2021年4月13日火曜日

『まんがタイムきらら』2021年5月号

 『まんがタイムきらら』2021年5月号、一昨日の続きです。

『むすんで、つないで。』

小学生組のやっていた自由研究。この土地に残る伝承を調べて発表するというの、もともとは神隠しについて調べる予定だったのが、住民が入れ替わってしまっていて、聞き取りがうまくいかなかったんだ。

これ、フィールドワークの難しいところですよね。伝承は、とりわけ文書によってではなく口承で伝えられるようなものは、コミュニティの解体とともに失われてしまうことも多いから、それこそ伝承者が存命のうちに、アクセス可能なうちに聞き取り、採集しないともうわからなくなってしまう。今回のエピソードでは、土地に残る伝承はもう散逸してしまっていることが語られ、そして今ここに神隠し事案に関わった当事者が、花ノ子、苺を中心に複数人確認されるわけですが、これもなんらかのかたちで残しておかないと、この子たちの退場とともに失われてしまうと示唆されて、なんだろう、民俗学的なこの視点にぐっと引き込まれたのでした。

白百合の提案に応える花ノ子のあの前向きな様子は、伸びゆくもの感じさせてとても魅力的でした。具体的にどうするか、それはどうもぱっとしないわけではありますけど、この子たちの事例がなにか広がりを、さらなる当事者とのコンタクトを可能とするかも知れない。その第一歩がこの日記になるのかも知れませんね。

いや、そうそう簡単に、というか謎解きの方向には進まないような気もするんですけどね。

そもそもこの漫画のテーマが、神隠し事案とその解明ってわけでもないでしょうから、こちら方面の掘り下げがなされるかどうかもわからん。でも、これら話題が皆のやりとりの面白さ、個性の発露を促すのはとてもいい感じでした。

あと、七色。太り塩ってなんですか。調べましたよ。出てきませんでしたよ。そういうなにかがあるのかと本気で思ってしまいましたよ。

『ウサうさ!』

小学校のウサギ小屋からの逃亡を目論むミスターR。今回は地面に穴を掘っての脱出を企てるのですが、これってフェンスの下に杭が打ってあったりするんかな? と思ったら、もうそれ以前の話。ウサギ小屋の地面の下、コンクリが敷いてあるんか。当然ながら全然掘れない。というか、T、めちゃくちゃ冷静だな。それにコンクリを理解してるのか。なかなかにスーパーなうさぎです。

うさぎの世話がかりの小学生ふたり、ユキとナツ、この子たちが逃亡のチャンスを作ってくれるわけですよ。具体的にいうと、ナツのガサツさ。入り口ドアの開け閉めをきっちりしない、ドアが少し開いている。それをミスターRにつけこまれようとしたわけですが、ああ、先生がきっちり閉めちゃいましたね。

うさぎたちの懐くユキ。やっぱり給餌係だからか。その点、掃除係は損なのかな? と思ったら、掃除係以前にガサツと認識されているその悲しさ。そうしたうさぎたちの人物評も面白かった。うさぎメインではあるけれど、飼育がかりの子たち、そしてうさぎ好きをひた隠しにする先生といった人間たちのやりとり、動きが見えてきていい感じ。うさぎサイド、人間サイド、それぞれの魅力が感じられるように思います。

My Private D☆V

『観音寺睡蓮の苦悩』のカエルDXです。

今回のD☆Vポイント、なかなかに面白いのがきましたよ。「アニメやマンガの作画でよくある、正面だと伝わりづらい立体感が横顔になると顕著に表われる現象大好き学会」なのだそうですよ。

確かに、時代ごとに傾向は違ってくるけど、正面顔の鼻なんてただの点がちょんと打たれてるだけだったりするのが、横顔になるとしっかりした鼻になる。これ、なるほど、平面に隠されていた立体が立ち現れてくる瞬間であるわけだ。面白いですよね。

これ、似た話なのかまったく違う話なのかわからないですけど、フィギュア、これがすごいなってこれまでつくづく思ってきて、今回のD☆Vポイントにいう、正面は平面的で、横からは立体的な表現がなされる絵の人物を、完全に立体にして表現しないといけないのがフィギュアでしょう。昔はそれこそ似てなくて当たり前だったのが、いつしか似てるのが当然、似ている上にさらなる魅力を乗っけてくるのも普通みたいな怖ろしいことになってしまっているのがフィギュアだと思う。このどこから見ても破綻なく、かつ魅力的に見える人体の、表情の表現。私はそこに驚嘆させられてきたわけですが、これは、今回のD☆Vポイントのいわんとするところに近い感情なのではないかなと思ったりしまして、いや、自分の場合は現に立体となってはじめて驚嘆しているわけだから、少なくとも1ステップ以上遅いわけではありますけどね。

子供の頃、漫画の、アニメの表現の、正面と横顔の違い、そこに不思議を感じたこと、ちょっと思い出しました。鼻とかの表現もそうだし、あと口ね、スタイルにもよりますけど、厳密にいえば頬についてるのに違和感覚えず普通に見てたりするじゃないですか。そういう不思議。そんなことも思わせてくれたD☆Vポイント、刺激的でした。

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