2021年4月23日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号、発売されました。表紙は『キミと家族になるまで』、智里が登場です。手には種をつけたタンポポ。ふーっと息を吹きかけたところでしょうか、綿毛がぱーっと散っていく、そんな春の情景が淡い色合い、落ち着いたトーンともあいまって印象的な表紙にしあがっています。風と光が図案となって表現されている背景もまた上品で、グラデーションも実に美しい表紙です。

今月は新規ゲストが3本です。

『異世界百合ハーレム~転移したら冒険者パーティーの魔力タンクになりました~』

これは異世界ものでいいのんですか? 学校への近道を通ったつもりが、その道はなぜか異世界に繋がっていて、しかも迷宮内、敵から逃げる冒険者の一団に合流してしまったというのです。このいきなりの展開、有無をいわせぬものありましたね。しかも、魔力が足りないという魔術師に目をつけられて、その胸の大きさ、よほどの魔力を蓄えているに違いない。ここは非常事態と、キスでもって魔力を調達、帰還魔法でもって逃げおおせるのでありました。

いきなりな展開ではあったけど、ここがどういう世界なのか、だいたいわかった。その後の酒場での会話でもって足りない情報がさらに補完されて、なるほど、この世界では胸の大きさが魔力の総量に比例する。かくして異世界に迷い込んだ主人公は、冒険者たちから魔力の補充源として目をつけられ、さらにいえば女性しかいないこの世界、恋愛の対象としても狙われることとなるっていうんですね。

いや、これ人間同士だけでなく、魔物からも狙われるんだ。

人からも魔物からも、その魔力を、身体を? 狙われる主人公。ちょいエロ系の漫画ですよね。しかも百合系。仲間からも敵からもというハーレム状況を描いていこう、そんな感じであります。

『除霊部の御門さん』

タイトルからこの内容は予想できませんでした。特撮ヒーローに憧れていた主人公。けれど高校生にもなればいつまでもヒーロー、ヒーローではないだろう。自分の興味、憧れが薄らいだというよりも、周囲の熱が冷めていくにしたがい、自分の思いを胸のうちに封じてしまった、そんな感じであるというのですね。

そんな彼女が高校で出会ったのが、御門霊媒事務所なる不穏な部活? 除霊部っていってますね。どうにも胡散臭いから距離を置こうとしたものの、運悪くそこの部長と出会してしまって、部室に引き込まれるハメに。しかし霊などいるものか。そう思っていたら、夜の学校、地縛霊退治に誘われるというのですね。

この除霊活動のくだりにて、手におえないようなヤバいのと遭遇してからのヒロイン神田の立ち回り。凶悪な霊に追われながら取って置きの除霊バットを取りに部室へと走り、そして二階からグランドで待つ御門のもとへとジャンプ! その時、神田が心の奥に眠らせていた熱いヒーローが目を覚ますんですね。

かくして神田のヒーロー活動、除霊部で再始動といった具合なんですが、神田にとってあの時の御門はヒーローだったというの。目指すべきロールが見つかったって感じがしますね!

『元JKでもラブ?コメディ!』

高校の頃、クールビューティと誉れ高かった望月。しかしその実際は、どうにもぼんやりしている残念系で、こんな彼女の真実を知るのはルームシェアをしている南雲だけ?

しかしなぜ望月は自分とのルームシェアを希望したのか。バイト先の先輩の百合トークに感化されて、だんだん望月のことが気になってくる南雲。はたして彼女はなぜルームシェアを持ち掛けてきたのか、もしかしたら自分のことを!? あるいは自分が望月のことを? そうした思いでぐるぐるしながら、その望月の本当を確かめようとするくだり。

まさかここで、あんな介入が発生するだなんて予想もしませんでした。

望月の真意、さらにいえば揺れる南雲の気持ちの本当のところ、それはまだ明確なかたちをとらず、曖昧なままにあるんですが、ふたりの同棲を認めないと乱入してきた女子ふたり。この子たちの介入こそがふたりの気持ちをはっきりさせる、そんなことになるのかもなんて思わせるラストでありました。

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