2018年9月1日土曜日

『まんがホーム』2018年10月号

 『まんがホーム』2018年10月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかが片肌脱いで叩く太鼓や夏祭り。夏も終わりのこの季節、彩る花火も祭の雰囲気を盛り上げてくれていますね。『王子様育成計画』、あいらとしのぶは、夜店メニューを堪能中。特に飾らず普段着というのが、なんだからしくてよいです。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻も浴衣姿で。妻の手をとる孔明の頬染めているその様子、色っぽくてよい感じです。

『ちっちゃい先輩が可愛すぎる。』。なんと、先輩ふたりが高瀬の見舞いですか。先週まで元気だったのにいったいどうしたと思ったら、なんとぎっくり腰。寝床がロフトの上なもんで、はしごのぼれず、ずっと床で寝てたとか。ほんと、駒井や野見山のおかげで布団で眠れるようになった、ただそれだけのことであんなにも大喜び。やったーお布団だーって、なんか今回は後輩も可愛すぎる回ですよ。意外と片付いてるどころか、引っ越し後荷物を開けてもいないっていうのか。で、いいかげん片付けようとしたらぎっくり腰。高瀬のぎっくり腰になった時の話、やけにリアルというか、臨場感があって、そ、そうなんだー、聞き入ってしまったんですが、これ、もしかしたら作者の体験談? 見栄を張らない野見山チーフの余裕に赤面するふたりとか、こういう細々したのも面白く、そして駒井の手料理。食べやすいようにって、あーんじゃないのね。このあたりの描写も、野見山の妄想から、うまいこと常識的なラインを突いて、いい切り返し。テンポもよくて、全般、ノリが感じられていいですね。

『おんなのおしろ』。ああ、大きな動き。例の元カレが、どういうわけか、七海の部屋に置いていった子猫を連れていったんですね。しかも一方的な言い分、言い分? 七海に事前になんらかの説明しとったのかな、七海が聞く耳持ってなかっただけで。そう思わせる描写はあったけど、いや、多分、ちゃんと話通してないんだろうなあ……。子猫の行方を知るために、元カレの姉に連絡とったのはいいんだけど、姉、弟の名前、いい加減にしか覚えていないの……? これもまたすごいこと。得られた情報をもとに子猫の居場所見当つけて、乗り込んでいくんですけど、この七海の対応、きちんとしてる、しっかりしてる、それどころかばっちりプレゼン資料まで作っていってという、すごいな、有能なんだか過剰なんだかさっぱりわからない! ええ、持ち味発揮してるなあって思わされました。かくして子猫を取り戻して、でもこの時点で合鍵を取り返したりはしてないんだろうなあ。分譲だっていうのなら、自分の判断で錠、交換しちゃえばいいのに。お金かかるから避けたいのかな。ほんと、この男との関係、今後どうなっていくんだろう。心配ばかりですよね。

『鬼ムコさんと花ヨメさん』、新作です。ゲスト扱いなのかな? 大正時代の恋愛もの? 顔も知らない相手のもとに、家の都合で嫁いでいくというのは決して珍しいことでもなかったっていいますが、この話のヒロイン、小巻もそうしたひとりだっていうんですね。帝国陸軍中尉、望月大和。軍規に反したり、軍に仇なしそうな人物、企業を片っ端から排除してきた男で、小巻の父はそんな大和を手懐けるため? 小巻を嫁に差し出したっていうんですね。けれどその大和という男、鬼だ悪魔といわれていたのに、見た目は細面の美男子で、しかも婚姻の日の態度など見るに、物腰もやわらか、実にスマートな好青年。と、一旦はそう思わせたところで、自宅に戻れば態度一変、自分の仕事に干渉したら即離縁、ばっちり釘を刺してくるっていうんですね。このあたり、小巻の父君の思惑、理解してるってことなんだろうなあ。この冷たい夫と小巻、ふたりの関係、まずは大きな隔りをもってはじまったわけですが、今後、だんだんに距離を縮めていくことになるんでしょうね。

『孔明のヨメ。』。徐兄が曹操のもとへいってからのこと。孔明も士元も今はどこかに士官しようという風ではないんですが、水鏡先生もいう、時代が放っておいてはくれないだろうという、そのとおりになろうとするんですね。徐庶を迎えた曹操。その前に、郭嘉を病で失っていたというのですが、その死んだ男の策に踊らされていたということ知った徐庶の悔しさのくだり。ああ、これは死せる孔明のための長い、長い前振りだったりするのだろうか、なんてことを思ったりしまして、そして徐庶のような使える男が放置されていた荊州という土地には、まだまだ人材が埋もれているはずと、曹操、部下に調査を命じるんですね。ああ、徐庶のような者が三人集まったら郭嘉ひとり分になるまいか、そういう曹操の軽口、まさにそうした三人が揃って動いていたりしたこと読者にはわかってるわけで、ああ、その残るふたりに曹操の手が届くのか。あるいは、先に劉備が得るのか。いや、結果はわかってるんですけどね。でも、ただやすやすとことは運ぶまい。曹操はいかに打って出るのかという、そこに興味はつのります。

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