『まんがホーム』2016年1月号、昨日の続きです。
『天国のススメ!』呪われた絵が登場ですよ。なんかね、魅入られてしまうらしいんですけどね、女性の絵、それがとりわけ草間に関しては激烈に作用して、ああ、この人、特別に感受性が高い? あれ、そういうわけではなかったよね? などなど思いながら、あまりに情熱的な草間の様子にもうぐいぐい引っ張られる、そんな思いでありましたよ。さてその絵画、女性の絵だっていうんですけど、前衛? なんかすごく微妙な感じで、あんまりに前衛だなんだといわれてきたこと、絵自身が傷ついてしまってて、そしてここで絵の願いがわかる。ああ、草間よう、その情熱でもってこの絵を救ったのだなあ。満足して成仏する絵。草間には記憶は残っていないのだけど、果たされなかった約束に、理由も知らず心が痛む。そんな彼の様子に、確かに呪いだったかも知れない、そんな気持ちの動きだったのだけど、恋は恋だったのかも知れないなあ、なんて思わされたのですね。
『うちの秘書さま』、はじめ様、スキーにいきたい模様です。滑れないけどチャレンジしよう。そういうのだけど、七瀬は乗り気ではない。そんな七瀬を口説くメイドの甘言。おお、素晴しい。やっぱり勧誘は相手の特性見てあわせていくのが基本ですよね。そしてスキー場にて。おお、メイド連の衣装、シックで素敵。はじめ様のためになにかしよう、そうした気持ちもよくあらわれて、まずはかまくら作ってスタッフに注意される。次いではじめの雪像作って、はじめにやめてとお願いされる。この好意が暴走してるのがね、おかしいんですね。七瀬は七瀬で、ぼっちゃんといい感じになりそうかと思わせてならない。でもって、はじめに危機あらば、一気に能力開放させるっていうね、おお、七瀬は七瀬ではじめのこと大事にしてますよね。そして温泉。ああ、メイド連、無茶なことおっしゃる。翌日のはじめ様のだらしなさも、これぞはじめ様! といった感じでよかったです。
『マチ姉さんの妄想アワー』。おお、クニ姉さんのアンティークドレス。よく似合ってるといっていいのかい? 素敵じゃないですか。さて、今回の昔話。人魚の泡になるよっていうやつ、すげえ。嫌がらせとしては中々ですけどって、死んで嫌がらせっていうのも肝が座ってますな! というか、この発想にしびれます。「裸の王様」も素晴しくて、あの目の輝き! うおー、やべえ! もうしびれまくりでした。泉の女神も面白く、見たくねえよ…、っていうのがね、ほんと、しみじみとつらさ伝わってきて、泣けるなあ! シンデレラふたりの姉の本音もいかす。ああ、ほんと面白い。天才を感じますね。
『歌詠みもみじ』も面白い。川柳の出来、その面白さが駄目を押す、そうしたところもいいんだけど、クリスマスとケーキ売りのバイトをめぐるもろもろ、その展開もおかしくって、面白くって、場慣れした勤労少女も面白ければ、厨房の修羅場云々なども、うまくキャラクターの特性押し出してみたり、あるいははたまた現実的な要素、ぽいっとうまく放り込んでみたり、でそれらがただキャラクター性や現実を導入するだけでなく、面白さや展開の下支えになってるというのが見事だったと思ったのでした。先生がね、もみじとわあわあやっちゃって、怒られるところなんかも素晴しくって、けどこの先生、めちゃくちゃ愛らしいですよね。ああ冬至やな、輝く笑顔だったと思います。最後の落ちは予想されたものではあったのですけれど、それは工夫が足りないとかいうのではなく、むしろその予想、定番をあえて受けたと思わせるところあって、なんでかって、ちゃんと面白く収められているっていうんですからね。ほんと、よかった。頭から最後まで、ようく練られた、そんな感がありました。
- 『まんがホーム』第30巻第1号(2016年1月号)
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