『まんがホーム』2022年7月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。これは、仲良くゲームでありましょうか。ババ抜きしているらいかをメインにしまして、『先輩に推されて仕事になりません!』花村と瀬谷は将棋、いや将棋崩し? 『天下分け目の小早川くん』は小早川、石田、徳川の三人がTCGですね。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は、ええとこれなんだろう。これきっと昔の中国の盤ゲームだな! いや、普通に図上演習してるだけかも知れませんけど。月英にいい手打たれて思わず前のめりの孔明。その様子に、この人の知識、発想に対する貪欲さ見てとれるように感じます。
今月は新規ゲストが1本です。
『あやかしの嫁にほだされてます』
妖怪に対する見識は他に類するものなしと名高い蒲柳仙。しかし本人はコンプレックスバリバリで、科挙に落ち続けているのがその原因というのですが、その期間たるや9年! 9年は長いね! と思うけれど、実際科挙は数十年も不合格続きだったり、そもそも合格できないまま生涯を終えたりするのもざらだとか。というか、合格できない方が圧倒的に多いシステムでしたよね。
そんな科挙に挑み続ける柳仙。それは半ば意地、もう後に退けない、そんな気持ちあってのことなんですね。科挙に打ち込むばかり、妻をないがしろにし、結果そのまま別れることになってしまった。その心残りあるために、なんとしても科挙に受からなければならないという一心でいるのですね。
そんな彼の特技というか才能というかは、妖怪について書き記した小説。柳仙とともにいる醪。この少年、実は妖怪。長生きして能力を身につけた狐仙。助けたところ懐かれて、というのだけど、こうして妖怪にしたわれるというのも柳仙の才能なのかも知れませんね。
と、そんな柳仙の前に現れた女性。霊に憑かれた男連中に追われているところを助けることとなったのですが、この女性、蕙芳、かつての柳仙の妻にそっくりで、助けてくれた礼に妻になるという。で、蕙芳この人も妖怪なのですか? ええ、かくも妖怪にしたわれる。やはり柳仙にはその手の才能があるのだと思えてしまいますよね。
『孔明のヨメ。』
事態が慌ただしく動いていきますね。曹操のもとに届いた孫権からの開戦のしらせ。この決断のはやさは曹操にしても予想外で、しかもさらなる予想外が! 孫権ばかりか劉備もともに戦に加わるという。この同盟の成立、欺瞞情報をつかまされていたというわけですね。
ここからの曹操の凄み! いやもう、彼もまたこの物語における主人公ですよね! というか、曹操が最終的に勝者となるわけですけど、そんな彼の見せ場といえる今回。開戦となれば即応して軍を動かす用意ができている。陸上の兵は明日にでも出立可能。水軍も、川が荒れてすぐには動けないけれど、数日中には出陣できる。
この、水軍をすぐには出せないということを進言する蔡瑁と、その言を取り入れる曹操。このやりとりに伺える曹操の合理性と度量の大きさがもう素晴しいですね。これから孔明たちが戦うこととなる曹操、その手強さを開戦目前の状況においても申し分なく表現してくる。戦のはじまりからその終わりにいたるまで、いかな展開をして見せるのか。ええ、盛り上げてくれますよ。
『座敷童子あんこ』
あんこ、健康診断とかちゃんと受けてるのか。しかも数値が悪かった模様。なにかいい健康法はないかというのだけど、楽なもの限定なのか。そりゃ、ちょっとないんじゃないかな?
で、推し活に決着するの。ああ、確かに推し活は健康にいい云々、そういう言説はSNSで見たりするけど、いやそれジョークよ!? でもそれを真に受けて、今はこれと推しがいないからと幸太を推すことにする……。
いや、無理に誰か、なにかを推すの、それ、健康にいいのかい? ここからのあんこの行動。それ、推し活じゃないのでは? といいたくなるようなののオンパレード。自分は動かず幸太に頼みごと。いや、動かないと健康によくないよ? さらには怪しいグッズ、幸太ぬいを作成、って、それなんか呪われそうなアイテムよ? でもってそこからのスイーツ連続完食。
いやもう、推し活とはいうけれど推し活らしいことまるでやってないし、それ以前になんのために推し活とかはじめたのかをあんこ自身が見失ってるし! このカオスな感じ。まさしくあんこであると思いましたよ。
- 『まんがホーム』第36巻第7号(2022年7月号)
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