2021年8月30日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年10月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年10月号、一昨日の続きです。

『RPG不動産』

この世界、本当に剣呑だ!

サトナから提供された大邸宅での有給休暇。なにもしなくてもいい、ゴロゴロだらだらしてても大丈夫という状況を満喫していた不動産の面々だけど、ついに判明してしまった、この屋敷から出られない!

この軟禁状態、いったい誰の意図によるものなのか。ルフリア、ラキラは完全にサトナのこと信用していますよね? 実際サトナのことを信用していても大丈夫なのかな。いやもう、この状況下で誰を信用すればいいのか、まるでわからなくなってるのは読者だけなのかも。少なくとも琴音も含めて不動産の皆はサトナだけはなにがあっても大丈夫、そんな意識でいるのは間違いないですね。

絶対開けるなといわれていた地下の秘密の部屋。屋敷中調べてみてもなにもわからない。開けていないのはここだけと、琴音が部屋を開けること提案するんですけど、いやもう、ここにサトナたちが隠したい秘密とかあるのかと思ってた。あるいは、この軟禁状態を脱するヒントなりギミックなりがあるのかと思ってた。

とんでもなかった! 琴音にささやきかける怪しげな声。うわ、ソーシャルハッキングだ。人のいい琴音は鬼気迫る切迫した助けを呼ぶ声にたまらず扉を開けてしまって、そうしたら、なんだこれ、おどろおどろしいのが出てきたぞ! ほんとにこの扉、開けてはいけない扉だったんだ! 琴音が掴まり、続いて助けに走ったラキラも囚われ、無事なのはルフリアひとり。

これ、ルフリアが彼女らにとっての希望になるのかい!? そんなルフリアの前に現れた謎の少女。そして地獄めいた世界に囚われている人たち。そこには勇者もいて!

いやもう、これ、どうなってるの。ほんと、なにを信じてどう動けばいいのかまるでわからん、剣呑そのものな状況に完全振り回されてしまっています。

『紡ぐ乙女と大正の月』

紡、現在に戻ってきた? 母の声で目覚めた紡は覚えのある部屋にいる自分を見つけ、朝食は今や懐かしくさえ思える母の玉子焼き、そしてひとり学校へと向かう通学路にて、あの大正時代の生活はいったいなんだったのか。

と思ったところで、紡、またも目覚めるのですか。授業中、眠ってしまっていた。謎の写真について考えていたらよく眠れなかった。そんな紡の脳裏には、謎の写真、原敬暗殺、自分の存在が歴史に影響している? などなど思い悩むことがやたらと増えて、ほんと、大正時代のこととかそうそう興味ないと覚えちゃいられないですよね。答えあわせもままならずもどかしい紡。実際、紡が原敬を覚えていたの、それだけで立派ですよ。

唯月が紡のこと、未来に思いをはせているのではないか、戻りたいと思っているのか? 心配して、いろいろおずおずと話しかけてくるその様子がいじらしくてたまらなかったです。紡と離れがたいのだなあ。そんな唯月が本当に愛らしくて、そして紡の答を聞いて嬉しさ感じている唯月のまたチャーミングなこと。ああ、唯月にとって紡の存在はそれほどまでに大きくなっているんですね。

しかし、あの写真の謎、あの写真が紡に伝えようとしていることはなんだろう。そもそも伝えようとしてるのかどうかさえわからないけど! ともあれ紡には思い出してほしい。大正帝都に起こる歴史的大事件。ほんと、これがずっと気掛りでならんのです。

『まちカドまぞく』

台風を受け、桃の家に避難していた面々。桃とシャミ子が向かうと、なんと小倉が死んでしまっていた……。いったい誰がそんなことを!? 第一容疑者のリコがいうには事故なのだそう。さらにいえば、小倉はまぞくなので死んではいない、仮死状態。

かくして語られる台風の夜の出来事。というか、これ、リコが小倉の死を引き起こすきっかけを作ったのは間違いないっぽいな……。でもリコの探索で得られた不思議な空間、これ、桃やシャミ子の見つけた情報、その裏付けないしは目的地っぽい。ということは、リコ、えらいこと引き起こしはしたものの、桃、シャミ子の探しものにおいては功労者でもあるわけか。

なかなか難しい状況です。

今回描かれた小倉のこと。夜中、トイレにいきたいと良子に付き添いを頼む小倉がなんか可愛いよな、とか思ってたけど、小倉、自分の存在が失われること、めちゃくちゃ怖れていたんだな。見るからに怪しい小倉の存在、そこに真正面から踏み込んでいく良子が頼もしい。もしかしてまぞく? からはじまり、なにが目的のどんな人なの? リコの介入にも負けず、ふわっと誤魔化される可能性も真顔で潰して、がんがん押し込んでいくのね。ああ、この子頼もしいわ。そうでした、姉の参謀になるんだって、軍師になるんだって、以前いってましたよね。その約束、この子なりに果たそうと必死なのかも知れませんね。

しかし小倉、想像以上に危うい状態だったんだ。本の魔族。情報を集めて増やすことが小倉の存在意義で、しかしこの子、今の小倉が持っていたのはたった1ページの行動指針。その情報にもとづいて、安全地帯と見なしたシャミ子の近くにいようとしていた。ああ、シャミ子をおもちゃにすべくストーキングしてるのかと思ってた。ごめんよ、小倉。君はただただ自分の身の安全を求め、サンクチュアリとしてのシャミ子に頼っていたんだね。

今回は小倉が死ぬ前の状況が語られるにとどめられました。いわば前提が整理されて、そしてここから小倉の死にまつわる顛末が語られる。というか、リコの狼藉編? あの謎の空間、おそらくは暗黒役所なのだろう、そう予測はするのだけど、予測すると思いっきり外してくるからなあ! いやもう、ただただ次回を待ちますよ!

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