『まんがタイムオリジナル』2023年8月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。熱々、激辛!? 麻婆豆腐を食べて口元真っ赤にしている山下さんが表紙でありますよ。今回の表紙テーマは激辛の模様。山下さんが麻婆豆腐。『小森さんが断れない!』しゅりも麻婆豆腐で、汗だくだくです。『慧都様にはお見通し!?』慧都様は真っ赤なスープの激辛ラーメン口にして火を吹いてあそばして、そして『らいか・デイズ』らいかは、ザルいっぱいの唐辛子見て驚きの表情であります。
今月は新規ゲストが1本です。
『お憑かれですね杏子さん』
素敵な雰囲気の絵柄ですね。主人公の舞岡杏子、さっぱりした感じの大人の女性といった雰囲気で、そしてその背後にいる老紳士は杏子の父親、あるいは年の離れた夫とか?
と思ったら、まさかの地縛霊! 好条件のわりに家賃の安い部屋に入居してみたら、そこにいたのが老紳士。自分の姿が見える入居者に喜びを隠さないその男性、アンブローズは、10年前にこの部屋で死んだ地縛霊。いや、地縛霊ってこと自覚してなさるのか! これまでずっと孤独だったアンブローズ氏、なんとかコミュニケーションとりたいとラップ音やテレビの音量操作でアピールしていたら、皆速攻退去していった……。
でもそのおかげで、杏子は安くこの部屋を借りられることになったというわけですね。恩人じゃないですか。
早起きな英国紳士。紅茶に対するこだわりは相当で、けれど杏子はコーヒー党。それでも紅茶くらい飲むこともあるから、そのたびいろいろアドバイスされてもう大変。こうした面倒な霊だけど、シャワーを覗いたりなんてしませんよ。姿も心も紳士だ! けれど杏子が信用してなくって、交通安全の御札で動きを封じるんだ。御札ならなんでも効くのん? リアル志向の絵柄でこのナンセンス。ギャップがまた面白みでありますね。
『おだまき君の道草ごはん』
このところ、苧環の言動に心揺り動かされてきた小麦さん。はたして苧環は小麦のことが好きなのか? 疑いながらも確信のもてない小麦の葛藤。その苧環に手を引かれて連れていかれた借り物競争。好きな人!? と思ったら食いしん坊な人。うん、妥当だ。文句なしですね。
食いしん坊扱いされてスネちゃった小麦が可愛いですよね。で、山菜入りのハンバーグ、稲荷寿司、卵焼きを出されては機嫌もコロッと変わっちゃう。やっぱり小麦は可愛いなあ。
そんな小麦に紹介された今回の野草。キツネノマゴにマツカゼソウ。食べるには向かない草だけど、筋肉痛には効くらしい。そして小さな花が愛らしい。いつか小麦に見せたいという苧環の言葉。これはきっとそこに気持ちが、思いがあるんだよ、小麦さん!
まあ、伝わっちゃいないっぽいんですけどね。
小麦のいないところで、好みのタイプを聞かれた苧環。その答が、沢山食べる子。もう答あわせができてるじゃん! ねえ、ほんと、小麦よ、思いのまま突っ走れ! といいたいけど、苧環が正体不明というか本心わかりづらいやつだもんな。小麦も苦労しますよね。
『となりのフィギュア原型師』
万代寺もずが登場。斉藤に対し、個展に展示するフィギュアを作らせてあげるというありがたいオファーですよ! 当然斉藤は、速攻お断り。この屈折したもずのお願いと、頑として譲らない斉藤の対決。そこにさりげなく参加してくるオブザーバーせつか。
もうめちゃくちゃ面白い。このくだりだけでももう充分に面白かったのに、さらに後半があるっていうんだから、今回はお祭りみたいでありましたよ。
フィギュアを知るために、ふたりして秋葉原の実店舗にいくんですね。実物見ればテンションも上がる。これ欲しい、こちらも欲しい、と思うも、完売に受注期間終了。さらには発売が来年ときましてね、フィギュアってこれが普通なの!? っていうの、うん、わりと普通よね。自分は基本立体には手を出さないけど、なんか慣れちゃってるな。数少ない所有フィギュアも、数ヶ月とか前に予約してた覚えがありますよ。
そしてもずの過去が追っかけてきた! コンセプトカフェ時代の常連さんに声をかけられて、これは、これは、面倒なことに!? と思ったけれど、すごいな、めっちゃわかってくれるいい奴らじゃん! ええ、物分りよく応援しながら未来に向けてレッツゴー!
ほんと、なんだろう今回のテンション。やりとりがとにかく面白い。で、ちょっといい雰囲気っぽいもずと斉藤? いや、もずだけ? 斉藤の範囲じゃないもんな。ともあれ、これ、続編ないしありそうですよね。どんなフィギュアができあがるのか、楽しみですよね。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
八重ちゃんったら、優しい子! さみしんぼの友達のために、夏休みはみんなでいっぱい遊びましょう。七夕の短冊に願いを書いて、これを約束とするというんだから粋な子でありますよ。
ということで今回は七夕がテーマです。短冊になにを書こうかというところからはじまって、一年に一回しか会えない織姫、彦星に思いを馳せるのですが、大人になったら一年に一度も会わないのも当たり前だって聞くよって亜紀ちゃんが! このちょっと他の子とは違う情報ルート持ってる亜紀の存在感、いつもいいですよね。いつも独自で、けど浮いてるわけでもない。そんな存在感が如何なく発揮された回だったと思います。
そして、みなの友達を大切に思う気持ち。ちょっと打たれ弱いところも愛らしい。自然と普通に、そうした個性を受け入れてくれているこの子たちの関係もまた素敵で、ええ、今回は八重さん、ナイスプレーでした。いつまでもこうして仲よくあってほしい子たちであります。
- 『まんがタイムオリジナル』第42巻第8号(2023年8月号)
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