2024年9月26日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年11月号、昨日の続きです。

『花唄メモワール』

そうか、ひな祭りの菱餅って、自分でついてこさえるものなのか。餅屋が作って届けてくれるもんだと思っていた。というか、菱餅、食べたことないんですよね。

今回はひな祭りを目前に準備する皆の様子を描いて、ほのぼのとしあわせそうな情景にほっとさせられるような気持ちを抱いていたわけですが、その続きに藤野の身請け話がこようとは思いもしていませんでした。

願わくばずっと花瀧屋にいてほしい。しかし藤野には藤野の人生が、しあわせがある。身請けはしあわせにいたる最たる道であろうと、まわりが藤野を送り出そうとするなか、梅には実際のところがよくわからない。けれども、自分が藤野の人生を変えた、運命を違えるきっかけを作ったという自覚があり、さらにはこのまま藤野が花山を去れば彼女が身を投げることもなくなる。

よぎる思いが藤野の問への答に詰まらせ、ああこのまま藤野は身請け話を受け入れることになるのか。

一度はこうして答に窮した梅の、この時代を、藤野を知るための試み。竹子への相談が、梅の気持ちをどう固めるのか。ここが梅と藤野の一世一代か。少なくともひとつの越えるべき大きな山かも知れませんね。

『ウクレア!』

話が広がっている! そんな実感がありますね。というのも、今回は部活を離れて体育祭のお話。ウクレレ部の皆は残念ながら別々の組になってしまったのだけれど、それでも仲のよさは変わらない。困ってる誰かがいれば助けになろうと手を貸してくれる。

今回でいうと、徒競走に自信のない空子のために、舞帆が練習につきあってくれた。テンポを覚えるのがうまい空子のためにと、メトロノームを使って走るテンポを整えてくれる。はいいんだけど、250ははやくない!? そんなにはやく足を動かせる自信ないよ!? とか思っていたら、案の定? 空子が見事にこけちゃって、でもいつも真面目な空子のこと、ゆっくりのテンポからだんだんはやめていきますと、前向きに取り組むところがすばらしい。

この空子と舞帆の一緒にがんばった時間。それが報われた100メートル走の結果に、空子さん、ほんとによかったなあと思わず気持ちもゆるみます。

と思ったら、突然の放送機器トラブルに、BPM160のBGMが必要だった舞帆がピンチに! そこで空子が手にしたのはウクレレ! ああ、困っている仲間がいれば助けになろうとする、その思いが空子を動かしているのですね!

ここで空子がなにをするのか。空子のがんばり、空子のチャレンジ、それは次回のことだけど、ほんとこの子たち、いい関係を作ってる! と見ていて嬉しくなる展開。次回の空子の応援、舞帆の勇姿、今からもう楽しみでなりません。

『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』

ルナを知る異世界からの来訪者、岬。当然のように一緒に帰るものと思っていた岬に、この世界に残りたいと伝えるルナ。ふたりの気持ちはよりそいあうことなく、離れ離れのまま。元の世界には自分を待ってくれている人なんていないというルナに対し、ルナを思う岬は傷ついて、このままふたりはわかりあう機会をもてないままになってしまうのか!?

というところで、スラーが助けになってくれるのです。異世界サウナでのルナの一年を岬にわかってもらおうと、積極的に話しかけにいく。なぜルナが岬のことを気にかけていなかったのか、いろいろ疑問を抱きつつ、岬に異世界サウナを知ってもらうべく案内していくその流れは、まさしくここ異世界でのルナの足跡であり、ルナの成し遂げたことそのものでした。

いずれは別れがくるとわかっていたはずのスラーが、いざルナとの別れを思うととめどなく涙を流す。ルナのしあわせを一番に思うこの子にとってのルナの重みというものが溢れるようで、まさしく泣ける場面でありました。

それだけに、ルナにとって、スラーたち異世界サウナの皆にとって、そして岬にとっても、一番しあわせと思える、そんなラストが訪ずれてほしい。そう思わないではおられないのです。

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