『まんがタイムきらら』2021年2月号、昨日の続きです。
『むすんで、つないで。』
すごい強いシーンぶちこんできましたね……。素晴しい、とても素晴しい。
子供たちとともに語らうつなぐに戸惑いながらも輪に入っていく鳥居ですよ。苺からパンの人呼ばわりされて、内心抵抗しながら自らパンの人を名乗ってしまう悲しい人。この人がですよ、花ノ子の発案でつなぐとあだ名で呼びあうことに! 子供たちの考えるあだ名は酷いのになりそうで、苦しまぎれに、呼び捨てはどうかな! ふたたび花ノ子の発案に、つなぐ、つなぐがですよ!
「七色」
すごい……。すごい……。
つなぐを呼び捨てにしている花ノ子とつなぐの関係に考えをめぐらしている鳥居に不意打ちだーっ!
いや、ほんと、すごかった。なんていろっぽいの。なんて素敵なの。ああ、つなぐのこのポテンシャルよ。普段、子供たちの間では鳴りを潜めるこの素敵パワー。たまらない、たまらないですね。
これ、額装とかできないものでしょうか。読者プレゼントにこのコマを額装しましょう。
『ぎんしお少々』
離れて暮らしている姉妹ふたくみ。連休には一緒に遊びますよ、そういってるすずに対し憂鬱なまほろさん。なにごと? と思ったら、あー、もゆるはバイトみっちりで時間がとれないんだ。でもこのバイト、きっとフィルム代と現像代をまかなうためだよ? 姉の与えた新しい世界、それがもゆるをオトナにしたんですよ。胸張っていこう、お姉ちゃん! それに、なんなら、もゆるのバイト先に押し掛けたらいいんですよ!
その寂しさを埋めようというのか、すずとしこたま遊んだその情景、よかったですよ。山にいきました。紅葉がすごいです。え!? おみくじの自販機って珍しいの!? 活動的なすずに置いていかれまいと頑張るお姉さん、ふたりの見せる親密さ、これはとてもいいものですよ。そして夜? いや、朝か。あんなことになっちゃって、それ、すずにとってはひとりじめしたい、そんな経験だったんですな。
ずっと一緒だった姉妹? けど離れて暮らすうちに、それぞれ自分の世界なんてものを見出しちゃってるんですよ、みたいなこと思わせた今回です。しろもちょっとそんな感じになってますよね。
『星屑テレパス』
おおー、瞬がなんか危ういなあ。モデルロケットの課題、卵を割らずに着陸させるというのがうまくいかなくって、それでイライラを隠せない瞬ですよ。思ったようにコトが運ばない。なにが悪いのか、どうしたらいいのか。悩むのはいい、考え込むのもいい、けど、ちょっと背負い込みすぎなのでは?
と思わせてくれた今回。瞬が無駄にたくさん割った卵でシフォンケーキを作ることになるんですが、そこで見せた瞬の思い詰めた一言。宇宙にロケットを飛ばす夢、その実現には自分が頑張らなければいけない。その意識が勝ちすぎて、他の皆に頼ることができない。他の誰かの発案を受け入れるどころか、耳に入れることさえも拒否させる。仲間とともに活動すること、それを瞬ひとりができていない、孤軍奮闘になってしまってるんですね。
勝つことにしか価値を見出せない瞬。優勝劣敗ですなあ。これ、つきつめると駄目なんだよ。その駄目なルートを邁進しちゃってるように見える瞬は、自分とは異なる考え、遥乃の価値観を尊重できず、キツい言い方しちゃってね、これを遥乃はどう思ったのだろう。
今回はまだ火種くすぶるも大事にはならず、うやむやのうちに収まって、でもこれはいずれ着火するのではないか。そんな予感させられて、ええ、不安と同時に、火の着いた遥乃の動向、そこにも興味が向くのです。いや、そういう話にはならないかもですけどね!
- 『まんがタイムきらら』第19巻第2号(2021年2月号)
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