2021年1月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年3月号、一昨日の続きです。

『スローループ』

扉絵は食堂に向かう5人組。先頭歩く恋のこのサイズ感がたまらんですね!

さて、今回は船釣りでありますよ。いきなり悲壮感溢れる小春の問いかけから始まるんですが、ひよりが黙ってるのは酔うのを怖れているからか。対し恋はというと、ちょっと呆れているっぽい。でも、あの防寒ばっちり恋、フードから目の周辺だけ出てて、マスコットっぽい可愛さがありました。

ターゲットはヒラメ。イワシを使った泳がせ釣りだそうですよ。これね、私、最近、VRで釣りゲームやってるんですけど、ターゲットにあわせて仕掛けから変えて、また魚種ごとに違う食いつき方に対応してあわせていくとかね、こういうのができないんじゃちょっとつまんないんじゃないかなあって思わされちゃうくらい面白く読みましたよ。

ヒラメは獲物の後ろから食いついて徐々に飲み込んでいくから、最初のアタリにあわせると逃げられてしまう。だから重いアタリがくるまでじっくり待てっていうのがね、面白そうだなあ! しっかりあわせていくひよりの確かな感覚と、ちょっとあやふやながらもえーいと元気よくいっちゃう小春と、この個性の違いよ! いやほんと、魚種ごとに性格や特性が違うように、釣り人もそれぞれ違った個性を持ってるよっていうのがよく見えて、いやもう楽しそう。でも釣れて嬉しいのはひよりも小春も一緒だ! ええ、ふたりそれぞれいい笑顔見せるんですね。

そして学校の友達、釣りをしないふたり、咲良と美月、このふたりとの交流もいい感じ。ええ、このへんの広がりも今後期待できるのかな? いや、期待しちゃいますよ。

『球詠』

不祥事からの部活動停止をきっかけとして、新越谷野球部を離れていったチームメンバーとの再会。最初は互いにどう顔をあわせたものか緊張も見られたけれど、すっかり打ち解けて普通に話もできるようになってという、そんな状況が不思議と嬉しくて、切なくて、ええ、いいエピソードだと思ったんです。

キャプテン岡田と姫宮所属の金子との交流。進塁した塁上でかつてのチームメンバーの消息を語りあったり、そして互いのチームについても話したりする、その様子はもうすっかり肩の力も抜けて、実感されるのはふたりの仲のよさ。くったくのない表情、素直な気持ちのやりとりにこの試合を特別なものと感じるふたりの思いが伝わって、ああ、少しでもよい試合にしたいという気持ちがある。少しでも長くマウンドに立っていたい、そんな金子の切実さに似た思いも胸に迫って、ほんと、岡田との再会、かつて所属していたチームへの愛情など、多くの気持ちが重なりあい溢れてくる。もう、こういう情感、たまらないものありました。

そうした旧友の再会とでもいえばいいのでしょうか、これをメインとしながらも、ともに語られる希と光の気持ちの擦れ合い。ああ、なにかある、なにかありそう。若干の不和、軋轢を予感させたところで、次回にその解消編? 展開を持ってくるんですね。ああ、これは気持ちが持っていかれますね。ふたりの関係の行方もそうなら、調子を崩している希のこともまた! ええ、気になりますね。

『ちょっといっぱい!』

今回、もみじ、凪、真澄の三人で遊びにいきますよ。遊んでストレス発散したいと駄々をこねる真澄にふたりがつきあうってかたちなんですが、いった先がカラオケ店。もう真澄オンステージ、水を得た魚って具合にはっちゃけているんですが、対照的なのがもみじと凪。もみじはこういうとこにきたのはじめてなのか。リモコンの操作からまずわからなくて、凪に教えてもらいつつ、とりあえず歌えそうなのをいれてもらって、というんですが選ばれたのが『チューリップのうた』! なかなかのチョイス! いやもう微笑ましさにあふれかえっちゃうわけですが、棒立ち赤面、恥ずかしくって歌えないもみじがまた素晴しい! おお、微笑ましい。

で、ここで凪が一緒に歌ってくれるのな! 素晴しいよな? ええ、素晴しいですよ。

凪、頑張ってますよね。もみじが真澄のストレス発散につきあうって立候補した時に、すかさず自分もって追随したでしょう? さらにカラオケ店でも、リモコンにとまどうもみじに、自分から手伝いを買って出たでしょう? 一緒に歌うっていうのもそう。ああ、今、凪、勇気出して前進しているよ。

これは、凪がもみじのことを好きということもあるんでしょうけど、もみじならきっと自分を受け入れてくれる、そんな信頼もあるからなんだと思ったんですね。ひっこみ思案なこの子にとって、友達とくるカラオケははじめてだった。自分には無理だと思っていたことを、自分から前に出て、実現させた。その直接のきっかけはもみじが与えたのかも知れないけれど、こはる屋での経験を通じ、変わってきた、成長した、そんな凪自身の歩みの果てに到達した、そんな場所がここだったんですよ。

ほんと、なんてまぶしいふたりなのでしょう。ええいああ、心持っていかれてしまいましたよ。ええ、正直凪にもらい泣きでしたよ。

0 件のコメント: