『まんがタイムきらら』2024年6月号、昨日の続きです。
『きもちわるいから君がすき』
こじらせ度高い女子がこれでもかと出てくるこの漫画ですが、先生のこれはまたトップクラスのアレですな!
振り返るは学生時代。インターハイ優勝を果たしたかつての芦屋先生。その彼女が、ほんの憐れみから声をかけた女子に心を引かれ、そしてその恋が破れるまでの顛末が描かれた今回。そこには思いを向ける相手である千恵への一方的な思慕があり、コミュニケーションを重ねながらも、決して埋まらない思いの溝があった。そのあまりにちぐはぐだった恋心のゆきついた先が、千恵に似た生徒を見つけては、千恵の代用として思いを向け続ける不毛な恋! そしてそれが今年は西宮透をターゲットとしたというのですね。
しかしこれどうなのか。恋の対象としながらも、見ているのは目の前の相手ではなく、自分の理想形でありかつての思い人である千恵。ここにもやはりコミュニケーションの失敗があって、この果たされることのない不毛な恋愛感情。これで先生が救われているのならまだしも、本当の意味で救われる未来が見えない!
本当。先生、なかなかの逸材。ちょっとのけぞる展開に、ひええと舌を巻きました。
『ほぐして、癒衣さん。』
キャンプ場にて癒衣と一夜を過ごすことになった富美子。癒衣から揉んでもらえるという、嬉し恥ずかしのサプライズ展開が富美子を待ってたところまではよかったけれど、驚天動地! 次いで知らされる癒衣と夏鈴の同棲情報。薄々思っていた。しかしそれが事実として知らされたときの富美子の表情。一瞬にして凍りつき、そしてこぼれる涙。
ああ、泣いたわけをごまかす富美子。しかしそのあまりのことに癒衣もなにかしら気づいたのではないかしら? でも、それでも、富美子の思いのほどを察するにはいたっていないような気がする。
自分の恋するあの人にとって、自分は友人以上の関係にはなれないのだと知ることとなったこの夜。富美子にとってはつらい、けれど新しい一歩を歩き出すための、大きなターニングポイントでもあった。ああ、次こそは富美子、むくわれてほしい。そう思わないではおられません。
『ほうかごバスケット』
また面白い子が登場しましたね。ふたりも。
ひとりめは、身長180cmくらいある猿沢るり。引っ込み思案で、思いきりが悪く、けれど諦めも悪いこの子を見かねて付き添ってきてくれたのが、バスケ経験者の真弓あかり。こちらは非常に思いきりがよくて、面倒見がよくて、見切りもいい? ボールコントロールがうまく、速度があり、バスケの面でも思いよりよさそうで、と思ったらシュート力がない!? ほんと、それで未練残しながらもバスケは自分のフィールドではないと背を向けようとしていたのですね。
今回面白かったのはるりのキャラクター。バスケに興味があるわけではない。じゃあ、なんでバスケ同好会に? と思ったら、なんとダンクがしたい。また限定的な興味でありますな! と驚いたのですが、さらに驚かされるのはこの続き。自分のことをでかいだけの女ってバカにした連中を黙らせるためだっていうの、なんという負の感情! でも、こういう怨念めいたコンプレックスあった方が伸びそうな気がする。最終的にダンクができるようになるかどうかはわからないけれど、この背丈があって意欲があってとなったら、いろいろ伸びる可能性はありそうに思う。
と、その前の段階で、シュートの決まらないあかりにレイアップのコツを教える。それも一時間で、という展開! まずはあかりの問題を解消し、そこからるりのダンクに繋いでいくという流れが見えて、ちょっと興奮の展開でありました。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第6号(2024年6月号)
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