2022年6月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年8月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

かおすちゃんが卒業を迎えます。終わりゆく学園生活にそれぞれに思いを馳せる少女たち。また別れの情景に、彼女らがこの学校で過ごしたきた時間、築きあげてきた関係などが見てとれて、ああ、感慨深いですね。

そしてかおすちゃんはというと、ひとりぽつんと立ちつくしていて、孤独? 寂しさ? と思ったら、むしろ爛々と目を輝かせて女子高生の実際を心に刻んでいたというの、いや、もう、君、なんかすごいな

でもね、ここからのいろいろ、寮の漫画家仲間と一緒に写真を撮ったのをきっかけとして、これまで関わりを持った人たちとの縁を確認する流れになるところとか、素晴しかった。そしてかおすの漏らす不安な気持ち。ちょっと発言は不穏だったりするけれど、皆も不安があったり、あるいは奮起する思いがあったりと、様々な気持ちを交換していくことで安心を得たり、相手のらしさ確認したり。改めてこうした会話のなされるきっかけとしての卒業の情景に、時間の過ぎゆくこと、変わりゆくもの、変わらぬもの。彼女らのこれからもまた、しみじみと思いをいたし、慈しむような思いにかられたのです。

『お姉様のVな事情』

ミユキとカンナの関係、えらい進展したというか、いやむしろなんか微妙にこじれたというか? 以前からミユキの行動を不審に思っていたカンナ。けど、それで見出された結論が貧乏なのでは? というの。いや、メイドにもゆわれてますけど、そういうとこですお嬢様。仮に貧乏でも憐れむ必要はないし、私の軍門に云々とか、そうやって囲い込もうとなさるのもいかがなものでしょう!?

でも、パパ活の可能性を示唆された途端、感情昂らせちゃうんだ。絶対、許さない。そうか、自分のライバルがそうしたことでお金を得ているの、許せないのか。ミユキのこと、認めてるんだね、カンナさん。いや、それはわかってたんだけど、それにしても結構屈折してんだよなあ。ミユキにしてもそう、カンナにしてもそう。でも、ふたりのそれぞれに方向性の違う屈折した感情、それが今回にしてついに交差したというんですか!?

口論の果てに、神酒シズクへの思いを爆発させたカンナ。まさかその思いをぶつけた相手、ミユキがシズク本人だなんて思ってもいないカンナの感情と、生の思いをそのままに浴びることとなったミユキ、その胸中。知らなかったこと、思いがけなかったことを、今ここにリアルなものとして受けとめて、これでなにか変わろうというのか。

ほんと、すごいターニングポイントだと思う。危ういお嬢ふたり。この出来事がふたりの関係を変えることとなるのか。そしてミユキ、カンナ、それぞれのこれからに影響するのか。刮目ですね、これ。

『マグロちゃんは食べられたい』

みさきとなぎさの関係、掘り下げられていくのかな? このところまぐろとの時間が増えているみさきを見てヤキモチとか焼かないのか? そう問われて、自分がみさきの一番の理解者だからなんとも思わない、即返答するなぎさが強い! しかも強がりなんかじゃなく、本当にそう思っているっぽくて、まぐろと話しているみさきを見ても、自分以外の友達がやっとできたと感動する始末。

あんたはお母ちゃんか! いや、でもここからのなぎさの様子を見ていくと、みさきとともに育んできたもの、その歴史のようなもの確かに感じられて、みさきが自分のことどう思っているか、またみさきが自分に与えた影響などなど。たとえみさきがまぐろと仲良くしていても、自分への気持ちが変わったり、また関係が揺らいだりしないという確信あるいは信頼があるんだな。切っても切れない縁ってものがふたりにはあるんだって伝わってくるものあったんですね。

だから、みさきが変わっても不安になったりなんてしない。きっと変わらないものがあるとわかっているから。そしてそれは自分の内にあるみさきへの気持ちへの信頼でもあるんだなと思わせてくれた今回。静かに満ちる、そんな思いの暖かに沁みわたる良エピソードだったと思います。

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