『まんがタイムきららMAX』2023年8月号、昨日の続きです。
『SAN値直葬!闇バイト』
こよが招かれたあかりの新居。心理的瑕疵がついている神条件物件らしいのですが、すなわちいわゆる事故物件。こよは嫌な予感しているし、その予感のとおりに尋常でない出来事に見舞われるしで、到着そうそうわりと散々なことになってるんですが、いやまあ扉の向こうが火の海でないだけマシだったようには思いますよ。
しかしこの家、いろいろおかしい。開かずの間がある。鏡に映った自分の姿が助けを求めてくる。あまりにもおかしい。どう考えてもおかしい。なのに、もっとおかしいあかりは、なんらのダメージも負っていないというのですから、さすが、この漫画の最強生物。無神経相手には、怪奇現象でさえも手を焼くのかも知れませんね。
今回は駄洒落押しでしたね。心理的瑕疵を真理的菓子と思い込んでるあかり。しかしその実態は真理的下肢だった! っていうの。まさか、こよがあんなに真顔でがっかり駄洒落落ちに持ち込むとは思いもしませんでした。
今回の最大の見どころは、こよがあかりのことをどう思っているのか、それが明らかになったところでしょう。いわく、銭ゲバアタッカー! いい響きですね! いやもう、私なんかはコミュニケーション不能のモンスターみたいにあかりのこと思っちゃってますから、それに比べれば銭ゲバアタッカーの方がいくらもマシですよ、あかりさん。
『てくてくっ!秘密リサーチ』
今回の目的地は横須賀にある無人島、猿島。動画撮影、取材目的で猿島にいこうと思ったところに、すかいからの連絡。誘ってみたらなんとマリンまでついてきた。のっけからペース崩されているひぐれですが、今回は抑えめ控えめなひぐれと、オープン元気声が大きいその上悪ノリのマリンとの相性の悪さが語られたかと思ったら、最後の最後にはちゃんと仲よくなったところ、大変よかったですよ。
さて、猿島のトピックですよ。日本最初の台場が築かれた島。首都東京を敵から守るために砲台が作られたこの島に残る遺構の数々が、どのように作られそして変化してきたかを物語るという描写は見ていてとても面白く、興味深かったです。
伝声管が残っていたり、レンガの積み方が珍しいフランス積みということは建造当時フランスの影響があったのかな? そうした来歴などにも気持ちが向かう。そして弾薬庫に火がまわらないようにする工夫などなど、見どころをコンパクトに伝えてくれるのはとても楽しい。そしてひぐれの気づいた島の変化。時代につれ要求される機能も変わってきた。海からの脅威はいずれ空からの脅威に変わり、対応すべく変化を余儀なくされた。
この、状況を受けて変わっていった島の様子についての描写が、ひいてはすかいとマリン、ふたりと一緒に過ごした時間が変えていったひぐれの気持ちに通ずるようにも感じられて、今回のテーマは状況に応じて変わる、ということだったのかも知れませんね。
『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』
大掃除に精を出すユーリ。なんでまたと思ったら、そうですか、今日は大晦日。見た目からして外国育ちと思ってたんですが、年末には大掃除をしないと落ち着かないというところなど見るに、普通に日本育ちなのかもですね。
さて、つくしが実家から昔着ていた服を送ってもらっていました。その中には着物もあって、それ着て一緒に初詣にいきましょう。ちょっと嫌そうだったユーリが、食べ物売る出店が出てると聞いてころっと態度変えるのが素晴しい。ええ、相手がつくしだからか、このへん、すごくダイレクトに感情表してくれますよね。
しかし着物姿のユーリ、めちゃくちゃカワイいですね。変装の訓練のおかげで着付けもお手のもの、とはいうけど着物でお出かけとかははじめてだったりするっぽいですね。
破魔矢や射的を見て武器を帯びている! 全員殺し屋だ! と短絡するところなど、実にユーリらしい。と思ったら、トルネードポテトや綿あめに心持っていかれるところなど、実にユーリらしい!
ほんと今回はユーリの素直に気持ちがあらわになるところ、その愛らしさがこれでもかと描かれて素晴しかった。と思ったら、最後にはその気持ちを言葉でも示してくれて、ああ本当によかった。こうしてつくしとの生活を楽しんで、もっと打ち解けていったらいいなと思える年越し風景でした。
- 『まんがタイムきららMAX』第20巻第7号(2023年7月号)
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