2023年6月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年8月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年8月号、発売されました。表紙は『キルミーベイベー』。なんと、連載15周年! 驚きの数字とともにやすなとソーニャが表紙堂々登場です。ふたりして指で1と5を作って、15を表現しているんですね。ふたりの周囲には、アイコンタッチの各種武器、いやりんごとかバナナもあるながちりばめられて、にぎやか、けれどすごく調和している不思議な感じ。黄色の派手な表紙に映える銀の文字も目にまぶしい! シンプルにしてぐっと押し出してくる、そんな勢いがありますよ。

今月は新規ゲストが2本です。

『竜の古城のメイドメイド暮らし』

おどおど内気で人づきあいの苦手な沖宮彩。学校でクラスの子に話しかけるのも大仕事。一緒にお昼をと思っても、どうしても話しかけられず今日もひとりランチ。そんな自分に嫌気がさすも、どうしても性格を変えられる気がしない。

沈んだ気持ちでの帰り道、川から聞こえる水音に様子をうかがえば、そこには溺れるトカゲの姿。苦手ではあるけれど命を無下にもできず、勇気を出して助けてみれば、変わりに自分が川に落ちてしまい、したたか流されようやくなんとかはい上がった彼女の前に広がっていたのは、ついぞ目にしたこともない世界。

スマートフォンも使えない、そんな状況に困っていたら、どう見ても人ではないふたり組に声をかけられ、連行される!? と思ったその時、竜のお嬢様なる人物に助けてもらった。

ここは異世界。あの時、川で助けたトカゲこそが竜のお嬢様の使いの者。情けは人のためならず、というか、助けたからこそ川に落ちたともいえるわけですが、ともあれ善行により一命をとりとめた彩の行く末やいかに。竜のお嬢様の屋敷にて、メイドとして働くことになった彩を、いかなる命運が待ち受けるのか乞うご期待でありますね。

『天死探偵モグモグ』

枝相双葉が出会った謎の少女は、人に死を宣告する不思議ちゃん? 双葉にからんできた兄さんにくどくどお説教を食らわせるのだけど、そう遠くないうちにあいつは死ぬよと言明。そんな変な子が、なんと双葉の参加する合コンにくっついてきて飲み食いするっていうんだから珍妙です。

ただ飯食うためについてきた? いや、それは目的の半分。もう半分の目的は、この居酒屋で出る人死にに立ち会うため。双葉たちと一緒に飲んでいた山口始なる眼鏡の人物。酒に弱く、そのくせ飲むというタイプで、酔って騒いで荒れて、トイレにいったと思ったら戻ってこない。それで不審に思った双葉がトイレに向かってみれば、そこには血の海に沈む山口始と、そのかたわらにたたずむ謎の少女の姿。

かくして山口始の死の真相に迫っていくことになる双葉。謎の少女、山口始の魂を回収していた天使の語る真相。自ら名乗り出た安田武は犯人ではない。園部桃こそが真犯人。はたしてどのような手法で山口殺害にいたったのか。その解明は次号、刮目して待て! といったところ。

この漫画、こうした謎の殺人に立ちあっては天使の示す真犯人の殺害手法に双葉が推理で迫っていく。ちょっと変わった毛色のサスペンスものとなりそうですよ。

『mono』

エアロバイクに回転センサーを取り付けた春乃。かくしてはじまる、グルグルマップVRサイクリング! なんですが、全然速度が出ないからといろいろズルしようとするのが春乃らしくていいですね。

本来はダイエット目的だったはずだけど、どうしたらより面白くなるかを追求する姿勢はまあ間違ってないと思います。面白いから続くわけで、爽快感がなくてやめてしまうようだと、それこそ本末転倒です。

でも、あの磁石で回転をカウントするタイプのセンサーだったらこうしたらすごい速度が! っていうの、ズルをするにもほどがある! いや、でもね、結局ちゃんと漕いでるんですから、なんだかんだでちゃんとしてます春乃さん。

下り坂でも漕がないと進まないというVRならではのあるあるとか、こういうの面白かったです。現実っぽく感じるからこそ、現実との違いに混乱してしまうというそういうところ。自分がメインで遊んでいる釣りゲームでもそういうところがあって、あれー、こっちには投げられないのか、みたいなのね、実によくわかります。

しかし今回、ただVRサイクリングだけでは面白くないと判断されたのか、だんだんと数が増えていく猫の鳴き声。たいしょうがご飯でも要求してるのかな? と思ったら、なんだその謎のオチ!

これ、続くのかい? なにかしらの発展ないしは解明とかされるのかね? されない気がする。ほんと、これ、どう受け取ればいいんだろう。現代VR怪談なのでしょうか。

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