『まんがタウン』2023年7月号、昨日の続きです。
『ルナナナ』
第7寮にネット回線が開通。めでたしめでたしかと思いきや、あまりに細い回線に四苦八苦することになってるっていうんですね。
しかしなにが面白いといっても、ネットの優先使用権。トップが深大さんなのは納得。リコの貢献度も抜群でした。で、同じく頑張ったはるかなのにスマホ持ってないからネット使わないっていうんですよ。なにもしてない組よりもずっと下、というか番外になってるのがおかしくて、この人のポジションというものを如実に物語ってるランキングだなあと思わされたのでした。
今回のエピソード。ネット黎明期の回線がまだ細くって、なにをやるにも待ち時間が発生した時代を思い起こさせてくれて面白かったです。アキが動画のダウンロードに一晩かけたというの、自分も似たようなことしていましたよ。当時は電話回線を使っていたので、電話代を節約するためテレホーダイタイムを活用して、一夜かけてデカいファイルをダウンロードするとか当たり前でしたね。今回のアキが7時間で完了したというの、今どきの動画のサイズからしたら、きっと平成初期よりも第7寮回線の方が太いな。でも、こうしてDL成功した感慨の深さはきっと変わらないでしょう。
とか思ってたら、知らない人たちの動画だったの!?
その落胆の深さもまた理解されようものでした。
今の令和のブロードバンドなんてのが当たり前になってる時代に、こうしてあえて温故知新みたいな話が展開できる月というシチェーション。結構な可能性の塊だと実感させられました。
『恐竜とカッパのいる図書室』
卸町と薬師堂、ふたりの関係は図書委員の任期が終わってもなお続いています。この状態に落ち着くまでいろいろあったわけですが、今こうして当たり前に交流しているところ見せられると、いろいろあったからこそだなという思いがさせられます。
この薬師堂との交流が卸町にもたらすもの。中学の時のわたしの手を薬師堂さんが引いた気がした。この言葉に、かつての卸町が捕われてきたもの、求めて欲して得られなかったもの、そうしたことごとがうかがえると感じられて、そして卸町が共感する薬師堂の伯母の思い。ここに時を超えた関係が生じているんですね。
この関係を結ばせたのが物語の力なのでしょう。時も時代も超えた関係を築くこともできる、そんな可能性に、かつて傷ついた伯母さん、物語の恐竜として卸町、薬師堂に結びついた彼女にふたりはどうやって辿り着くのでしょう。その足取りこそに彼女たちの新しい物語を期待させられるのです。
『あの世で猫になる』
ペット自慢がしたい朝倉さん。浮遊霊を犬として飼っている吉田と語りあっていたら、そこを大島に目撃され、まさかの心霊ペットオーナーの交流会がでっちあげられることとなりました。
大島がらみの物件。集められたペットとして物件に縛りつけられた霊たちの悲喜交々。と思ったら、わりと飼い主との関係は良好みたい。タマが朝倉さんを慕っているように、他の霊たちも飼い主のことは好きなんですね。ぴょん太と飼い主さんも互いに思いあってるじゃありませんか。ええ、大島は人の心のないヤバいやつかも知れませんけど、マッチング自体はしっかり成立している模様です。
さて今回のデカいトピック。助けを求める声が! というので部屋を覗いてみれば、そこにはオウムに封じられた悪霊が! 怖ろしいな。寿命が短いネズミなんて嫌だといったら、数十年生きるオウムに封じられたんだ。大島の誤算は、オウムはしゃべれること。大島にとって不都合なことしゃべるからと、人前に出してもらえない。飼い殺しにされてるっていうから大変。
でも、シロの失言で逃走に成功。そのまま逃げ切るのかと思いきや、大島の悪事を曝露するために店子の会に乱入するんだ! ほんと、自由より復讐を優先したんですね。そして珍しく窮地に陥る大島。いや、またもアコギな商売しようとしてることが最後にバレるんですけど、たまにはこうして困ってる大島を見るのもいいものだと思いました。
- 『まんがタウン』第24巻第7号(2023年7月号)
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