2024年9月2日月曜日

『まんがホーム』2024年10月号

 『まんがホーム』2024年10月号、発売されました。表紙は『孔明のヨメ。』。孔明、月英のふたりが日本式? で中秋の名月をお祝いですよ。お盆に月見だんごとうさぎのお菓子。孔明はススキを手にして、月では劉備に関羽、張飛がウサギに扮して餅つきです。この他に、たくさんのだんごをこさえる『サレ妻お江戸リコカツ録』、ウサギのマスクの『ガチ恋カウント2.9』のカットもございます。

今月は新規ゲストが1本です。

『彼女たちのツモる話』

一見すると猫カフェの雀荘にて、居合わせれば卓を囲む女子4人のお話ですよ。ショップ店員、事務職、漫画家、ファッション誌編集長と、年齢職業もバラバラな彼女らが、麻雀を縁にこうして知りあうこととなった。いや、麻雀がきっかけじゃないな。だって編集長尾身彩子は、ここが雀荘と思わず猫目当てに入店したのがきっかけだった。

働く環境も違えば価値観も違う、そんな彼女たちだからこそ話題は自在にひろがって、他の誰にも話さないようなことを打ち明けられる。この雀荘らしくない雀荘は、そんな不思議な場所となっているのですね。

友達が欲しい、友達という距離感がよくわからない漫画家市原しずも、この関係に戸惑いながらも、友達? 知りあい? どちらともいえない関係性? に心を動かされていく?

ええ、なんだか不思議。だからこその関係ってのがあると描いてみせる、そんな漫画なんですね。

『孔明のヨメ。』

長沙を平定すべく黄忠との一騎討ちを連日繰り広げる関羽です。互いにリスペクトしあう両将軍。しかし黄忠は、関羽を射殺せよと命令を下した太守韓玄の命令に背いたために捕えられ、処刑を待つ身に。と、ここからあれよあれよと話が進んで、民衆が太守韓玄に叛逆、そのまま打ち取られてしまうというのでした。

この展開が関羽、黄忠に向けられた民からの信頼の厚さ、人気の高さを感じさせ、それゆえにふたりの徳の高さをも物語る。戦いも最小限の犠牲ですみ、長く時間をかけることもなかった。めでたしめでたし、万事よしかといえばさにあらず、主君に謀反をくわだて、民衆を先導したものをどう評価したものか、これをよしとすれば将来に禍根を残すかもしれない。

それで孔明がひと芝居打つこととなるのですね。

問題の男というのが魏延。魏延か! そうか、これを悶着の種がまかれたと思っていいのか、いやそれもずいぶん先の話だからなあ云々。いろいろ思わせてくれる男の登場ですね。

『へなちょこお嬢さん世話焼きオネェさん』

うずちゃん、まだ高校生だったんだ! てっきり順当で社会人、若くて大学生くらいかと思っていたから驚きました。しかしうずちゃんかわいいです。

務めている文具メーカー、その直営店の応援に店頭に出ていたら、偶然来店のうずちゃんに遭遇したスミレ。藍生高校の制服、ボレロがかわいいそのシルエット、最高ですよね! と私の感想はいいとして、そんなうずちゃんの初々しい姿に、スミレ、なぜうずのことが気にかかるのか、その理由を導き出すんですね。

て、本当に!? 本当にうずちゃんが子供だったから気にかけていたのかい!?

今のスミレにはそれが最大限に攻めた解なのかもしれませんね。けれど今回うずちゃんを危機から救って、その時のこと、言葉少なに急ぎ退散したうずちゃんの心中やいかに!

ほんと、スミレの思い。うずちゃんの気持ち。いろいろがまだわからないままに提示されたまま。これがどう深く掘り下げられることとなるのか。そこでなにが明らかとなっていくのか。気になってしまうのです。

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