『まんがタウン』2021年2月号、発売されました。表紙は『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』、2021年劇場版を大々告知するイラストでありますよ。胸に天をあしらった制服を着込んだしんのすけと風間くん。季節としては先取りだけど、入学の情景描いて、春らしい、そんな雰囲気も悪くないですよ。これ、よく考えたらしんのすけって幼稚園児だった。ということは、映画版ではちょっとお兄さんになるのかな? かも知れませんね。
今月は新作ゲストが2本です。
『俺をめぐるシュラバトル』
思いがけないもの何度も見せられて、この裏切りの裏切りの裏切りというような展開は見事だったと思います。
のっけから、好きな女子ふたりから思いを寄せられていること発覚の場面を見せられるんですけど、なるほど修羅場ならぬシュラバトル。女子ふたりが思いっきりの肉弾戦。主役の古林少年の前では絶対見せないだろう表情、言動が物騒で、ほんとなんなんだこれは。というか、本当にこのふたりは古林少年を取りあっているのかーっ!? いや、取りあってるっぽいな。
幼馴染みとしての歴史を武器にして戦う女がいれば、愛され女子としての経験を武器にする女がいる。って、待って? 待って? パパが42人もいるの? それ、血縁のパパじゃないよね? いや、こんなの知らされたら、古林少年、幼馴染み一択じゃない? と思ったら、その幼馴染みから飛び出す好きではない発言!
なんなのこれーっ!? 好きな男子を取りあってたんじゃなかったのーっ!? みたいな混乱から、最後の自滅が判明してノーゲームになるという落ちまで、ほんとアップダウンじゃないな、なんていうんだ、右往左往? えらいもん見せられた。面白かったです。
『団子屋の忍』
団子屋の入り婿の抱えている秘密。それは忍者だというのですが、これ、家族も知らないのかなと思ったら、そうじゃないのか。そりゃそうだよな。知った上での入り婿なんですな。
この家族たちが忍びの装束身につけてみたり、また串団子を手裏剣よろしく打ってきたりするものだから、忍者一族同士の婚姻? と思ったら、そうでもないのか。むしろ夫への愛がこうじて自身も忍者よろしく忍んで夫の跡をつけている。で、娘を大事に思うあまりに舅もついてくるってのか。仕事にならんじゃないか! みたいな、そんなコメディであります。
婿と舅の仲が悪かったり、妻はそうした関係気にせずあっけらかんと明るかったり。そんな中、ひとりマイペースを保っているのが妻の妹? 5歳児にして実力者の風格ありますよね。この家の要、それが妹、蓬のように思えましたよ。
『部長と2LDK』
漫画のスタイルが自由な感じで、見せ方の工夫、効果的でたいへんいいと思います。コマ割り漫画になったり四コマになったりと、自在に行き来することで、読ませたいテンポ感を違えてくる。基本は四コマで、四コマならではの軽妙なおかしみ、それを十全に楽しませてくれた上で、ことキャラの心情をクローズアップしようという時などにコマ割り漫画にシフトしてくる。ぐぐっと見せ場として盛り上げていくの、うまいなって思ったんですね。
今回だったら、変わったと噂の部長。なにがどう変わったか、その根幹に西菜々の存在があること部長が自覚するところといったらいいのかなあ、見せ場のコマがどーんとくるじゃありませんか。冒頭の赤面部長! そしてクライマックス、ラストの2ページ! うおお、部長、ラブラブだ。どれだけ菜々の存在が大きいんですか! みたいなね、気持ちにさせられちゃうじゃないですか。ナイスカップリング反応です!
いやもう、大変素晴しいもの見せられたように思ったのですよ。
- 『まんがタウン』第22巻第2号(2021年2月号)
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