2017年1月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2017年3月号

『まんがタイムきららキャラット』2017年3月号、発売されました。表紙は『ブレンド・S』、苺香と夏帆がハッピーバレンタイン、手にハートのチョコレートを持ってこちらに差し出そうとする、そんなイラストでありますよ。ふたりともに衣装、髪飾り、もろもろが可愛くて、ヘッドドレスにはクッキーがついてるし、苺香の髪飾りはキャンディー、いや、これもチョコレートかな? そしてふたり揃いの衣装、濃いブラウンがシックで素敵。ええ、ふたり、実に可愛くて、魅力振り撒いておりますね。

『エクソシストと首輪の悪魔』、新連載であります。この世に蘇ってきた悪魔、アルマディエル。しかしその姿は往時のそれとはずいぶん違ってしまっていて、ちまっとして、本人いわく生意気そうなガキ。なるほど、力を失っているのかい? 当惑する彼女のそばには神父? エクソシスト? 悪魔祓いがいて、なんだかいろいろねじまがってるようですな、この人。悪魔を呼び出して遊ぶのが趣味。苦しんでる姿を見るのが楽しみ、って、いつかこいつの手に負えない悪魔が出てきた時が、この世の最後のような気がしてきた……。ともあれ、アルマディエル、出てきた早々、退場ですか? 思い出される昔のこと。走馬灯!? このくだり、面白かった。しかし、アルマディエル、その姿、愛らしさでセーフ? エクソシスト氏、気にいっちゃった? これからこの男のもとでネチネチいじめられたりするのかい? ともあれ、それはそれで快適な暮らしを得たっぽいアルマディエル。このお気楽さ、続きますでしょうか。ところで、使い魔、可愛くていいですね。

『恋する小惑星』、新連載です。なかなかに面白い。天文部に入ろうと思っていたのに、なくなってる! 去年は確かにあったのに! 衝撃受けてるみら。なるほど、天文部は地質研究会と合併して地学部になったのか。確かに、天文といえば地学の範疇です。高校の頃、地学部、天体観測したり山に登ったり、いろいろしてたなあ。ということ思い出しつつも、今やその地学部そのものが消滅しているというのですから怖ろしい。この学校でも、同じように天文部、地質研究会、勢力を弱らせて、合併せざるを得なくなったのかも知れませんね。地学部、部室内では、天地それぞれの掛け軸かけて、部員が左右に分かれてる。なるほど、天文部残党と地質研残党が、地味に勢力争いしてるんだ。部長は天文班の森野。副部長は地質班の桜井とそれぞれ権力を分けあっていて、けど人数は天1、地2。そこに新入生真中が天文班希望で加わって2対2。これで、みらが天文班、みらの友達すずも天文となったら、パワーバランス崩れちゃう! いや、すずはそのどちらでもないのかな? ともあれ、小惑星を見つけたいというみら。そのはっきりとした目標の生まれるにいたったエピソード語られて、これ、いいですね。第1話にして、主人公の置かれる場を過不足なく説明し、かつ主人公に明確な目的があること説明して、そしてさっきの真中、真中あおとみらの関係、それが鮮やかに変貌して強靭なものとなる。子供の頃の約束を大切にしていたみら。同じく大切にしているあお。カバンのくじらのマスコット。ええ、これはこれは…楽しくなりそうですこと。期待される導入でありました。

『ふじょ子とユリ子』、ゲストです。これもいいですね。冒頭にてユリ子のモノローグ。この子は友人ふじょ子のことが好きなのか。恋をしているっていうんですね。そしてページをめくれば、同様にふじょ子のモノローグはじまって、なるほど、お互いに秘密を抱えているふたりなんだ。って、ユリ子の気持ち一方通行じゃん! ふじょ子は、もう名前であからさまなんですが、いわゆる腐女子で、学校終わればBL同人誌にふけりたい。けれどユリ子はふじょ子と一緒にいたい。このミスマッチ! でも、ふじょ子のほころびからBL趣味がバレて、いや、BLかどうかはまだバレてないか! セーフ! セーフ! あの、好きな漫画のこととなると生き生きしだすふじょ子、あれよかったですよね。可愛い可愛い。それがちょっと面白くないユリ子、この子の様子も悪くなくて、ふたりともにいいキャラクター。魅力的だったと思います。ところで今回、前編ではふじょ子の秘密が明かされました。ということは後編では!?!?!? こいつは穏かではありませんね。

『もじもじシャイリィ』、ゲストです。中学生になったばかりの女の子ハヅミ。兄貴とふたりで暮らしてるっぽいこの子たちのもとに、父から送られてきたという箱。骨董品? その箱から出てきたセパスタンなる不思議な執事っぽいなにか。生物? いや、妖精なのか。失われた王国、ファースの王族に仕えてきた彼ら執事妖精。しかし今や仕えるべき主を失い、そんな失意の中、目覚めのきっかけをくれたハヅミに仕えるという。彼の最初の仕事は、新学期、友達を作れていないハヅミの手助け。奇跡の力で導く、その奇跡の力っていうの、変身なんだ! 変身、ドレスアップして空をてくてく歩いていくハヅミ。この変身、この奇跡がなにをなすのか、変身させたセパスタンにもわからないんだ。ともあれ、この奇跡が友達作りのきっかけを作ってくれた。この漫画、変身して戦うとか、そういう方面には進みそうにない。ということは、ハヅミの学校生活におけるトラブル、悩みもろもろを解決する、そういうものになるのかも知れませんね。

『めぐるスピン』、ゲストです。これ、結構嫌いじゃないですよ。新入生、なんの部活に入ろうか。そう思っている子のカバンにはヨーヨーが下がっていて、ヨーヨーを回すのか、そう話しかけられても、その回すというのがよくわからない。名前はめぐる。ヨーヨーを見て声をかけた子、ここで気づいて、子供の頃のお隣さんだったあきらだって。ええ、女の子。でも、めぐるは男の子と思っていて、ええ、再会したら女の子でした。あきらはヨーヨーが好きなんだ。でもってこの学校にはヨーヨー部があるんだ。ヨーヨー部の先輩ふたり、部員勧誘に見事な技を見せてくれて、しかしヨーヨーの技や競技のカテゴリー、いろいろあるんですなあ。あきらは2Aやりたい。先輩梅子は1Aメイン。さなえはオールラウンダーで、好きなのは4A。5Aまであるっていう競技、これ、さっぱりわからないんだけど、同じくさっぱりわかってないめぐるがいるおかげで、全然置いていかれてる感じがしない。むしろめぐると詳しくない読者を振り落としていって、後から拾うという構成だってしっかりここで確認することができて、これ、好感触でした。というか、Bとか本当はAとか、特に開示する必要のないことでかい声でいっちゃってるめぐるがおかしかったです。なかなかにアグレッシブなめぐると、昔も今も見事に振り回されてるあきら。このふたりの関係も悪くない。ええ、面白い子らとともにヨーヨーを知っていく体験、これはちょっとわくわくさせられる、そうしたところがありました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第13巻第3号(2017年3月号)

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