『まんがタイムきららフォワード』2024年11月号、発売されました。表紙は『球詠』。蘭々、美咲、京子の3人がじゃれあうようにして登場。その距離感の近さ、まさしく仲のよさってやつで、見ているだけでなにかほのぼのと嬉しくなってくる。そんな空気を作りだしてくれています。3人のまわりにはシャボン玉。練習の合間のちょっとした息抜きタイムなのでしょうか。はつらつとして眩しい笑顔が素敵なイラストでありますよ。
今月は新規ゲストが5本です。
『オシノタメ』
これまた物騒な世界ですよ。超能力者が実在する世界。しかしかつて幾度も超能力がテロに利用されてしまったことで、超能力者は危険視される存在に。その使用は犯罪とされ、自然超能力者は自分の能力を隠すようになってしまった。
そんな世界で生きづらさを感じる主人公、ジュン。推し活に逃げていた彼女だけど、この世界の新たな脅威? 魔物と正義さんなる存在に巻きこまれるかたちで関わることになってしまう。いや魔物ではない。正義さん同士の戦い!? ジュンは自身を襲う流れ弾を回避するため、隠していた力、サイコキネシスを発動させてしまう。
かくして晴れて犯罪者に!? しかし追われていた方の正義さん、黒マントの魔法少女アブノーマルに助けられ、そのまま恋に落ちてしまう? 調べてみれば、アブノーマルは指名手配犯。かくしてふたりともに手に手をとりあって、逃避行の人生を歩むことになるのでしょうか。
いや、アブノーマルはともかくジュンはどうなるかわからない。とはいうものの、アブノーマルとの関わり、今後もなにかしら発生しそうですね。
『魔王直属のダンジョンメーカー』
迷宮を作る、ダンジョンメーカーなる職業が存在する世界。魔王の発注を受けダンジョンを作ることになるのだけど、ただ作ればいいってものではない? 人間側のダンジョンメーカーと協力しあって、冒険者の攻略を阻みたい魔王軍側、冒険者の育成を図りたい人間側、双方の要望にそった迷宮を作らないといけないというのですね。
なるほど、ダンジョン数あれど、即死級罠が大量に仕掛けられた致死ダンジョンが存在しないのは、こういう事情があったからなのですね。
虫が怖い、暗闇が怖い、それぞれに弱点持ったダンジョンメーカーふたりが協力しあいながら作るダンジョン。製作の様子はもう完全にコメディなんですが、ちゃんと攻略できるよう調整したり、突然の仕様変更に応えたりと、苦労もいっぱい。そうした苦労をへて完成にこぎつけたふたり。一仕事終わった感動をもって幕引きかと思わせて、まさかの作り直し! ええ、読んでいて楽しいコメディにしあがっていました。
『最強ツブヤキ学園』
ツブヤキ学園に入学した鷹森カナエ。AIネットナビ、イエローとともに学園生活をスタートさせることになったのですが、この学校がちょっと変わってる。
拡散力を持ったインフルエンサーが正義とでもいうべき学園。AIナビの助けを借りて、SNSでのバズを目指すというんですね。
ネットの噂を検証すべく、一癖二癖あるイエローとともに夜の学校に忍びこむことにしたカナエ。そこで出会ったのは、さらに癖の強いAIナビ、サフラン。夜な夜な人のシャーペンを舐めてまわるという、まさしく怪異そのものという存在だったのですが、イエローに加えサフランも仲間にしたカナエ。これからは、この癖の強い3人での噂検証の活動がはじまろうというのですね。
『聖なる夜のお手伝い』
トラブルに巻きこまれがちな上里みすず。クリスマスイブの今日も、これでもかとトラブルに遭遇し、いよいよ帰宅というときにも、また特大級のトラブルに遭遇してしまうというのです。
それは泣いている女の子。サンタクロースの格好をしたその子は、事故で皆に配るはずのプレゼントを台無しにしてしまったという。自分の失敗を悔やみ、子供たちへの申し訳なさでいっぱいになっているサンタを見ていられなかったみすず。駄目になったプレゼント、その変わりを調達する役目を買って出て、そしてサンタとともに夜の街を走り出す。
これを見れば、ただみすずがトラブル体質というわけじゃないってわかる気がします。避けられるトラブル、普通の人なら見て見ぬふりするような面倒ごとにも、決して目をそむけることなく、自ら面倒を買って出る。そうした親切心、困っている誰かを放ってはおけない、共感力の持ち主なのでしょう。それで他の人がしない苦労もしてしまう。ああこれは善人がサンタと出会う物語だったのですね。
サンタと一緒に、夜が明けるまでがんばったみすず。彼女が最後に報われるところ、本当によかったと思います。サンタもまた人を見ている、そうしたところもよかったと思いました。
『かみさまといっしょ』
霊が見えてしまう桜木碧。そこいらにいる、とりついてくる霊にかまわないではおられないせいで、普通の生活が送れなくて困っている。どうせなら神様がきてほしいものだ。そう愚痴ってみたら、なんとほんとに神様がやってきた。
帰宅したら、碧と同じく霊の見える妹、藍が猫神のタマクラ様を紹介するのです。人の女の子の姿をしたタマクラ様、いやさタマちゃん。碧のこといろいろ挑発しながらも、藍との仲を育んでいる? そんなタマはさすが神様だけあって、悪霊が出ても見事に捕食、除霊してくれるというのです。
かくして、タマのおかげで普通の生活に一歩近づけた桜木兄妹? けれど普段はゴロゴロとしてるタマ。いや、ベースは猫なのだから、霊の気配がないときはこれできっといいのですよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第18巻第11号(2024年11月号)
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