2015年12月4日金曜日

『まんがタウン』2016年1月号

『まんがタウン』2016年1月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』をメインに、今月から始まる『野原ひろし昼メシの流儀』のカットもございます。他には『夢からさめても』、『ままごと少女と人造人間』、『鎌倉ものがたり』の連載陣、主人公がずらり並んでいます。

『野原ひろし昼メシの流儀』は、野原ひろし、しんちゃんの父ちゃんですね、彼が営業、外回りの最中、昼食をとりに寄る店の話であります。これ、最近の飯漫画ブーム、それを受けての新規展開といったところみたいです。妻みさえと喧嘩したせいで朝ご飯抜きだった。その空きっ腹を埋めるべく、カツ丼を出す店を探す。候補はふたつ、チェーン店と地元のそば屋。はたしてどちらを選ぶべきなのか。その見極めようとするひろしの真剣み。また店に入ってからも、メニューを見る、注文する、そして食べる、その都度その都度のモノローグ。人気の漫画を彷彿とさせる、そうしたところは拭えないのですが、それでもきっちり落ちをつけるところなどは、この漫画の独自性かも知れないって思いました。

『70's愛ライフ』は、ついに子供ができました。というので、これもまた新展開なのかな!? と思ったら、生まれた子供の育つのがはやいんですね。70年代の話だったのが、80年代に、さらには90年代に入っていき、その駆け足に、ああ、この漫画、これで最終回なのだな。駆け足ながらも、自分も知っていた、経験したことがつらつらと語られる、それは面白くって、ああ、懐かしい。それは、これまでにも感じたものでしたけれど、自分の経験したものとなるとなおさらですよね。また年をへるごとに花子も太朗も年をとっていって、ああ、こうしたことにちょっとした切なさも覚えたのですね。そした最後のページでは、息子健太の結婚式を間近にする二人。ああ、すっかり老いてしまわれた。けれど、その表情などは描かれず、かわりに昔の写真、若かりし頃のふたりが描かれて、これこそが私たちのこれまで親しんできたふたりです。ああ、なんだろう、切なくもあり、しみじみとした感慨もあり、それはそれだけこの漫画が好きだったからなんだなあって思います。しかしそれにしても9年かあ。ずいぶん続いていた連載だったんですね。

『漂流系女子高生』は、3日がたちました。って、連載1回ごとに1日なのか。水と食料の心配が出てきました。というんですが、この子ら危ないなあ。森の中に入っていって、そこで見付けた滝。湖なのかな、川なのかな、いきなり直接飲んでるんですけど、駄目だよ、お腹壊すよ? へたしたら赤痢とかになるよ? 驚きの全裸展開。まさみがダイナミックに披露してくれるんですけど、すごいな、全然エロくないよ。色気とか皆無だよな。ありがたみとか全然だよ。さてさて、この遭難に対する疑惑とか出てきましたよ。ホテルの寝間着を着ていたはずが、島で目覚めた時には制服に着替えていた。誰がなんの目的で3人をここに運んだのか? どうも水はある、食べ物もバナナの木があった。どうにもなにか謎がありそうで、というか、これ、観察されてたりするんじゃなくって? ということは、さっきの全裸展開、まずかったんじゃなくて? なんて思ったんですね。いや、どうなりますか、ですね。

『かりあげクン』、ほんと、これという新しいネタも入れてくるその姿勢などとてもいい。あの美術展での壁ドンね、壁ドンを使ったネタはそれはもうたくさん見てきましたけど、こういうのはもう本当にはじめてで、すごいなこの発想。感心するばかりでした。「すべりどめ」なんかも、つばつけて書類をめくることへの嫌悪が描かれて、わかる、わかるわ、そう思ってたら、そこにすかさずはやりのネタを盛り込んできて、そこでまた若い人からの嫌悪が描かれて、ほんと、この2段3段でくるの、ほんとやられました。そして「窓辺」のナンセンスさ。はじがつめたくてきもちいい。そのせりふにそのポーズもおかしいんですけど、機嫌害してる社長と課長、のぞきとまちがわれてるぞ、すわれよ! ナンセンスですよ。それですごくおかしくって、なんだろうなあ、すごいですよ。

  • 『まんがタウン』第17巻第1号(2016年1月号)

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