『まんがタイムきらら』2024年6月号、昨日の続きです。
『スロウスタート』
ひろえさんの問題、解決しましたね。
なんとかしてひろえの助けになりたかった花名。かつて秘密を抱えていたとき、ひろえが助けになってくれた。だからこそ、ひろえが元気になってほしいと願った。だからこそ寄り添おうという気持ちになった。
そこを理解してもらえない悲しみがあったかと思えば、花名を、そしてひろえを心配して集まってくれる友達の温かさもあって、誰かを助けたい、支えたいというときには、ひとりで抱えるのではなく、皆で包むようにするとよい。
ひろえの心をくじく雪を皆でどかしてくれた。受験のときには付き添うといってくれる人もいる。あんなにつらかった、重苦しかった雪の日の思い出が、こうして皆の思いやりとともにやわらいでいけばいい。そう思わないではおられない情景。
ええ、花名が重荷をおろすことができたように、ひろえも心を軽くして未来へと歩みだせること、その一歩がこの日のこの瞬間だったのですね。
『異世界魔王ごっこ~魔王は姫を倒したくない!~』
人間相手に戦を仕掛けようとしない魔王。その理由は人間たちの秘密兵器にあり、というのは魔王の出任せなんだけれど、それを真に受けたアヴァが秘密兵器を探りに人間サイドの施設に潜入。そして囚われてしまうのですね。
とはいえ、幹部クラスって尋常ではないんだなあ。牢獄に囚われたと思うも、鍵を奪おうと思えば奪える。沢山の鍵でどれが牢のかわからなくされたら、今度はしれった錠前を奪ってしまう。この有能さ、素晴しい!
けど今回の見どころは、アヴァと人間たちの戦いだとかそういうのではなく、人間サイドには人間サイドの、そして魔王サイドには魔王サイドの愛とか恋とかが咲き乱れてる! ってところでしょう。騎士団長レオナに副団長リセが熱をあげていると思えば、自分のピンチに助けにきてくれた魔王様にうっとりするアヴァ。ほんと、こうして自分たちの好きだけを追求していてくれれば、人と魔族の関係も平和でしょうのにね! そうなれば魔王乃々の夢もかなうかも知れない! と思えばこそ、乃々の道のりは遠そうでありますね。
それはそうと有能キャラに弱いので、今回のアヴァにはやられっぱなしでした。
『キミはあくまでも。』
告白しなければなりません。いつものお礼に使用人たちの仕事を手伝うというマーシャ。使用人の格好までしてやる気充分なのですが、ここにヴェネルも手伝うとなれば、おおお、ヴェネル様もメイドの衣装を!? 一瞬期待したのですが、ああ、残念、ヴェネル様はエプロンでした。
今回はマーシャとサラロット編の幕引きでしたね。サラロットにいいとこを見せようとがんばるマーシャに、それを手伝おうとするエクールカ。もうふたりの関係は円満で、むしろマーシャはエクールカの背を押そうとする立場。けれどエクールカは胸中思うところがある模様。
そしてヴェネルはサラロットとともにいて、サラロットにとってのマーシャについてなど聞いてみたりするんですね。マーシャのことを気にかけているように見える。あまりマーシャに酷いことはしないでほしい。ヴェネルが希望を伝えれば、サラロットは、安定を好んでいること、マーシャとその家はその安定を与えてくれる。それを壊すようなことはしないと、まずは安心してよさそうです。
しかしサラロットのいう、マーシャのそばにいることで得られる安定とはなんなのだろう。具体的なことはわからない。だからこそ、いろいろ思い考える余地のある、そんな風に思われたのですね。
春休みも終わり帰路につくマーシャたち。これにて一旦の区切りがついて、さあ次にヴェネルたちを待ち受けるドラマはどうしたものでしょう。なにか怖ろしいことが起きなければいい。ヴェネルの、エクールカのしあわせな日々が続くことを望むのであります。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第6号(2024年6月号)
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