『まんがホーム』2021年2月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかが牛のぬいぐるみ抱いてリラックスしている様子ですよ。パジャマ姿で、かたわらに置かれたホットミルクの牛柄マグカップも可愛いです。『孔明のヨメ。』は孔明、月英夫妻が牛と一緒に注連縄におさまって、『ちっちゃい彼女先輩と同棲します。』、紗和と初も牛と牛乳のかっこうしましてね、え? 牛乳? そして『2年B組おネェ先生』は宗次郎、浩介が酪農家スタイルで登場です。
『孔明のヨメ。』
曹操の追撃を受けて絶体絶命の状況。これをなんとか乗り切るまでの描写、見事でありました。
なんとかして江夏へと逃がれたいが、それには曹操の待ち受ける江陵を抜けなければならない。正面突破は到底かなうべくもなく、となれば迂回。一番はやく一番楽な船での移動は、ほぼ間違いなく曹操の待ち伏せにあうだろう。
ここで孔明の考えたことを、遠く離れながらも同様に考えて、劉備一行の江夏行きをサポートすべく策を打つ月英の、孔明を信じ大胆に動いてみせたところにぐっと気持ちを持っていかれたのでした。
孔明を信じながらも不安に震える月英のその姿もまた心を打ちました。それだけに、月英と孔明の気持ちの通じていたことのはっきりとするラストシーン、これが効いてくる。ええ、月英、頑張りましたね。ほんと、このふたりのともに思いあう様子、素晴しかったです。
『天国のススメ!』
えらいこと頼まれてるな、太一くん。ちょっとスカートをはいて女学院に忍びこめですか!? いやあ、こいつは楽しみになってきましたよ、と思ったら、なんとはかない。はかないですって!?
かつて女学院で姉妹と互いに慕いあっていたふたりが、10年ごとにあおうという約束を果たすこともかなわないままに、永遠の離別をしてしまっていたというのですね。妹、千鶴の若くしてはかなくこの世を去ってしまったということも悲しければ、それがゆえに思いを残して、こうして太一にすがるほかなくなってしまっているということもまた悲しい。だからなんでしょうね、約束の日、約束の場所でであった千鶴のお姉様、その人と出会えた時に、自分の持つ不思議な力を隠さずあらわにしてふたりの気持ちを結びつけた太一の優しさがしみました。
太一は、押しに弱かったりお人好しだったりと、それで大変な目にあってばかりの印象がありますけど、それ以上に優しいから、どうしても助けを求められると手をさしのべないではおられないのでしょうね。そうした太一の優しさのいつも以上に光った、そんなエピソードだったと思います。互いに思いあいながらも、互いにウソをついてしまっていたことを悔やんでいたふたりの、心残りのこうして晴れたこと。それは本当に素敵なことだったと思います。
『恋はリベンジのあとで』
スーパーにて石田と遭遇した梅原。そうか、いつも重装備だから素顔だと誰だかわかってもらえないのか。石田の買ってるもの見て、彼がこのあたりに住んでいること察してしまうこととなった梅原。逆に梅原は石田に同棲相手のいること知られてしまうのか。
これを互いの秘密にするというのですが、この情報、泉にとっては朗報なのか。そうか、例の彼女と別れて生活していることが明らかになったということだからか。
しかし、この石田のこと、泉に知らせてもこれと活用してくれそうな気がしない……。変な信頼があるからなあ、泉には。
いろいろ荒れている泉に、花を育てることにかこつけてアドバイスし励まそうとする梅原が、デリケートでやさしげでよかったですよ。でも泉には通じたのか? 通じてはいるみたいですね。まずは気持ちを落ち着けて、心の機微に通じることができれば花も咲く日がくるのではないか。そんなこと思うんですが、泉には変な信頼があるんですよね……。
- 『まんがホーム』第35巻第2号(2021年2月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿