2023年1月23日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年3月号、昨日の続きです。

『ニブンノハチジュウハチ』

かつてピアノのライバルだった? 美弦と奏が寮で同室に。海外での経験からピアノに触れなくなったしまった奏にピアノを弾くよう、あーだこーだとそそのかす美弦の手管が面白く、まさか第2回目にしてその目論見を成功させようとはまったくもっての予想外!

びっくりしましたよ。まさかの奏さんが、あ!? って!

まんまとしてやられすぎではありませんか?

自分にも他人にも厳しい奏がいいですよね。さらっと褒めたかと思うと、難をいうならを皮切りに、流れるような指摘が続々出てくる。でもそれが決して腐してるだけじゃないってわかるのはさすがでした。

ピアノに二ヶ月触れてないせいで、怖くてピアノを弾けない奏をその気にさせた美弦の策もいいですよね。タイトルにいう、88鍵をふたりで分けるってやつですよ。連弾四手で躊躇していた奏を引き込み、そしてともに演奏を楽しんでいく。この様子とてもよかった。と思ったら、またも難をいうならがはじまったよ! 奏は本当に厳しいなあ!

そしてついつい規定の時刻をオーバーしてしまい、隣室から苦情が!? ピアニスト小林奏を知る人物が現れて、ああ、このふたり、きっとなにかしらの関係者になってくるな! エレガント感じさせるお嬢さん。この人のこと気になります!

『ななどなどなど』

将来の進路についてくどくど叱られている小町ちゃんですよ。ろくに真面目に考えてないことまるわかりの進路調査票に、まずは成績がよろしくないからといわれてしまって、ほんと、小町ちゃん、友達からも進級を危ぶまれてますよ? いつになくシリアスな表情を見せる高山萌のその様子に、小町ちゃんもちょっと焦り出した模様。ええ、ほんとのほんとに真面目に考えた方がいいと思うですよ。

今回はいろいろと心配して世話を焼いてくれる萌の好感度上がる回でしたね。小町ちゃんに留年の危機を伝え、さらにそれを担任に確認。単位が足りてないと卒業できないと確認した上で、小町ちゃんの勉強も見てくれる。

聖人なのか。高山萌は菩薩なのか。どこまでも真面目にやらない小町ちゃんのこと、半ばあきれながらも見捨てない。テストの最中も、消しゴム落としたこと申告できず、しまいにはグズり出す小町ちゃんをアシスト。ほんと、今回ばかりは小町ちゃんにいいとこなし! 反面、萌のよさがこれでもかと現れたエピソードでした。

『ぬるめた』

ホラー映画の話! ええと、ちあきのいうジャンプスケアってなんだろう。集英社の漫画雑誌? いや、あれか、ホラー映画とかでよくある、突然バーンッってデカい音鳴らしたり、画面いっぱいにお化け写し出したりするみたいな手法のことか。

あれ、ちあきじゃないけど、駄目な手法よね。少し前のことですが、自分にはホラー感受性がないのではないかと思って、いろいろホラーを見てみたことがあったんです。そん時に、突然デカい音とかでびっくりさせるのは、ただ驚かせているだけで怖いとは違うよな。また、こちらはさきなのいうグロですけど、虫やら皮膚炎、ただれみたいなの見せつけてくるのも違う。これはただ気持ち悪いだけで、怖いじゃない。だってどっちも全然ホリブルじゃないもんな。

なんてこと考えてた自分にとっては、今回のちあきたちのホラー映画探訪は共感もあり、実に面白かった。あとマジギレしゆきが可愛かった。

しかし今回、こうやってホラー映画についてくだくだ話すだけにしなかったところ、あのこっくりさんの顛末ね、一味深まって、実によかった。ちあきという人を育てた人。ちあきという人が求めている人。そうしたちあきに対する理解も深まったように思います。

しかし、幼ちあきは可愛いな。そしてちあき母も可愛いな。

そして今回、横長コマのページがなかった!? なにげにはじめてでは!? もしかしたら歴史的な瞬間に立ちあっていたのかもしれません。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

クリスマスの誤解以来、桔香とイトちゃん、ずっと会ってないんだ! 強がる桔香だけど、いろいろあちこちにダメージあるみたい。どこか集中を欠いていたり、初詣でも、ついついイトちゃんの分まで絵馬を買ってきてしまったり。桔香の心はイトちゃんを求めているんですよ。

そんな桔香に、イトが残した絵馬の願いはどれほどに強いメッセージとなったのか。仲直りしたい。その言葉は桔香にどれほどに訴えたのか。

ここからのくだり、素晴しかったと思います。イトの家を訪ねた桔香に、妹がクリスマスの日、イトになにがあったかを話したんです。それを知った桔香が、イトちゃんと話そうと必死になって、そしてイトちゃんが語る、あの時なにを思っていたのか。その心情。

クリスマスの夜の誤解が描かれた時、最後には仲直りするのだろうということは当然予想できました。だから、この顛末こそは想定のものであったのですが、描かれ方が、その辿った道筋が、そして表された桔香とイトの心情が、強く、深く、心に浸透して、豊かだった。

素晴しかったです。

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