2023年6月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2023年7月号

 『まんがタイムきらら』2023年7月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

ひなの家に巣をかけているツバメの子たちがいよいよ巣立ちです。今朝、一羽が巣立ちしたのを皮切りに、もう一羽一羽と続いて巣立っていったというのですが、これ、見つけたのはばあやさんで、ひな自身はその瞬間を見てないってことなのかな?

巣立ってすぐのヒナは、まだ経験も浅く動きも拙いために、外敵から狙われやすい。そういえばヒナは5羽いたはずだけど、今いるのは1羽のみ。ということは……!? と心配させてから、まだ巣立ちしていませんでしたと安心させてくれたのはよい緊張からの緩和でした。

残る一羽、つばノ介を気にかけているひな。ただ一羽、巣に取り残されているのではと心配して見にいってみれば、ヒナたちが皆戻ってきていて、こうしたツバメの習性に仲間を心配する気持ちを見出すのは人の気持ちがゆえなのかも知れませんね。

そして翌朝、まだ日も浅い時間、つばノ介の巣立ちを見守るひな。その気持ちのまっすぐに向かうところ。この子の実直で誠実な心情うかがえて大変よかったです。そしてツバメの兄弟たち、そして親も残る一羽を見守っていると感じさせるその様子。実際、鳥は仲間を認識して心配したり見守ったり、あるのでしょうね。

鳥のヒナの巣立ちに、人のまだ若い日のことを思ったりもした今回。そうした重ねあわせもまた、人の気持ちがゆえと思われました。

『けいおん!Shuffle』

真帆から呼び出しをうけたしなの先輩。お叱りではと身を小さくしてるのがもうおかしい。なぜ先輩の方がビビってるのかという話なのですが、よかった、お叱りではありませんでした。

相談したかったんですね。蘭花が新しくギターを買うにあたって、いろいろ考えていることを知った。そうした後輩の姿勢に、自分には音楽のセンスがないのではないかと不安を覚えてしまったというのですね。

悩める真帆に、しなのはちょっと力不足だったでしょうか。いまいちピンときていない雰囲気に真帆、ちょっとお怒り? からのしなのの言葉の選択ミスで、ああー、真帆、泣いちゃった! いやもうほんと、この場にたまたまバイトのリサがいてくれてよかった。リサの助け船でさしあたってはトラブル回避に成功。というか、真帆のためにこんだけ怒ってくれるリサ、思いの深いいい子ですよ!

紆余曲折あったけれど、真帆の不安、払拭されたようでよかったですね。そしてリサから伝えられる、蘭花がギターを替えようと思った理由。これがまたよかった。ええ、真帆、後輩から愛されているんですね。

『妄想アカデミズム』

ものすごい導入! 学校の廊下を水着で爆走する未春ですが、ええと、これは夢とか妄想とかではないんですか? 本当にこの格好で廊下を走っているんですか? しかしまたなんでこんなことに!

と思ったら、なんと、えらいな! ずっと考え続けていた数学の問題、その解き方についに辿り着いて、矢も盾もたまらず教室に急いだというんですね。

そんな未春を見た莉子がいうんですね。アルキメデスみたいだって。エウレカの逸話だ! いや、ほんと、それ連想しますよね。アルキメデスの話を聞いて同じことやってみる妄想したけど、裸はアレだから水着にしました、みたいな話だと思ったんですよ、最初! でもこうして順序が逆に紹介されたことで、思惑なしに体が動いてしまったってわかるようになってる。その意識の持っていかれるほどに入れ込んでるのは、未春、ちょっとした才能だと思いますよ。

今回のエピソード、こうした導入をもって語られたのは、未春が思いつきみたいにはじめた東大受験に本気の本気で取り組もうとしている、その真剣さだと思います。そしてもうひとつの真剣さ。莉子の未春への気持ち。その切実に募る様子、それゆえに高まる不安などなど。こうした揺れ動く思いなどうかがうことのできるのは、読者の特権だと思わされるよさありました。

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