2017年1月2日月曜日

『まんがホーム』2017年2月号

『まんがホーム』2017年2月号、先日の続きです。

『スナックあけみでしかられて』は先代ママさん来訪です。まだ営業のはじまらぬスナックあけみ。あけみさんが迎えるのはアケミさん。ああ、先代もアケミさんなんだ。いくつもの店を経営しているアケミさん。なんかずいぶん派手好みみたいで、確かに今のあけみさんとはちょっと趣味嗜好が違うかも。お酒も好きで豪放で、けどあけみさんのことちゃんと考えてくれてる。ああ、あけみさんの歌の上達、あるいは改善を願ってるんだ。いつものお客さんたちとはまた違ったコミュニケーション。あけみさんがお雑煮作ってもらってね、すごくしあわせそう。ああ、この感覚、この気持ちがこのお店の根っこにあるのかも知れませんね。緩んだ表情、素敵でしたよ。

『うちの秘書さま』。困りましたね。扉の七瀬さん、やたら魅力的でいらっしゃる。でも本編では二日酔いに苦しんでて、うん、それでこそ七瀬さんだ。でもちゃんと晴着は着なさるんですね。初詣。すごい人手にメイド連が張り切るも、ああ、流されていくメイドたち! ほんと、この人たち、忠義に厚く、優秀でありながらどこか抜けている。そんなところが見事に描かれて素敵でした。七瀬と間違えられて手を握られたメイドさんが感動のあまり落涙とかね、ほんと、この人、最高です。この後のいろいろも面白かった。七瀬の現世利益。坊ちゃんのおみくじに絶望。そして知らぬ間にしこまれているGPS。いや、でも、はじめ様にはGPSでもなんでもしこんどいた方がいいと思うんですよ。結構、重要人物でしょう? 最後には案の定の報われぬ恋。そこにメイドが勝手に加えるナレーション。ほんと、面白い人たち。大好きですよ。

『マチ姉さんの妄想アワー』。姉さん、モチつき機くらい買うたらよろしいがな。そう思ってたら、あ、あかんのか。この人がなんかすると、無限モチ製造機になってしまうというのか。そうか、続々とモチの生産されるモチつき機に手を焼いて、そいつを海に沈めてしまったから、海の水はモチモチしてるのか……。多忙なツルの恩返し。銘菓つるまんじゅうはいいとして、つるタオルとはなにものか。お地蔵さまのハイパーお買い物タイムもおかしければ、全員ピュアな桃太郎。ほんと、発想、見せ方、ともに素晴しい。一寸法師のお碗の舟のこと。これたしかにいわれてみればそのとおりで、そしてカチカチ山のウサギの計画性。実にいい。けど、やっぱり白眉は浦島太郎。ああ、めずらしい海洋生物、知らない事物を知ることに無常の喜びを知るタイプの人には、この四コマに描かれたしあわせはよくよく伝わろうものでしょうよ。老境の浦島太郎の満足そうな様。ああ、どれほどにしあわせであったのだろうなあ。

『歌詠みもみじ』は初売り情景。今回ばかりはもみじの影が薄く、むしろ千恵の方が主役みたいです。もみじの母とともに初売りに命をかける。もみじの母、中身の見えない福袋には興味がない。もう徹頭徹尾得を優先。その姿勢はいつもの川柳を忘れるほどに初売りファーストであります。しかし今回、ハワイにいってお休みのはずのまりなさんが、なにもしてないのに勝手に株があがって、お嬢様だからセールなんて興味ない。いつも着てる服がセール品に見つかれば、その定価をもみじ母、千恵ふたりで確認して、さすがまりなちゃん。いやもう、おかしかったです。バーゲンの現場では役に立たない男衆。もみじの父も同様で、そしていつも盛ちゃんとべたべた一緒にいる長野くんも同様で、あの盛ちゃんの鬼気迫る表情! 長野くん、もみじ父に肩組まれて、いや、ふたり、知り合いじゃねえのか! 今回、ほんと、細々と面白みが積み上げられていましたよ。そんな中、もみじは一歩ひいて地味に地味を重ねて、そして最後にまりなが利益を得てめでたしめでたし。でも、この服、本当に千恵には似合わなかったの? 試してみたらよかったのになんて思うのは、バーゲンで役立たない男の浅はかさなのでしょうか。

  • 『まんがホーム』第31巻第2号(2017年2月号)

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