『まんがタイムきらら』2017年2月号、一昨日の続きです。
『箱入りドロップス』。雫のもとに駆け付けた陽一。バイクの後ろ。死ぬような思いでやってきたというのに、おばさんはとうの昔に電車でついていた。雫の祖父にすでに話を通してくれていて、しかしこの祖父、よっぽど危険かと思ったら、いや、わりとちゃんとしてるじゃないか。そして雫、油断して方言が出る。うおお、可愛いなあ! ともあれ陽一と再会して、ああー、陽一、あれは告白じゃなかったといいはるんだー! そして告白やりなおし。そこで返ってきた雫の言葉、これが重い。ほんと、この子の恋のなんだのに前向きになれない、その根底を覗き込ませるような独白。泣けるわ、これは。そして、この雫の言葉、まったく同じではないかも知れないけれど、共感する人もあるんじゃないか。自分の中の不安や揺らぎ、それを雫がひとつのかたちにして言葉に変えてくれている。そんな雫の不安をぬぐって、それで一番強い言葉はなんだろうか。いやあ、陽一、思いっきり踏み切るというか、踏み越えるというか、ほんと、これが若さか!? ともあれ、雫、これでひとつの壁を越えましたね。さて、これからこのふたり、どうなりますか。楽しみ、と簡単にいっちゃっていいものかなあ!
『オリーブ! — Believe, “Olive”?』、なるほどこういう方向でいくんでしょうか。現実の世界、千歳さんは現世といってますが、こちらに魔力の影響が出ているぞという話。それが覿面に現れて、学校からの帰り道、スズが空飛ぶ魚に出会ってしまう。なるほどなあ、スズの父の仕事、スズの家の開かずの間の秘密、それらが明かされて、ああ、スズが自分の力でもって魔法世界と現世の関係、今のこの状態、その安定に尽くそうという。これからは、こうした魔法がらみの事件、それを解決していく話になっていくのかも。そう思わせる今回のいろいろ。しかし、それら事件も、きっと幻想的で、どこか楽しくて、わくわくさせてくれる。そんな予感を同時にさせてくれるのですね。
『にーにといっしょ!』。いきなり、怖い漫画ではありませんと注意書きがあるのがおかしい。なるほど、兄妹そろってゾンビ映画をごらんになった。怖かった。町にゾンビがあふれたらどうしよう。そういう妹の話にのっかって、だんだんゾンビごっこに本気になっていく。まずは賞味期限間近の非常食の整理をかねて避難気分。かと思ったら、ああー、兄貴、油断したのかー! やつらに、やつらに噛まれてしまったのかー! それからの鬼気迫る様子、迫真の演技がおかしくて、というか、おかしいの兄貴じゃなくて、だんだん怖くなってきてしまってる妹ですよね。うん、わかるわかる、ごっこ遊びってこんな風になったりするよな。っていうか、ちょっとエロいな。ともあれ、困った時にはみくもということがよくわかりました。妹にチョップ、兄貴にアッパー。しかし、それで兄貴天井に突き刺さるのか。すごい。なんだかんだで仲良い兄妹。ちょっとしたきっかけでごっこ遊びに突入する、その息のあいっぷりが見事でした。
『泣きむしストラテジー』、面白い。今回はサバゲだそうですよ。とはいっても、獲物は割り箸鉄砲。輪ゴム飛ばすやつね。クレアが男子から貰ってきて、ほう、アメリアとの親睦を深めるというのですか。クレア、つくし組。アメリア。牡丹組に分かれて、旧校舎にて対戦。なるほど、クレアの目的は罰ゲーム経由で牡丹を泣かせる、だったわけか。このゲームを企画した意図、納得です。魔力を駆使してアメリアたちを追い詰めようとするクレアがおかしい。もう手段選んじゃおられんわけですね。でもって、アメリア、遅い! 走ってるのに歩いてるのと違いがわからん! アメリアと牡丹、ふたりをこうして近付けることに意味があった、そう思ったのでした。クレアについてどう思うか。その疑問に、好きだよと即答する牡丹。アメリアにとっては敵対するしかない存在であるクレアだけど、悪いやつじゃないんだ、こうして友達もできて、支えになってて、好かれてて、そうした側面がこうして伝わったこと、とてもよかった。ええ、それでアメリア、策を講じて勝利する。その時の生き生きした様子ね、ああ、この子も、皆も、いい友達になれるんじゃない? そう思わせるものあって、いやあ、いいもの見せてもらった思いです。
- 『まんがタイムきらら』第15巻第2号(2017年2月号)
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