『まんがタイムきらら』2022年7月号、一昨日の続きです。
『それでは、ステキなセッションを。』
カラーページ、最高ですよ。星田楽器が10周年。記念セールのチラシくばり、呼び込みをしている是沢が本当にチャーミング。のびのびとして、いきいきとして、キラキラ輝いていますよね。
ああ、本当の本当に願うのだけど、KRコミックスは電子だけでもカラーページを収録すべきだと思う。でないともったいない。これは財産ですよ? みすみす価値を毀損してしまうだなんて、本当にもったいない。他社はやってます。芳文社も決断してほしい。
是沢の呼び込み、子供に抜群の効果を見せるの、いいですよね。この子の元気、明るさ、それが子供に通じるのだと思う。しかもこれにてんちゃんのアイテムブーストがかかっとるのか! まさかこういう局面でアイテムブーストが使われるの、予想外の展開でした。
バイト中、なつみと再開した是沢。なつみはこのところ悩みを抱えていて、もっとポップで売れ線の曲をと事務所から求められているのだけど、そうそううまくいくもんじゃない。胃を痛めてしまっているというのですね。
ここでの是沢の対応。プレジションベースの持ち味の話から、是沢が弾きなつみが歌う即席セッションにいたるまでの描写。あの時の、ひとりよがりで弾いてしまっていた是沢はもう過去のものだってわかる。そして今回の演奏は、てんちゃんのピックによるブーストなし、正真正銘是沢の実力で、充分以上になつみに渡りあえている。むしろ、この自然体で演奏する是沢のその音楽に誘われるように、ふたりの音が共鳴しあっている。
そうした描写、本当に魅力的。是沢もただ成長しただけでなく、音楽に、人に向きあってその楽しみを知り、引き出していける、そんなミュージシャンになっているんだということ、よくよくうかがえるエピソード。本当に素晴しい情景でありました。
『星屑テレパス』
このところ頭がぐるぐるしてしまってるユウ。その気持ちを整理しようと、海果とふたり残って話しあおうとするそこでのできごと。ユウが気にしているのは、熱に浮かされた海果にいわれた、わたしとだけオデコパシーして、という言葉。それにずっと捕われて、そうしたら思いがまるで収まらなくなってしまってというユウの悩み。
この対話で果たして解決したのでしょうか!?
海果、あの時のこと、覚えていないんですね。いや、そうか。だって熱に浮かされてたんだものなあ。でも、わたしとだけ発言をユウからいわれて、めちゃくちゃ赤面するところ、可愛いよな。言った言わないになっちゃってますけど、ふたりともにその意味深な言葉に振り回されて、でも海果が本当に覚えていないと悟ったユウ。それで得られたものは安堵なのか、あるいは失望なのか。
この気持ちの浮き立つ様子。それは本当にもどかしくて、けれどとても美しいと感じられるもの。ユウにとっての海果の大きさのわかるエピソードで、意識させられてドギマギ。けどもう意識しないでもいいんだってわかってはじめて知ることとなった、海果をひとりじめしたいという気持ち。海果の成長したいという気持ちを嬉しく思うと同時に、海果は今のままでいい、そう思ってしまった自分に絶望する。あの時のユウの思いの苦しさは、本当に胸に重く伝わってきて、ああ、この子のこれからに心配がつのります。
そしてここから驚きの展開? 様子のおかしかったユウと話してみようか、そう思った海果のベッドで眠るユウ! なんだこの展開! いやもう、きましたよね、きましたよ。ええ、海果、どう動きますか? ええ、ユウ、涙なんて浮かべちゃってますよ。ええ、海果、頑張り時ですよ。
『Vドルあーかいぶ!』
推しのメイドがメイド喫茶をやめちゃってショックを受けている絵美。しばらくは立ち直れそうになさそうね、とか思ってたら、なんとまあ、そのメイドさんが転校してきたっていうから大変です。けど、この子、結構な曲者ですよ? クラスの子たちから質問責めにされてる、その時の心の声ってのが、は〜めんどくせ〜!!
夢森ひな。この一癖も二癖もありそうな子とのこれから。売れっこVチューバー真冬をガチのアイドルと勘違いしてからの豹変ぶりとかね、もうほんと現金だな、君! いろいろ状況に疑問感じながらも、貪欲に食らいついていくところ、このバイタリティは見習うべきものあるかも知れません。
しかし、真冬の活動がバーチャルであると気づかぬまま進んでいく会話。これ、このまましばらく引っ張るのかな? と思ったら、わりとあっさりと誤解を解いてきましたね。でもそれでVチューバーはひなの眼中にないことが明らかになって、さあこの対立状況、いかに解消されるのか、いやされない!?
ともあれ、ひなが腹黒系Vチューバーでデビューすることになるのかいなか、ちょっとこれは期待でありますよ。
『むすんで、つないで。』
野見山地区の工事の話。野見山様あたりも一部宅地になるらしく、削ることになるとか。この話を聞いて、思い出の場所が消えちゃうと少し残念に思う花ノ子。対しいい思い出がないと微妙な表情見せるつなぐ。ええ、このそれぞれの気持ちの濃淡。花ノ子が神隠しにあい不在だった6年、その期間をどんな思いで経験したかの違いなんてものがうかがえるように思われて、ええ、花ノ子には一瞬でも、つなぐはそうでなかった。つらかったね、つなぐ。花ノ子のお父様、お母様もどれほどに苦しまれたことだろう。なんてことを少し思ってしまったりしたのでした。
変わりゆくもの、失われるものに思いを馳せるつなぐと花ノ子。しみじみと思い出の場所を懐かしむ、そんな情感をぶち壊してくれるリアリスト苺。この子のこういう性格、人生二度目だからとかじゃなく、そもそもこういう系の子だったのでは? なんて思ったんですが、本当のとこどうなんですかね。
すこしシリアスに振れた野見山様の話に続いては、みんな大好き七色のターン。前半と後半で、えらいこと温度差ありますね!? でも、七色、しあわせなつなぐとの出会い、つなぐと過ごした時間を反芻しつつ、いずれきたるクラス替えにおののく! でも、そんな七色の一歩前進。ああ、七色、前髪切ったの! うわ、めちゃくちゃ可愛いじゃん! ほんと、君がヒロインだ!
その本質までは変わらぬものの、少しずつ変化していこうとしている七色。ああ、今回のテーマは変化していくものだったのかも知れませんね。失われていくものを惜しんだり寂しがったり、また反面、理想に近づくべく自ら変化を求める思いなどなど、さまざまな変化のありよう描かれて、この七色の恥じらいつつも変化の受け入れられたこと喜ぶ様など見れば、変わっていくことも悪いばかりではない、などと思わされて、なんだか私の気持ちも軽く、明るくなったように思われたのでした。
しかしほんと七色可愛いな。前から可愛かったけど、可愛さフルスロットルだ。でへへとかね、もう君がナンバーワンだ!
- 『まんがタイムきらら』第20巻第7号(2021年7月号)
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