2021年1月31日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年3月号、先日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

まさしく急展開! 紡が告白のお手紙もらいました。でもそれが問題じゃないんです。これはあくまで前提となる状況説明のためのステップ。じゃあなにが急展開かというと、ほら、軽井沢で出会った唯月のかつての友人、一条雪佳が転校してきたっていうんですよ。あらー、なんでまた。もともとこちらに移ってくる予定でいらした? それとも、なにか唯月との関係あって? そのへんはまだわからない。少なくとも、雪佳は唯月と仲直りしようとは思っていないようで、でもそれがまさかね、条件次第ではふたたび友達になってもいいっていうんですよ。

でも、これ宣戦布告に似た、一種攻撃めいた作為ですよね。藤川紡を私のエス、お姉様にもらう、これを条件とする。いやもう予想外のことになっちまったなあ! これ、かつて友人と思っていた唯月から一方的に関係を断たれた、その復讐として、唯月に同じ思いを味わわせようと紡を奪う、そんな思いあってのことなのでしょうか。あるいは、もっと違う感情でもあるのでしょうか。なにかまだ胸中にわだかまりを残している雪佳。この子の今の思惑と、そして紡と関係することでなにがどう変わっていくのだろう、そうしたことが楽しみになりますね。

というか、これ、唯月の紡に対する思い、そこに働きかけるきっかけになりそうな気もしますですよ。

『RPG不動産』

こちらも、まあ、驚きました。急展開ですよ。いやもう驚きました。朝、アリスが姉と電話をしていたその内容。これから語られようとすること、そこになにか不穏を感じさせて、いやしかしなにがあろうというのか。アリス、この子は、ただ琴音に憧れていただけの女の子ではないのか。以前、ファーに働きかけ、あの大騒動を引き起こした、その勢力に連なるものだというのでしょうか。

いやもうほんと驚きましたよ。アリスがこんな行動に出るだなんて。本国で執り行われる建国記念の式典、そこに琴音やファーたちの幻影を出すことで魔王軍残党を誘き寄せ、迎え撃つ。この、サトナの策略がまるで裏目に出てしまったといえばいいのか。この孤島にて、なにも知らずにいた琴音たちを、こともあろうに仲間と思っていたアリスが罠にかける。そしてアリスの姉、おでまし。額には小さなツノが見えますね。魔王軍の残党、ファーを王ファフニールとしてあがめる、一党のひとりであるわけですね。

ただ、いろいろ気になることはあるんですよね。サトナのモノローグ、ファーは渡さないという言葉の意味。これ、以前に語られたファーもまたしあわせに生きる権利があるという、ファーの暮らしを守ろうという思いからの言葉ととっておいたらいいのか、あるいはなんらか魔王軍の残党と争奪する理由などあるのか?

わからないんですが、とりあえずは琴音たちが捕われてしまったということだけは確かで、これ、どう切り抜けるんでしょうか。また悲劇的なことが!? 今回はうまいこと脱して欲しいですね。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

すごい展開してみせました。え? ねねって周囲の人間の記憶とかもろもろに働きかけてそれを改竄するみたいな能力ありましたっけ? ないよね、そんなのあったら、真っ先にお母さんの記憶改竄して、家の中だけでも普通に暮らせるようにするよね?

というわけで、こりゃあ夢オチ確定だな! って思いながら読むんですけど、しずねが疑ってるんですよ。元々一緒に学校に通ってた。そういうねねと一緒に登校して、そして教室では自分のまわりにクラスメートが集まって、普通に話しかけてきてってね。おかしいぞって、やっぱり夢でも見てるのかなって、自分の頬をつねったりして、でも目は覚まさない。

ここでわからなくなったんですよ。あれー、ほんとにこれ夢の話じゃないのか? ええっと、普通にこれが物語中の現実として受け取ったらいいのん?

このあいまいさとともに読み進むの、ちょっとスリリングでもあって、だってね、あまりに都合のいいクラスの皆の行動、これまさかねねの働きかけによるものなのかい!? だとしたら、ねね、とんでもない能力持ちだなあ。

結論からいうと夢でした。でも、このしずねとねねがともに過ごす学園生活風景。それはほのぼのとして楽しくて、ちょっとにぎやかさもあってと、とてもいい情景に感じたのですね。一抹の夢というのはちょっと残念かも、なんて思ったのだけど、この楽しさ、面白さはたまに見る夢ゆえのちょっとしたボーナスなのかも知れませんね。そしていずれ、本当のしずねの学園生活も、こうした楽しさに溢れるものになればいいですね。

『恋する小惑星』

文化祭のエピソード、継続中ですよ。桜とモンロー、卒業した先輩たちがきましてね、展示の説明をしたり、そして忙しくなったらふたりが来客への対応、手伝ってくれたりと、このふたたび出会いさえすればまた以前そのままの関係であれるというのが素敵であったのですよ。

けれど、今回焦点があたったのは、文化祭をもって3年生は役職を降りる、すなわちイノ先輩の部長引退でありました。思えば、今年の文化祭の展示は、イノの興味である地図をテーマとしたもの。まさに、これまでの来し方、イノの、部の皆の、一緒に過ごして、見てきた、そんな歴史をも内包する展示だったっていうこと。本編でも、モンローの言葉にイノが気づかされていましたよね。ここで涙をこぼしたからか、文化祭が終了し、地学部展示も閉じることとなって、そこでの部長からの挨拶。涙よりも笑顔の印象的と感じる、そんなものになっていましたね。イノの素直な気持ちのまっすぐにあらわれた、イノらしいと感じさせる、まさしくイノ・セントな、そんな挨拶になっていたと思ったのでした。

しかし、着実に時が過ぎていきますね。もう次はみらとあおの代が中心となっていくわけで、ああ、3年なんてあっという間だなあ! いやもう、ここからまたイノの受験があって、次の新入生を迎えてと、年中行事の繰り返しだけど、同じことの繰り返しとはならない、またなんらかのドラマがあるのでしょうね。

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