『まんがホーム』2022年7月号、一昨日の続きです。
『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』
実に屈折した関係を続けている音瀬と橘。もともとはこっそり楽しんでいた女装を、困ったことに橘に知られてしまったのがきっかけで、しかも悪いことに橘はさらなる女装を音瀬に要求してくる。衣装まで用意してきて、もし断わったら女装の秘密をネットでバラしてやる。
って、タチが悪いよ、橘くん!
でも脅されながらでも、しっかり女装のリクエストに応えてしまう音瀬ですよ。いや、なんとか、法的手段でも使ってこの状況を改善しないと、この先、さらに酷い要求されちゃうよ? でもそれでもなんだかんだでいい感じにふたりの関係、続いていきそう? あるいは、さらなる進展なんかも見込めそう? いやね、だってさ、橘、女装した音瀬のことが好きだとかいっちゃうんですよ? ねえ、さらなる進展のあること期待しちゃいたくなっちゃうじゃないですか、こんなの。
そして今回新たな登場人物加わって、橘の幼なじみという長瀬有樹。まさか女の子じゃないよね!? あるいは橘と長瀬、ふたりが音瀬を取りあう展開に!? いやー、大変、素敵な三角関係じゃないですか。これは期待が高まりますよね。
『うちの秘書さま』
なんて、なんて素晴しい扉絵なのでしょう……。メイドさん3人がずらり居並ぶその様子。最高では? ええ、最高ですよこれ。
さて今回描かれるのは、はじめのテスト勉強です。七瀬が作ってくれたテスト対策に従って勉強することになるんですが、いつになく真面目に取り組む姿勢を見せたら、七瀬は感涙、メイドたちも涙なみだで赤飯まで炊くという。
はじめの勉強、どれほどに意外なのか。どれほどの慶事なのか。それでいいだした手前、頑張らないわけにはいかなくなるはじめがいい。やっぱりみんなの期待には応えたいわけですね。こうしたところにはじめのよさがあると思うのです。
しかし今回面白かったの、七瀬は忙しそう、メイドたちは数学苦手で姿をくらませて、なので頼れるのは休憩中の田中さんだけ。それで庭で数学に取り組んでいたらですよ、サボりと思った七瀬が怒り心頭で迫ってくる! いや、でもよかった、ちゃんと勉強してたことわかってもらえて、本当によかったですよ。
で、この田中さんと勉強っていうのがこんな結果を生むだなんて、ほんとのほんとに予想外で、山田の絶交宣言!? 確かに、山田に知られればこうなるよなあ! そうした必死さを補強する前提もしっかり描かれていたわけでしょう? だもんだからこのラスト、すごい威力で、いやもう最高でした。
『歌詠みもみじ』
まりなさん、あいかわらずの凝り性ですね! SNSに公開する写真、スマホのカメラを卒業して、デジタル一眼を導入したっていうんです。写りにこだわるならスマホよりカメラ。うん、ただ道具をグレードアップするだけでなく、きっちり意図どおりの写真を撮りたいと、その意識までアップデートしてくるのがまりなですよ。友人たちからめんどくさいといわれるほどの入れ込みよう。いやまあ、わかるんよ。カメラ趣味の人間がいると、旅先のちょっとした写真でも、光の加減がよくなるまでじっと待ったりするでしょう? ほんと、全然進まんのよ! 同じところでずっと立ち止まってたりする。これ、カメラ好きあるあるだと思います。
まりなもそんな感じっぽい。これという写真が撮れるまで、アングル変えつつ何度もチャレンジする。そして学校行事の遠足にもフル装備で参加! いや、これほんと大変では? いや実際すごいよまりなさん、ボディふたつ持ちやんか。レンズ交換の手間を軽減できるから、これは充分ありですよ。とか思ったら、レンズ5本も持ってきてるの!? やりすぎでは!?
まりなのこだわりとテクノロジーの進歩。妥協できないところと、レタッチとか別に全然気にしないところ。こうした意識の濃淡にまりなの性格、方向性が見てとれてすごく面白かったです。
そしてこれもカメラあるあるなのかも。写真を撮ってると、自分の写真がなくなるんですよね。と思ったところに送られてくるもみじが撮ってくれていたまりなの写真!
ああ、これめっちゃいい話じゃんよ! いやもう、まりなの魅力、それをここぞと一枚の写真に込めている。添えられた川柳も素晴しい。ええ、写真の中のまりなさん、いい表情なさってます。
- 『まんがホーム』第36巻第7号(2022年7月号)
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