2021年8月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年10月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年10月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』。グランドフィナーレ、今号で最終回を迎えます、ということで青葉と紅葉をセンターに、イーグルジャンプとその関係者、漫画の主要人物が勢揃い! といった感じの賑やかで祝祭感あるイラストが華やかに表紙を飾っています。しかし、こうして見ると主要人物、猫もいるけど、多いなあ! これだけの人数があって、そのひとりひとりのこれまでを思い浮かべることができるの、それがまたすごいことだと思います。青葉が一緒に仕事してきた人たち、しっかりと存在していた、そんな実感があるのですね。

今月は新規ゲストが4本です。

『七×七不思議』

7×7で49不思議なのかな!? と思ったら違いました。

主人公の女の子、中二病をこじらせているほうが小堤七。七が学校の七不思議に挑むから七×七不思議ってわけですね。

屋上で痛いこといってたら、霊能力があると勘違いされて七不思議の解決に駆り出されることになってしまいました。美徳白子というのが、七不思議の解決をしようとしている女の子。まずはトイレの花子さんだ、ってことでトイレにいって儀式をしてみたら、なんとまあ、本当に個室から女の子が出てきたのね。

これ、最初、お腹痛くて苦しんでる普通の生徒さんなのかな!? とか思いましたよ。でもまぎれもない霊の子で、でも花子さんじゃない、たまたま学校のトイレで死んだだけ、って、ガチ幽霊なのは怖いな! 七不思議、花子さんじゃないだけで不思議には違いないじゃん!

ずっと自分は花子さんじゃないって誤解を解きたかった。その目的を今回果たして無事成仏と相成ったわけですが、ああ、本当に解決する系の話なんだ!

第1回目から意外性を重ねてくれた、その一点でも充分によかったと思う。でもこれ、順調に解決していったら7話で終わっちゃわない!?

『こってりブラッド』

こちらは吸血鬼ぶってる子じゃなくて、ガチ吸血鬼なのね。でも手持ちの血が尽きてしまって大ピンチ。なんとかせんといかん、というのでクラスの子に血を求めようというのですね。

しかしこの子、浦戸イアは内気で無口。クラスメイトの小照に話しかけるも全然会話のペース掴めなくて、でもちゃんと吸血鬼であること、信じてもらえたのは第一歩でしたね。

この漫画、別に人を襲って血を奪おうとか、そういう世界観ではなくって、むしろずっと平和的。吸血鬼の保護団体とかあるらしい。でも給付される血にも限りがあるから、無計画に飲みすぎると足りなくなっちゃう。このくだりで示された、吸血鬼の存在が認められている社会の有り様? 保護団体があるってことは、吸血鬼は絶滅が危惧されてるのかな? それで保護されるってことは、危険視されていない、共存可能な存在と見なされてることもわかりますよね。

こういうところが掘り下げられていったりしたら面白そう、なんて思いました。

血を求められた小照ですが、噛まれて吸血鬼になってニンニク入りラーメンが食べられなくなったら困る! それで断るまではいいけど、ラーメン食べにいかないかって誘っちゃうんだ! これ、信心が浅いから十字架とか利かないっていってたみたいに、わりとニンニクだって平気だったりするのかな? むしろハマったりするんかな? と思ったら、残念、ニンニクは駄目なのか!

でも、ラーメン食べた小照の血、ドロドロこってりでおいしいんだ! 健康には問題あるのでは!? ともあれ、こうして直接の吸血を避けながら血をわけてくれる友達ができたの、いやむしろ一緒にラーメン食べにいける友達ができたの、イアにはいい変化になりましたね。

『おさとうVRツアー』

VRゴーグルで飛び込むVR世界。見た目天使っぽい女の子になってVR世界をエンジョイしているリリエルですが、一人称がボク? ということはリアルリリエルは男の子だったりするのかな? いや、まさかおっさんではあるまい……。なんてこと思いながら読み進んでいったのですが、VR世界での出会いとかがテーマになりそうですよ。

VR世界だからこそ、出会えた人がいる。一緒に話して遊んで、楽しんでと、そんな人がいる。加えて、現実にはこういうの一緒に楽しめる友達いないんだという台詞、ああ、わかる、それすごくわかる。オンラインなら一緒になんかできる趣味の知りあい作れても、リアルだと難しいんですよね。つまるところ自分も陰キャなのかな!? でも、このくだり、共感する人結構多いんじゃないかって思いましたよ。

この漫画で描かれたVRは、お菓子食べたりしてますけど、味や食感も伝わるの!? いや、リリエルが最初にいってたように、VRおままごとなのかも。いずれにしてもこうして出会えて仲良くなって、そして思ったままの言葉で励ました、その気持ちがリアルにも影響しているの、いい感じだなあ。

ええ、リリエルの中身、草野リンと、VRで出会ったゆゆめいの中身、こちらはリンの先生なんだ! 知らず違う姿で出会って、その気持ちで繋がったというの、本人たちさえもわからないそこに趣を感じました。

『我ら不登校』

引っ越しで転校した先の中学校が、ものすごく荒れていました! どうしても馴染めそうになくて、初日から早退してしまったゆめ。家族に心配はかけられないと、あてどなく町をさまよっていたのですが、猫を追い掛けていった先の川辺で不思議な子たちに出会ったんですね。

学校にいかず河川敷学園で卒業をするその名も我ら不登校!!

これ、自主的な活動なのかな? それとも出席が認められて、ちゃんと卒業扱いにしてもらえるのかな? いずれにしても学校に馴染めない子たちが自主的に集まって、友達作って、勉強して、いずれは卒業していけるのだとしたら、これは素敵な活動だなあ!

参加している子たちも、高2のなぎさ、中1のちさ、高3のあけみと幅広く、そこに中2のゆめが加わって、高校生、中学生がバランスよく揃いましたね。で、このメンバー、一番学力優秀なのがちさで、一番成績悪いのがあけみ。これはこれでバランスとれてるんかな!? いや、とれてないな……。

でもこうして皆が集まって、苦手意識とか劣等感とかまったく関係なく、のびのびと学業にいそしんでる姿は悪くない。加えて、彼女らが学校に居場所を得られなかった理由とか背景、そしてこの河川敷学園ができるにいたったくだりとか、いろいろ気になるそのへんが掘り下げられたりしたらきっと嬉しいだろうなあ! これからの伸びに期待しちゃう一本です。

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