『まんがホーム』2021年9月号、昨日の続きです。
『座敷童子あんこ』
マジか。あんこ、あんた連日素麺あかんのか。見損なった。それこそ素麺なんて、夏中連日朝昼晩食べても飽きのこない食べ物じゃありませんか。冬になったら味噌汁にいれてにゅうめんにしてもおいしいものではありませんか。なのにあんこよ、たった二日で飽きるのですか。おおお、まったくの予想外。この人、人じゃないけど、それこそ素麺だけで数年平気でいけるタイプと思っていました。違ったのか……。
そんなあんこの夏満喫編。スイカ割りをやればスイカ乗りになり、そしてテレビの心霊写真特集にビビりたおす。いや、そこに写ってるの昔の馴染みとかそういうんじゃないんですか。ほんとこの人、人じゃないけど、の存在のあいまいさ。それが本当に面白い。自分が妖怪という自覚が薄いのか。と思ったら、ナチュラルに首延ばしたりしてるしな、あんこ。
その自分のあり方をこれと規定しないスタイル、好きなんですが、この人が自分のことどう思ってるのかわからなくなった時に幸太がつっこむでしょう。これがいいんですね。
『歌詠みもみじ』
もみじの家庭教師、花見咲子。もみじが大好きといいますが、こっそり思いを寄せて……、というのではなく、ここまであからさまに欲望を見せてくれるところ。ある意味親切かなって思うんですよ。真っ向正面、もみじを連れ出し、連れ回した果てに着せ替え人形にして鼻血吹いてというのね。これがさ、普通に親しみあるお姉さん的対応でもって、けれど実は影でもみじのこと盗撮したりとか、そういうタイプだったらもっともっと怖いじゃん!
包み隠すことなく、ありのままでー、もみじへの好感をフルパワーで出してきてくれる。おかげでもみじはきっちり警戒できるし、読者としても後味の悪さとか感じない。うん、でももうちょっとうまくやろう、咲子さん。欲望ダダ漏れにするのではなく、普通にだんだん距離を縮めていって、もみじからお姉さまと呼びたくなるような……。いや、そんなことできる人なら、こんな残念なことにはなってない……。
けど、なんでもかんでも丸出しかと思いきや、この人もちょっといいように見られたいという見栄を張る気持ち、コーヒーのくだりですね、もみじの前ではかっこいいお姉さんでいたいという気持ちが見えたの、ちょっと可愛かったなって思います。まあ、すぐその後で馬脚あらわすんですけども。
この、やっぱり隠し事とかできないところ、それはこの人のいいところだと思います。ちょびっと黒くて、ちょびっと可愛い。そんな咲子の活躍に期待します。
『うちの秘書さま』
はじめ様、ゴキブリがあかんのか! 部屋に出現! それでもって館中で大騒ぎですよ。
わりと七瀬は大丈夫なタイプかな? と思ったら、平気そうだけどこれといった役には立ってない。メイド連は仕事柄慣れてたりしないかな? そう思ったら、より一層に騷ぎを大きくして、なんでゴキブリ一匹で部屋丸ごと引っくり返したみたいになっちゃうのか!?
殺虫剤のくだりもね、あ、きっとえらいことになる、その予想に違わぬ活躍で、七瀬渾身のいい加減にしてくださいがめちゃくちゃに面白かった。いやほんと、今回、シンプルそのものな話なんですけど、きっとくる、そう思うものがどーんときて、きたーっ! めちゃくちゃ面白い……。大満足……。
役に立たないハチもいいですね。そしてゴキブリ楽勝な田中さん。ほんと、あのラストの騒動継続! いや、そりゃ吸い込んだだけだもの、死んじゃあいないよ! あの冷静さが崩れない田中さん、素晴しかったですよ。
- 『まんがホーム』第35巻第9号(2021年9月号)
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