『まんがタイムきららミラク』2017年5月号、発売されました。表紙は『うらら迷路帖』、臣と千夜、ふたりイラストであるのですが、ん? これはなにをなさってるの? 臣さん、千夜の衣装の紐をといていらっしゃる!? 帯の結び目のところから腕にのびてくるくるって巻いてある、その紐なんですが、それがこうしてとけるだけで、こんなにも印象違ってくるのか。これ、千夜の鮮烈な印象、いや増されていますよね。
『mono』、『ゆるキャン△』のあfろがミラクに帰ってきましたよ。写真をたしなむお嬢さんのお話。写真を撮る牧ノ原先輩に憧れ、スマートフォンで写真を撮る日々。それはいいんだけど、『ゆるキャン△』では出してない持ち味、ばっちり発揮してきてますね。雨宮さん、この子の撮った写真、ネコ16枚、空14枚、先輩3万枚、その他12枚。先輩3万枚!? 先輩が卒業してやる気なくしてる雨宮をやる気にさせる霧山。そして雨宮、ついにデジカメを買う気になって、って、それで買うのTHETAならぬヴィータ、全天球カメラっていうんだから、これ、すごいよ。普通じゃない! オークションを利用するもまさかのトラブル、でもそれが新たな出会いを生んで、そして全天球カメラにて撮影したそのイメージ! うおー、これ、すごいわ。これ、電子で見たい。電子だとノドがなくてツライチで表示されるじゃないですか。『mono』一本、この一話だけでもいい、電子で出しておくれー! 写真の漫画、写真の楽しみ、そう一口にいうことのできない、そんな漫画です。関わる人、まつわる人、もの、その魅力がしっかりそこにある。まるで手触りさえも感じるほどに! いや、もう、ただの一話でやられまくりですわ。
『甘雲ダイアリー』、突然の雨に困りはてたお嬢さん。山が近くて天気が変わりやすい。お婆ちゃんにはいわれていたけれどこれほどとは。自分は濡れてもいから、買ったばかりの本だけは死守したい。ああ、この子の気持ちわかります。ほんと、体はね乾かしたらすむじゃないですか。でも本はべこべこになっちゃうからなあ。と、そんなピンチを助けてくれたお嬢さん。おお、うつむいた優汐の視界に飛び込むように入ってきた、その印象のあざやかさ、見事に大ゴマにて表現してみせて、そこからのふたりのコミュニケーション。最初はちぐはぐ、けれどだんだんに打ち解けてきて、そして桜雨。情緒、叙情を感じさせるこの流れ、美しかったな、素敵でした。しかしこの傘の女の子。雨はお友達? 不思議なことをいう子です。この不思議な子との再会、おそらくはあるだろう。そんな予想に、傘の子だけでなく、読者もわくわくさせられるものある。そうした広がり、とてもよかったです。
『まちとびカルテット』、大江戸を舞台に火消しに勤しむ娘さんたちの話であります。といっても私たちの知ってる江戸ではない。街中に張り巡らされた水路。絢爛豪華な街並み、そして皆の衣装もぱっと目をひく華やかさ。この街にやってきたばかりのかなでが、たまたま世話になった船頭の桐、この子に頼まれるままに消火活動手伝って、この活動に従事する人たちがまちとび。それぞれの技で、火をとどめ、火を収め、場合によっては破壊消防もいとわない。そんなまちとびたちの活躍描いて、そしてかなで、下宿先が焼けちゃった、ということでまちとびのまつりの家にお世話になります。まったく予想もしなかった、まちとびになる道、それが開けたみたいですね。いずれはかなでも、得意の技を見つけていったりするのかも知れませんね。
『ハルベルンハルカ』、めずらしいなあ、ロボットものだ! 憧れのロボット。巨大ロボット。そいつに乗って、悪いロボットと戦う! ちょっとしたロマンですよね。そのロマンに突き動かされるままに突っ走っていくヒロイン春部遥。しかし、これがなんともいえんギャグで、先代パイロットのロボットに乗りたくない理由っていうのが実にアレで、そして遥のやる気が一気に萎むあの展開、ほんと、これまでシルエットにとどめていたロボの詳細がどーんと明らかになって、ああ、これ、このインパクトのために秘匿してたわけだ! しかし、すごい。遥の連呼、もう何回いった? この勢い、面白かったですよ。なんというか、その勢いでもって笑わされてしまう。見事な力技でした。でも、一度はやる気を失った遥が再び立つ、その場面、ちょっとかっこよかったよ!
『帰宅部でいいのに』、球技が苦手なリンちゃん。冒頭でサッカーボール空振りして思いっきりコケてみたり、そして友達からバスケ部に誘われてね、嫌だって、ボールは友達といわれても、敵だって、絶交するって、そんなリンの、いかにボールが苦手か、運動が苦手かがこんこんと描かれるのですね。小学生時分のドッジボールの思い出。ボールは怖いし、ぶつけられるの痛いし、痛くて怖くて取るのも無理だったって、そんな苦手意識と、そんなリンの気持ちを全然理解してくれない友達。でも、友達のことは嫌いにはならない。でも一緒に運動部に入るとかは無理。帰宅部一択。それは絶対譲らない。そんな彼女らの対話劇。部活に誘うのだって、どっちかというとジャレて楽しみたい、そんなのの一環なのかも知れませんね。
- 『まんがタイムきららミラク』第6巻第5号(2017年5月号)
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