『まんがタイムきららフォワード』2017年5月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし!』、メインの4人がわーっと寄り集まって、なんだろうなあ、こんなに楽しそう、元気でほがらかで、生き生きとしてる。こうした様子、最近の本編、その展開からはちょっと見られないものになってましたね。それだけに、こうやってわだかまりもなにもなくその仲よさを見せてくれるのが嬉しいと思えて、ええ、とてもいい表紙だと思います。他に『ゆるキャン△』のカットもございます。
『ゆるキャン△』、ちくわが回収されていきました。さて、今回はお風呂。2組にわかれて、半分ずつ研修施設の風呂を借りるのですが、酔っぱらいと一緒に、いやさ先生と一緒に待機していたリンとなでしこ。先生に四尾連湖で一緒だった火おこしのお兄さん、彼氏さんではないのか、聞いてみて判明。あれ、妹です。それで性別間違い疑惑があきに飛び火するのおかしかったです。おいしいものをたらふく食べて、お風呂にも入って、毛布にくるまり過ごす夜。この皆寄り集まってる様子は実にあたたか、ほのぼのとした楽しさ、嬉しさに満ちていて、しかし今どきのキャンプはタブレットで映画だアニメだを楽しんだりするのかー! このゆったりと過ごした夜。眠りに入る直前の対話。とりとめない話をしているだけのことがこんなにも魅力的に思われて、来年もたくさんキャンプしようね。続いて、翌朝にいたるまでの時間の経過。日の出より先に起きて食事の用意。あたたかい朝ご飯、そして日の出。ああ、なんて豊かなんだろう。これ、言葉にならない。絵の、情景の力が感じられますよ。
『なでしこドレミソラ』、うおおー、いい話だなあ。人前での演奏を終えて、香乃はすっかり弱ってしまっていたりと大変そうですが、なんとかかたちになりました。それに楽しい気持ちもありました。よかったんじゃないでしょうか。アンケートに寄せられたお客さんからの感想、これもまたよくて、ポジティブな意見もあればネガティブもある。あちらを立てればこちらが立たず、矛盾する意見もあって、この賛否両論、否定意見をどう受け取るか、香乃のお母さんのいう、否定には期待と可能性が含まれているという言葉、これはすごいと思いました。そして美弥のお話。おお、お母さんが折れました。いや、美弥の気持ち、それがいいかげんなものじゃないって認めてくれた感じですね。三味線を買ってくれるという。専門店にいって、新しい棹、これまでの花梨ではなく紅木。重さが全然違う。ぽんぽんと必要な部品が揃って、目の前で組み上げられる自分のものになる楽器、それに向ける美弥の視線、ああ、受け取った時の美弥の様子。これはすごいなあ。嬉しいんだろう。けど、それだけでは留まらない、心をそのままに楽器に奪われてしまってる感触がこれでもかと描かれておりました。今回は盛り沢山ですね。最後にもうひとつサプライズ。あわゆきさんが美弥に三味線を教えてくれるという。ああ、次から次にだ。本当にこれはわくわくさせられます。
『まんが家cherry!』、ゲストです。漫画の修行をせんとアシスタントを始めた桜井春香。背景を担当するのだけど、なかなか要求に応えられない。6月の木ではなく5月の木にして欲しい。風の強い日なので雪の描写にも勢いが欲しい。漫然と描くのではなく、それがどういう場面であるか、どういう状況であるのか、マッチする背景にしなければならない。そのためには、普段からの観察が大切という。いや、でもこれは本当にそうなんだろうと思います。だって、漫画でもアニメでも映画でも、ここまで調べてるんだ! そう思わされることこのところ多くて、だからこの漫画の春香への要求、これも決して無茶な話ではないのだろうなあ。そして春香の経験が活かされる。これ、自信なくしかけていた春香が自分でもできるということを確認する。いわば王道なんですけど、そこにいたるまでの展開、縄文時代に見えるとか、ちょっと無茶があって、でもそうした強引さもまた面白かったと思います。わりと真面目なテーマかも知れないけど、コメディ寄りに描いている。その見せ方、選択はありだと思いました。
『5000億の研修生』、ゲストです。研修にやってきた高ノ原澄礼。この人の教育係を任されたのが土下育実。高ノ原グループ令嬢である澄礼を前に、特別扱いしないって意気込み見せて、そして突拍子もない行動とりがちな澄礼をしっかり導くんですね。しかしなぜ澄礼が研修先としてこの会社を選んだのか。それは好きなドラマのモデルになった会社だったから。これが育実との距離を縮めて、そしてお別れの日。サプライズで送別会を開いて、そしてそのサプライズが育実に返ってくる。あのしてやったりな澄礼がよかったです。仕事を通じて仲を深める。最初はちょっと険のあった育実が最後にはすっかり澄礼のこと大好きになってる。酔って知らず本音を告げてた、その様子がベストシーンでしたね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第11巻第5号(2017年5月号)
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