2024年5月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2024年6月号

 『まんがタイムきらら』2024年6月号、発売されました。表紙は『しあわせ鳥見んぐ』。白い服を着た翼が、白い羽根の舞い落ちる真っ白な光の中、いつもよりも神妙に、穏やかな笑顔を見せています。この表紙、本編扉と連動しているのかも知れませんね。本編扉では似た構図で、同じく光の中、その手にツバメの雛をのせたひなが穏やかな笑みを見せていて、ふたり似て同じようで、けれどそれぞれにまた異なる思いを抱いているようにも見える、そんな素敵なイラストです。

今月は新規ゲストが2本です。

『まじょ魔女S-WITCH』

町魔女というのがいるのですか!

このところ、不思議なできごろに翻弄される春野歌まな。モノが勝手に浮かんだり、動物がしゃべったり。祖母に相談するもストレスではないかといわれちゃって、その原因はわからぬまま。そんなまなが見つけたのは、あやしいお悩み相談の看板。こんなもの、これまで見たことがない! あまりに唐突な出現に、この不思議は誰かが仕組んだものなのか!? それとも、まなを誘うべく誰かが監視しているのか!? なんてこと思ったりしたのですが、あとでそのからくり明かされてみれば、なるほど! それは合理的! 感心させられる仕掛けがあったというんですね。

この看板は、魔力を持ったものにしか見えないようになっている! かくして魔力に目覚めたまなは、看板も見えるようになり、それに他のいろいろな不思議も、知らず発揮していた魔力のためと判明する。なるほどなあ! そして魔力で見える看板は魔女の資質を持ったものをリクルートするためのもので、いざなわれた先では杖で空を飛ぶ魔女が待っていた。

魔法で人助けをする町魔女活動について知らされて、町魔女になるかどうかは別としても、魔力のコントロールをできるようにサポートしてくれるという。こうして知りあった謎の少女、月町小夜との今後の交流に期待させられる導入でありました。

『こもれびシュトラーセ』

これ、面白いですね。主人公の機転がすごくよかったです。

夢に思い出された母との思い出のお菓子、シュネーバル。それを市場で売るべく街に向かう修道女ふたりと出会ったニコルは、壊してしまった荷車に代わり船で街に向かいます。しかし街では市場が中止されていて、せっかく作ったシュネーバルはすべて無駄に!?

というところで、ニコルが思いつくんですよ。船の上で売ったらいい! 船の上は街じゃない。確かにそうなんだけど、屁理屈!? いや、抜け道、裏技ってやつか! この機転のおかげでシュネーバルをすべて売り切ることができて、修道女たちも助かり、そしてニコルもシュネーバルにありつけて、思い出すはありし日の母との一夜。大きなものがたりではないけれど、ほのぼのと気持ちの温かくなる、そんな小エピソードに強く魅かれるものあったのでした。

これから描かれることになるニコルのものがたりは、こうして村や街、修道院の人たちとの交流をメインとしていくのか、あるいは、タイトルにあるシュトラーセ、街道が意味するように、街や村に限らず、時には旅する人などにも出会い関わっていくこともあるのか。もっと広い世界に目を向け、開かれていく、そんな物語が待っているのかもなんて思わされたのでした。

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