『まんがタイムきららMAX』2021年3月号、昨日の続きです。
『こみっくがーるず』
美姫とくりすのコンビ結成。それまでいろいろとごたごたして、ハラハラさせられて、みたいな展開が続いたわけですが、ようやく落ち着きました! ということで、寮母さんの仕事を追いつつ、寮に住まう子たちのいろいろも振り返ろう、そんな趣向が面白かった今回。ちょっと寮母さんの妄想が暴走したりもしがちなんですが、そうした趣味的ないろいろとは別にですね、寮生たちを親身に見守る優しげな気持ちもよく伝わってくるのが素晴しかったなって思ったのですね。
美姫とくりすの変転に触れ、その関係の変化を尊いと評するかおすに子夢を見て物思いする寮母さん。あなたたちもそうだったのよ。そういわんばかりの様子に、寮の子たちのこと、その過ごしてきた時間も成長もともに見守っているんだなって、ただ胸のうちに思うその様子にも温かみ感じて、素晴しいなって思ったのでした。
そして、フーラ先輩! なんだよ、めちゃくちゃ可愛いじゃん! 寮母の手伝いしているフーラさん。でも、まだ誰かを見守る、そんな境涯には立ちえていないみたいですね。けど、おそらくはこの人もこれから寮母の仕事を通じ変わっていったりもするんでしょう。楽しみでもありますね。
『妖こそ怪異戸籍課へ』
素晴しく面白いな。戸籍を取得し人間の世界に暮らすようになった彼ら、特殊戸籍者と呼ばれてるんですね。今日の睦子の仕事は彼らの見守り。個別訪問をするっていうんですが、そこで見える妖怪の皆の暮らしの大変さ? 暑さに弱い雪女とか、あと保険に入れないとかもあるんですか。そうか、よく考えたらシュタイン博士は元人間だな。そりゃあ病気や事故も心配だろう。いや、妖怪の皆でも一緒か。
保険に入れないと苦情申し立てるシュタイン博士に、まだ制度が追い付いていないという睦子の言葉、その「まだ」というところに今後の可能性思わせるところあって、すなわちこの特殊戸籍というものがはじまったばかりの制度であり、それはついにようやく人が妖怪の皆に門戸を開いたということである、そうなるまでにはどんないきさつがあったのだろう、そして変わりゆく社会のその様子、どのように描かれていくのだろう。おそらくこれから描かれるだろうこと、描かれないかも知れないこと、それら様々な方向、過去にも未来にも気持ちが向かっていくような広がり、ふくらみが感じられるのが素晴しいんですね。
想像が、気持ちが広がるということにかけては、冒頭、扉絵に描かれた働く皆の姿、これがまたよかったですよね。おお、シュタイン博士、いい感じに整備なさってるじゃん! みたいなね、戸籍を得たことで彼らの世界もまた広がったんだなって、できること、その可能性も開かれたんだなって、その一枚絵からも透けてくる。こういうのがたまらないって思うんですね。
『私を球場に連れてって!』
なんだこれ、面白いな。第1回おやつドラフト会議なんてのやるっていうんです。ドラフト会議、見るだけじゃあつまらないってんで自分たちでもやってみよう。それでおやつを選ぶんですけど、買いに買ったり、野原さん! 埼玉の名店から色とりどりだそうですが、なるほど、この買い出しからドラフトごっこははじまってるのか。スカウトだそうですよ! なんだこれ、面白そうだなあ、ちょっとやってみたくなる。
ドラフトの制度、うろ覚えでしか知らないんですが、とりあえずせーのでドンと希望を出して、被ったらくじ引き、被らなかったら交渉権獲得、ってやつですよね。で、一巡目でケーキ被りする年長組3人に対し、ひとりジェラートで出し抜いた猫子! と思ったら、ジェラートいないんじゃん! 得意気に語る猫子が生意気可愛らしい! で、申し訳なさそうにジェラートはいませんというタマがいい味出してきて、なんだろう面白いなあ。こういうアクシデントも楽しそうです。
しかし、この子たちのドラフト会議はなかなかにルール無用ですね。外れてるのに当たりを装うレオナがいるかと思えば、誰も指名しないだろうと決めつけてこっそり食べてしまってるタマとかね、ほんと、自由すぎるというか、抑えがきかないな、ほんと! めちゃくちゃ面白かったです。
でもって、落ちがもう完全にタマの独擅場で、大量の指名漏れをひとり責任持ってがっつりたいらげる! すごいな、どんだけ食えるねん、君。その数、32巡。しかもこれから育成ドラフトにかこつけておかわりいくってね! ほんと、タマ、大型新人っぷり発揮しています。いずれ、また体形も大型になりそうでおそろしいですね。
- 『まんがタイムきららMAX』第18巻第3号(2021年3月号)
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