『まんがタイムスペシャル』2018年11月号、昨日の続きです。
『吸血鬼さんは無職です。』。連載になりましたね。ゲスト掲載時から面白いって思ってたから、こうして連載になったこと、嬉しく思いますよ。橙也の隣人、ニーナさんは自称吸血鬼。なんだか橙也のこと気にいってるみたいで、やたらと絡んでくる。橙也は橙也で、最初のうちは吸血鬼だ危険だって警戒していたのに、だんだん無下にもできない、というか普通に親しくなってるのが面白いんですね。さて連載にあたって新しい要素が追加ですよ。橙也のクラスメイトの五十嵐桃香。委員長やってるらしい。どうも真面目そう。ニーナのこと警戒してるんだけど、どうも橙也とは違う理由のようで、得体のしれない無職だから。いや、違うよね、橙也に近付く女だからだよね! 橙也の警戒を徐々に解いていったニーナの人懐っこさ。それがはたして桃香にも効くのかどうなのか。なかなかに期待できる人材でありますよ。
『ふたりが家族になるまでに』。あさひとジロー、ふたりの関係、だんだんと近しくなってきたかな? きたよね? という段階で、陸上部の強化合宿がはじまるっていうんですが、まさかのジロー参加。あさひは、なんか保護者同伴になってるのかっこわるいって気にしてるんですけど、他の部員はジローのこと、見事に受け入れて、そのホスピタリティたるや、男子も女子も、心ばっちりわしづかみですよ。有能であることはもちろん、気配り抜群、ニコニコとして人当たりもよくって、しかも若い男、結構かっこいいときてる。女子の反応がすごいよ! この状況、あさひはちょっと面白くないのかな? 不機嫌さをあらわにするまではいってないけど、ちょっとピリピリしてますよね。これ、もしかして暴発する? あんまり大変なことにならなければいいけど、雨降って地固まるの雨、まずは一降りありそうですね。
『この恋は深見くんのプランにはない。』。面白いですよね。学内に暮らしてる猫たちを集めて、猫カフェを作りました。理事長の猫はじめ、保護した猫もとりあえずここで全部面倒見て、ちゃんと世話していこう、そして飼い主募集などもしてみよう。この状況、面白いよなあ。こんなことが成立したことがまず楽しいし、そこで見える深見と秋桜、ふたりのやりとり、交流なんてのもとても魅力的だと思います。秋桜がね、なんか素直に感情あらわしてくれて、それで深見が心揺らしてみたりしてね、いいわあ、とてもいい。加えて今回は、小野寺先生が顧問になるくだりもあって、これもまたよかったなあ。深見の提案がいいよ。そこに秋桜が駄目押ししたあの一言、これがまたいいよ。ほんと、人と人のやりとり、コミュニケーションに見える人柄、そうしたものが魅力的な漫画です。
『ワタシを欲しがる河野さん』。面白いわ。吉山内が見かけた可愛い制服。河野の出身校の制服なんだそうですが、河野、可愛くて可愛くて、そして憎いらしい……。なんで? ほんと、今回、めちゃくちゃ面白かった。河野、屈折してるなあ。閉店後に語られる河野の過去、これが奮ってました。昔、私は可愛かった。可愛いという言葉では到底語れない。そこまでいうんだ! けど、ずっと可愛いと思っていた自分像が、可愛い制服のために選んだその学校で揺らいてしまったというんですね。下級生から、かっこよくて憧れるっていわれちゃって、裏掲示板でもカッコいいって大人気で、可愛くない自分が可愛い制服を着ても価値がないって、部活、弓道に打ち込んでみたら、他校の女子からも大人気。って、いいじゃないか! でも、そうか、河野はかっこいい自分は求めてないんだ。贅沢とかいわれてるけど、そうじゃないよなあ。ありたい自分であれないことは、やっぱつらいよなあ。だもんで、河野、吉山内に生まれたかった。ほんと、屈折してるなあ! しかし、前提が整理されて面白くなってきました。なるほど、かつての自分の可愛さ、憧れていた昔の自分を、すべて吉山内に引き継がせようって、河野よ、それがこの漫画のメインストリームか! 面白くなってきた。実に面白くなってきましたよ。
- 『まんがタイムスペシャル』第27巻第11号(2018年11月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿