『まんがタウン』2017年4月号、一昨日の続きです。
『ちこはゲーセン一番星!』、これ、本当に面白いよ。今のところハズレがない。今回はメダルゲームの応用。お菓子を使ったプッシャー系の話題です。実は、こういうのやったことないんですよね。基本はアメ、でもアメだけじゃ訴求力が弱いから他のお菓子も使ってタワーを積む。なるほどなあ。倒れそうで倒れないのを組むんだ。ちこがですね、ゲーセンのゲームにあんまり詳しくなくて、かつおっちょこちょいなのがいいですよね。いきなり台を叩いて警報機作動させたりして、あー、こうなってるんだ、同じく詳しくない、よく知らない私みたいな読者にもその基本になるところを次から次へ引き出してくれるわけですよ。ゲーセンのゲームは、ばんばん取られても困るけど、ほどほどに取らせてあげるくらいでないといけない。そうしたこともよくわかる。ちことチーフの勝負、これも面白くって、そしてちこに賞品が! ああ、チーフ、ほんとにいい人だ。それをいいことにまたまた調子にのるちこがいいんですよね。
『新婚のいろはさん』。うおお、早倉さん、女子高生だ! セーラー服着て登場。この人の、見た目落ち着いて見える、成人しているいろはさんから見ても年上に見える。でもそのへん、気にしてるっぽいなあ。その早倉さんが、ひいきの漫画家、始の前では落ち着きもまるでなにもない、まったく赤面、まったくペース崩されるというんですよ。ほんと、これ、可愛いよ。で、そのこといろはに指摘されて逃げていく。始がいうには、騒ぐから鳥でもネコでもすぐ逃げられて。こういう、なんでもないような当たり前を面白く変えてしまうの、この作者の面目躍如たるものありました。そして後半は、いろはさん、セーラー服装備です。ああ、危険よ! ほんと、危険。でもカーテンでちまきになったり、こちらもやたら可愛くて、しかし、始くん、君、果報者やなあ。そんな人生、なかなかありませんよ?
『中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます』は、病院で働くことになりました。その様子描かれるわけですが、いやあ、これ、ハードですよ。想像と現実の落差。そして精神科病棟の情景がまた厳しい。そうか、薬品の匂いよりもウンチが匂う、そんな現場なのか……。ギュウギュウのベッド。大声出してる患者に対応しないかと思えば、別の患者には普通に対処して、けどそこには抑制帯。トイレもその場でという、これ、ほんと、ちょっと面食らうよなあ。けど、これも現実。圧倒的な専門用語の海にあたふたしながらも、なんとか対応していかなければならないという、このハードなシチュエーション。これ、さすがに不安が出てきますよね。
『ほぼほぼ商店』。金物店、だんだんお客がくるようになってきたんだ。でももともとの常連ふたりには不評。そうか、人いない方がいい系のお客だもんなあ、君ら。そんな店に訪れた昔を知る男。お客? と思ったら、ああ、太郎の父。この父との会話がですね、商店街のこれまでをうかがうことができて、洒落たフレンチの店、大衆食堂になったんだ! でも、これも生き残りの手だよなあ。ポリシー、こだわりを捨てちゃいけないっていってる太郎ですが、品揃え悪くない? そういう金物目当てのお客ね、この要望には負けといた方がいいんじゃないかなあ。しかし父と息子の傾向こそ違えどやってることが似ているというの、おかしかった。なんだかんだでうまくやれてるみたいですし、ということは太郎とこのお店も大丈夫なのかな? なんて思わせられますね。
『あいたま』、転校生ですよ。アイドルかと思いきや、スポンサーの娘だそうです。白金バニラさん。お前たちと馴れ合うつもりはない、なんていいながらも、ひよこのいたいけさに一発陥落。うん、こんなこったろうと思ったよ。あいとの殺伐としたやりとり、これも面白くって、しかし、あい、ほんと、正ヒロインと思えない、そんな魅力ある子ですよね。結局はいろいろチョロかったバニラだけど、蓮を追い込んだり、それではみちゃんを激しく怒らせたりと、この人のおかげで、他の子らの新たな魅力、優しさ、もろもろ、よく見ることできて、大変によかったです。とりわけ樹里ですよ。ああ、バニラの抱えている寂しさが垣間見えた。樹里の言葉に救われたバニラだけど、これだけだったらすごくいい話なのに、すぐに崩して引っくり返してくるところ、実にこの漫画らしいと思いましたよ。
- 『まんがタウン』第18巻第4号(2017年4月号)
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