2022年6月26日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年8月号、昨日の続きです。

『追風のジン』

扉絵が素晴しいので、パネルかポスターにして売るといいと思います。

さて、灰尊商隊と悪い忍者とのつながりを暴いたココロと村長。まさかこんな秘密を知られて無事にすむとは思われない。このピンチ、いかにして切り抜けるのか!? と思ったら、普通に悪漢投げとばして、さらには手裏剣に仕込まれた毒にも抵抗してみせて、そのまま逃走。って、すごいのね、ココロさん。伝説的忍者だった叢雲グレン、その娘であるゆえなのか!? 忍者の超人的能力をココロも受け継いでいたりするのん!?

わからんのだけど、この活躍。思いもしない安心感溢れて、こいつは実にいいですよ。

対しジンはというと、侍マサムネとの対決がなお続いている。ココロのもとに駆けつけたいジンと、なにがなんでも忍者を捕縛したいマサムネ。その対立、解決にいたる道筋はいまだ見えず、さらにマサムネの持つ忍具への対抗策に気づいたジンを、マサムネ本気で迎え撃つ!? これ、忍具に頼らなかったらもっと強かったりするのでは!?

ジンもマサムネも双方退くことはできない状況。いかにこれを収めようというのか。ココロが、あるいは村長や村人がその役割を担うのか。いずれにしても一筋縄ではいかなそう、剣呑そのものな事態です。

『最果てのともだち』

バックグラウンドがわからなかったキヨ。その背景がついに語られましたよ。かつて病院にて寝た切りだった少女、優月綺夜。目覚めることもなく、ただただベッドに横たわっているこの子は、親もわからぬ捨て子で、命を失うすんでのところで生き延びたものの意識はそれからずっと眠ったまま。目覚めぬ綺夜の世話をする医療スタッフ。そのかたわらには、生きながらも体を抜け出したキヨの意識がいるというのだけれども、誰かに気づいてもらえることはついぞなく、寂しさと自分の望んでも得られないものへの渇望を抱いたままにその命を落としてしまった。

生霊だった頃のキヨには夢があった。それがこの子にある種の健全さを保たせていたのだと思う。いずれ体が死ぬ日がくれば、霊の自分も自由となって、次の生に望みを託すことができる。欲しかった普通の暮らし。家族、繋ぐ手と手。そして学校への憧れ。

ところが体が死してなおこの世に残り続ける自身を知り、望みの絶たれたことを自覚することとなった。その絶望がキヨを変えてしまったというのですね。

今回語られたこと、ここにこそキヨの救われる道があるのでしょう。また学校に居場所のなかったアサヒに対し、なぜキヨがあんなに親切だったのか、その答も明らかになって、ええ、この子はアサヒがあの校舎にきてくれていた間は、ずっと望んでいた学校生活、その夢を叶えることができたのですね。

それだけに夢の終わってしまったこと。再び望みの絶たれ、絶望に落ち込んだこと。それがキヨにとってどれほどに大きな出来事だったかがうかがえて、それゆえに怖い。そもそも果たして、キヨの望んだシアワセに限りなどあったのか、満たされるようなものだったのか。そのあたりのまだわからないところにも、怖ろしさが残り、そしてそれが怖ろしければそれだけに、キヨの不憫であることも際立つように思います。

『先輩、ちょっといいですか?』

先日の壁ドン以来、雫の様子がちょっと変? 心ここにあらずといった様子。さらには先輩との接触を避ける傾向にある?

いやね、普通に先輩のこと気になっちゃってるんだよね! って話なんですけど、先輩側からしたら、変な壁ドンしたせいで気持ち悪がられて距離置かれちゃってるとしか思えなくなってて、この気持ちの伝わらなさよ! というか、この先輩の気持ちもわかるよね。俺はモテるんだー! 女子にモテるんだー! みたいな自信でもない限り、よそよそしい態度とられた日には、あ、避けられてる! すみません、きもちわるかったですよね!? と思ったりするのもしかたがない。ええ、先輩のこの心情、わかるという人、きっと多いのではないでしょうか。

とはいえ、皆でいった回転寿司店で、雫が自分の隣りの席を先輩に勧めていたでしょう。こういうところ意識すると、雫の振る舞いの変化、そのどこかぎこちなくなった理由にも気づけそうに思うんですよね。というか、一緒にいってる女子ふたり、わかってるなら助言してさしあげて!

実際こういうこと、男子は、というか当事者本人はといった方がいいのかな? 自信もって、自分のこと好かれてるんだな! とは思えないところあるでしょう。そうした気持ちの揺らぎ、不安や戸惑い、共感できるところあって面白かったです。でもって先輩の安心できない日々はまだもうちょっと続きそうな感じですかね?

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