったりしないかな? いや、でもこのゲームは意図的に変化の方向性を決められるからな。そうだ、Tue Cureモード遊んでなかったな。
こんな具合で遊んでみる気になったのでした。
The Cureモード。これ、感染症広げるよりも難しくないですかね!? 一番最初の病原体タイプ、バクテリアでしたっけ? をハードまでクリアしてみたんですが、これがもうぎりっぎり。
感染症の広がってる地域に検査官を派遣して、新規感染症の発現を確認すればゲームスタート。じわじわと広がる感染症に対応すべく、ロックダウンや国境封鎖を指示。他地域への伝播を抑制しながら手洗いの奨励や医療資源の確保をしていくのですが、これら行動にはそれぞれ予算が必要になるんですね。
このゲームのよくできてるのは、やみくもにロックダウンや国境封鎖を行うと住民間に反感が広がっていって、指示を聞かなくなっていくんです。そうなるといくらロックダウンかけようと感染拡大を止めるのは困難になるので、ほどほどでロックダウンを切り上げたり、経済支援等を実施することで反感を抑える必要があるんです。
これ見ましてね、あー、日本で緊急事態宣言やら蔓延防止やら、いろいろやっても効果が薄かったわけだよ。全然人出が減らないとかいわれるの、反感が広がっちゃってるんだよ。
とか思ったんですが、残念ながら政府はどーんと給付金を大盤振る舞いしたりはしてくれません。
ぐぬぬぬ。うまくはいかんもんだな……。
The Cureモードは、最終的にワクチン開発がはやいか感染症蔓延がはやいかのスピードレースになります。なので可能なかぎりワクチン開発にリソースを投入したいのですが、そうなると感染症対策がおろそかになる。すると感染症が広がる。死者も増える。死者が増えると当局の権威がごりごり減っていって、いよいよ市民はいうことを聞かなくなってしまう。
このジレンマ!
だよなあ、現実世界でも専門家とかへの攻撃、めちゃくちゃ増えとるけど、こういうことかよ! いやもう、社会動向のシミュレーションとして、シンプルながらも気の利いた、あと皮肉も利いた、妙にリアリティあるゲームでありますよ。
面白いので、興味おありのかたは遊んでみられるといいのではないかと。短時間で一戦終えられるのも悪くない感じですよ。
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