『まんがタウン』2021年9月号、発売されました。表紙は『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み〜おわらない七日間の旅〜』、映画かと思ったらゲームのタイトルでありましたか。パッケージイラストがそのまま表紙に使われてるのかな? と思ったらシロの前に線路がなかったり、背景の石橋や山、樹々が顕著ですが、ディテールが違ったりしていて、ああ表紙用に描き直されているのですね。しかしこのイラスト、すごく印象的で、今の季節、夏を意識させるコントラストの明瞭さも実によいと思います。タウンは今後こういう系統の表紙でいくのかな? そう思ったくらい完成度の高い表紙であったと思います。
『押しかけギャルの中村さん』
秋山宅に押しかけ成功した中村氏。宿主のぶかぶかTシャツを着てみたり、わりと伸び伸びやってるんだけど、それで秋山にがんがん意識させることに成功しているのかと思いきや、秋山氏、結構な冷静ボーイだな! 自分の部屋着着られるの好きなんでしょう? ニヤニヤ中村に問われるも、なんら慌てず、それやられて嬉しいのは好きな女の子限定ではないかな?
おお、秋山よ、それ中村に、お前さんのこと好きじゃないからってゆうてんのと一緒よ!
でもそれで怒ってバシバシ叩くんだ中村。だったら最初から素直にアプローチした方がよいのでは? だって、この押しかけ作戦、対秋山アプローチとしてはむしろ外してる感あるんだよなあ。でも、この子の参考にしているっぽい魔法少女りるるる。もしかしてこの魔法少女も押しかけ同居ものなのかい!? あ、もしかして中村のツインテール、りるるる意識したものなのかい!?
とすれば、結構秋山攻略に効果あり? いや、そもそも気づかれてないのはいかんな。
中村にとってのりるるる、むしろこの人の見た目、それだけで判断しちゃいけないよって、そういうサインに感じます。この子、りるるるが好きなんかな。そういう方面から秋山のこと気になったとかなのかな。
『新婚のいろはさん』
帰省からの帰り、駅へと向かう道すがら、幼少の頃の思い出を語っているふたりです。大きなカエルと出会ったら、いろははふたりでつかまえた思い出を語り、しかしはじめはというと、カエルを持ったいろはに追いかけまわされた思い出を語る。いろはさん、やんちゃガールだったんだな。
昔を思い返してみたり、あるいははじめみたく、昔の雰囲気取り戻してみたりと、このふたりにとってはただ昔を懐かしむばかりではない、かつての自分たちと今の自分の邂逅する、そんなタイムスリップするかのような感覚。かつての感情が、感覚が、生々しく今に重なり息をしはじめているんですね。
昔のはじめが見ていた風景。それを今のふたりが同じようにして眺めて、けれどもうあの時のふたりではないんだって。あの時は言葉にすることのなかったはじめの気持ち、それがはじめていろはに知らされて、おお、青春よ今ふたたび、そんな様子の微笑ましさよ。この告白の瞬間ははじめ優位かと思ったのに、すぐにいろはがイニシアチブ握りかえしてくるんな! ええ、はじめよ、今もなお純情ボーイです。
『ルナナナ』
街に続く通路が封鎖されていたため、寮の探検することにした3人。寮にはもう一組、同じ仕事している3人がいて、その人たちは遅番シフト、リコたちと会うことは基本ないというんですが、リコたちの仕事ぶりはバレている! そうか、昼番のしわ寄せを遅番に押しつけとるのか! これ、出会うことがあったとしても、ちゃんと仲良くなれるんかな!?
月の防火態勢とか、酸素供給を完全ストップして鎮火するというの、月面生活の過酷さを物語ってますよね。火災が広がって月面の居住ユニットが次々延焼するのを避けるため、犠牲を厭わず小さなユニット単位でトラブルを早期解消する。これは覚悟がいるわ。意思決定者にも、一般の住人にも、双方に相当な覚悟が要求される。そんな判断に基づく取り決めだと思いましたよ。
それだけ過酷な月の生活。しかも今回新たに知らされたもの、月にも伝染病あるんだ! 月面バシカ。あー、そういや冒頭で封鎖区域にリコが顔をつっこんでました! たったあれだけで覿面に感染する。ハシカの名は伊達じゃないな。バリバリの空気感染じゃないですか。
地球から持ち込まれたものが変異したのか、あるいは月固有の病なのか、それはわからんけど、ほんと、月の過酷さ、それがしれっと描かれるの、たまらんものがありますね。
- 『まんがタウン』第22巻第9号(2021年9月号)
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