2021年8月29日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年10月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年10月号、一昨日の続きです。

『ネコがOLに見えて困ります』

兄貴が連れてきた女性。見た目はどう見てもスーツの女性、普通ならお客さんだな、職場の同僚とか後輩とかかな? となるところが、ミコトの場合はちと違う。動物が人に見えてしまうミコト、兄ちゃんのことだ、平然と動物を連れてきてるのかも。人? イヌ? ネコ? 疑いながらここでめちゃくちゃ慎重に距離感はかるのが面白くって、それだけに人と判明した時の驚き、この勢いったらね! 笑っちゃいますよね。

兄ちゃんの会社の後輩、波田さん。近々猫を飼う予定というので、猫飼いの先輩にいろいろ教わりにきたというんです。でもほんと、この人、涙もろいというけど、それにしても限度ってものがなくない!? なるほど、波田という名前、涙からきてるんだ! ほんと、OLさんと社長ちゃんを見て、あまりの可愛さに泣く。で飼い主、めちゃ喜ぶ。

ここからの展開も、猫たちと遊ぶミコト。ミコトに甘えるOLさん。そしてふたりの来歴を聞いてまた涙! いやもうね、こんだけのことでここまで感激しちゃうの、自宅に猫がやってきたらどうなっちゃうの?

いろいろ大騒ぎだった波田さん。せっかくのメモも涙でぐちゃぐちゃ。でも、きっと自分でいろいろ学んでいけるよね、こんだけ熱心な人なら。そして猫を飼いはじめた波田さん。家族全員が号泣って! いやもう、これだけ熱い思いをそそいでくれるんだから、猫ちゃんもしあわせだと思います。

『敷金礼金ヤンキー付き』

七恵、太っちゃった? 去年買ったパンツ、なんとボタンがとまりません。それでショック受けてるのがなんか可愛くて、これ、たえも同じこと思ったみたいですね。ヤンキーっていってもこういうとこは普通の女子だって、いや、自分も同じようなこと思ってたからツッコむ資格はないんだけど、ヤンキーだって太ったらやだって思うよなあ、それこそ女子なら。

ダイエットを決意した七恵。でも、まだ十代なんだから基礎代謝も高いだろうし、その気になったら結構はやくやせられるんじゃないかな。とか思ったら、もともとのカロリー収支から改善する必要ありそうなんか。カップ麺、ケーキ、チョコ、ポテチが常食。あー、ポテチはあかん、油を飲んでるようなもんだっていうよ? でもおいしいんだよなあ。

たえが食生活の改善を提案するのですが、七恵、素直に従いながらもいまいち理解してないのがおかしくて、でもこういう人、多いと思うよ? ボウルといわれてボール出すのも、それなりにいると思うよ? ほんと、基礎的な理解がゆきとどいてないというリアリティが実際すごかったです。

けど、この七恵のダイエット、地道に運動でなんとかしようとするんですけど、走るのは苦手、つらい、でも喧嘩となれば生き生きとして! ほんと、喧嘩でやせるダイエット!? いや、そうはならなかったんだけど、喧嘩ふっかけたのが災いしてチームあげての襲撃受けて、からの必死に逃走ダイエットになっちゃうの、うまいこと繋がったなあ! いやもう、つかまんなくてよかったですよ。ダイエットもとりあえず成功したみたいだし、ほんと、喧嘩だなんだと物騒だけど、やっぱ活動してエネルギー使うのが早道だったわけですね。

ということは、冒頭の七恵、ここのところ平和が続いたからこその増量だったのかもですね。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

夏なので怖い話をします。というんだけど、どうにもしまらないのがこの子たちらしいといいますか、だって亜紀とっておきの廃墟ホテルの話、その真相に八重が関わってるとかどういうことなのか。幽霊、お化け、怪奇の類と思っていたのに、八重だけが知っている、そのいないはずの4人目、私だわって。他人の肝試しに介入して怪奇現象になるとか、ほんとただものじゃないですよ、八重さん。

今回の怖い話は、本当に八重が大活躍で、そもそもからして発想がちょっとおかしい。近所のコンビニがつぶれたの……。亜紀と大河がついてこれてへんやん! というか、みなちゃんは怖がりすぎでは!? いやほんとおかしい。さらに八重駄目押しの2周目怖い話、有名な外食チェーン店がうちの県から撤退した……。

スケールアップしてる!

そもそも考えてみれば、最初の廃墟ホテルの話も、いくつもいくつもホテルが潰れてましたよね。ここが田舎だからか、あるいは不況のせいなのか、いずれにしても自分の住んでる町が県が、どんどんさびれていくという悲しみ、これは実際うちひしがれるよなあ。自分の周辺もこんな感じよ? どんどん店がつぶれていくねん。つらい、つらいわ八重ちゃん……。

しかしこの怪談と思わせて徹頭徹尾リアリスティックな八重のスタンス、最高に面白かったですよ。と、ここで気づいたんですが、これ、怖い話とはいってるけど怪談とはひとこともいってなかったね!? なるほど八重ちゃん、おかしくなかった。むしろ正しいのは八重でした。

『とびだせT.O.Z』

学年別大会に出場するマナ。これがこの子にとっての初試合となるわけですが、緊張してるの、勝てないとわかってても怖いと思う気持ちがぬぐえないというの、いや実際わかる気がします。

しかしチームメイトが酷いというか、誰もマナのこと期待してないどころか、走る前からなぐさめモード! ああ、これはマナも落ち込むよなあ。あるいはむしろやる気になったりする? とか思ったら、スターティングブロックでの失敗との合わせ技で、なんかリラックスできたみたいですね。

今回のマナのレース。結果こそは最下位だけど、スタートの反応のよさとか、これ今後の伸びに繋がったりするのかな? 期待させてくれそうな強みが垣間見えたり、2ヶ月前のタイムから2秒以上縮めたと前向きな評価を受けたりと、マナが陸上に取り込む上での指針が得られた、そんな回だったと思います。また、レースを終えたマナを迎えるチームの皆のあたたかさ。マナが泣いちゃうのもわかるよ。ほんと、このくだり、感動的だったと思います。

この漫画、はじまった当初は兄貴の独自すぎるトレーニング手法にドン引きしたり、マナのつっこみを面白がったりと、スラップスティックなおかしみが強く感じられたものでしたが、こうして続くうちに、マナそして兄貴も成長して、選手としても人としても変化し伸びてゆく、そうした様を見せてくれるようになったのですね。

こうした変化が当初から企図されていたものならごめんなさい。でも、こうして描かれようとするもの、ことが変化して広がりを持とうとすることに対しても、伸びゆくものの見せる魅力、輝きを感じてしまうのです。

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