『まんがタイムきららキャラット』2021年6月号、発売されました。表紙は『キルミーベイベー』。なんと、これはプラモデルではありませんか。ソーニャとやすながパーツ分けされてランナーにおさまっています。ふたりのフィギュアだけでなく、各種表情のついた手に顔、そして武器や小物類も充実して、実にプレイバリューの高そうなキットでありますよ。ちゃんとハンドガンも2丁あるからふたりを撃ちあわせるもよし2丁拳銃にするもよし。と、あ、バナナはひとつしかないんだ。残念、バナナで2丁拳銃ができません! つまりふたつ買えばいいってやつですね!
『まちカドまぞく』
台風接近。ばんだ荘が危ない! というので、フィジカル強くない組は桃の元住居に避難、フィジカル強い組はばんだ荘を守るためアパートに残って台風を迎え撃ちます。
しかし、このバタバタの状況で、やたら重要な情報がドバドバ出てくるのがものすごい。アパートを守っていた結界が失われてしまってることを知ったシャミ子の母が、結界の張り替えを依頼すべくファックス送っていたその先が暗黒役所。なんと魔族には戸籍がなくて、暗黒役所がそのへんをうまくとりつくろってくれているというのはいいとして、なんですと、良子も戸籍なかったの!?
まったくもって予想外だった。シャミ子にしても人間としての戸籍は普通にあって、そこに魔族としての登録をすべく暗黒役所に届出をしたとか、そういう話なんだと思っていたのですけど、もしかしたら自分のこの理解が根本から間違っていた!? いやもう、魔族との共存を実現しているこの町の秘密、それが一気に明るみに出てきそうな進展具合。だってさ、あんなのが屋根裏、というか屋根に隠された秘密の小部屋に保管されているだなんて思いもしない展開だったわけですよ。いやもう、予想外、予想外の連続です。
『RPG不動産』
まったくもって、こちらも予想外。魔族の残党がファーを担ぎ上げてかの戦争のやりなおしをしようと画策していた。そう思わされていたこの前提からが崩れてきましたよ。しかも、すべて問題は解決し、平和な日常に回帰していこうとしている、そんな雰囲気に安心を感じていたところにこれでしょう。本当、驚かされました。
今回の物件探し、というか困りごとの解決、その顛末は本当に面白くて、また琴音が図鑑好き、植物好きというのがわかって、なんだか親近感覚えたりしたりしていたのにですね、最後の最後に本当に予想外の展開がやってきて、これは見事といいましょうか、参ってしまいましたよ。
戦争は終わった。そう思っていたところが、実はそうではなかった? サトナの兵士に追われるアリスの姉、セレニア。満身創痍の彼女からアリスにもたらされた情報は、ほんの一年前の故郷の姿、燃える街の様子であったのですね。戦争は終わっていない。ただ人の世界においてこそ戦争は終わったと伝えられている。これ、戦争終結というのは欺瞞情報なのかな。この真実をサトナは知っているのか。あるいはそれこそセレニアの情報こそが欺瞞? またはなにか人と魔族の間に誤解ないしが? 対立を生み出そうとする第三の勢力があったりする!?
わからない、ほんとにわからない。しかしこの情報を得てアリス、動いてしまいました。ファーを呼び出し、その身を確保し、走るは姉、セレニアの元!? しかしアリスよ、こういう時こそ仲間に相談だ。RPG不動産の皆なら、話せばわかってくれたかも知れない。助力も得られたかも知れない。ほんと、事態はより困難な方向に流れていこうとしている、そう感じさせられて不穏であります。
『かぐらまいまい!』
お姉さんの姿が見えなくなってしまったことにうろたえるこふくと、その悲しさに寄り添う美夜。思い出されるのはこれまでのお姉さんとのこと。あの時、この時、お姉さんが助けてくれた、多くを教えてくれた。そう語りあっていたその果てに美夜の気づいたこと、ああ、ノートに残されたメッセージ。そこにこめられたお姉さんの思い。そこに思いを馳せることのできたこと、そしてこふくを追ってきてくれた部の仲間、ミコトからのちょっと荒っぽいはげましに、ああ、こふくも顔をあげることができましたね。
たとえその姿が見えなくとも、神様を信じる気持ちは同じ。不在であれど、私たちとともにお姉さんはあるのだと、そう思わせてくれたミコトとカンナの言葉はやさしくて、そして強さを感じさせてくれた。これは、この子たちがこれまでともに御神楽に取り組んできた中で育んできた信頼や共感があってのことなのだろう。不思議なお姉さんのことも思いをともにして、身近な存在としてそばに感じることのできる、それほどに気持ちを通じあわせてきたのだろうこと、よくよく描かれていたと思うのです。
次号、最終回。今回、万感の思いをともに舞ってみせた彼女たちが、その先に見出すものがなにであるのか。それを知ることができるのでしょうか。そこに幸いと安寧があれば、どんなにか嬉しく思うことでしょう。彼女らによき日の訪れることを願わないではおられません。
- 『まんがタイムきららキャラット』第17巻第6号(2021年6月号)
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