2020年12月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年2月号、発売されました。表紙は『スローループ』。TVアニメ化決定! でありますよ。表紙にはひより、恋、小春とひしめきあうようにして寄り添って、くったくなく笑う小春、挟まれてなんかちょっと照れてる? 恋と、そして困り顔ながらも心なしか嬉しそうでもあるひより。三様の表情、個性がいいですね。ええ、TVアニメ、恋さんが動いてしゃべるのか! おおう、ヤバいかも知れませんなあ、ヤバいかも知れません!

今月は新連載が2本、新作ゲストが1本です。

『先輩、ちょっといいですか?』

後輩の女の子の不知火零。無垢といえばいいか世間知らずといえばいいか、知りたいことができたらなんでも先輩、つまり主人公に投げかけてくる。今回知りたいと思ったことは童貞という言葉で、いったいそれはなんですか? あまりにあまりの問いかけに、どう答えたものか考えあぐねて養護教諭に丸投げだ!

この漫画、自分に好意を持ってくれている、可愛くて、けれどどこか危なっかしい後輩と、同じく後輩に好感を持っている先輩の、恋ともいえぬ恋愛もの? まだよく自分の気持ちもわからない零ですが、いずれこれもはっきりさせていくことになるのかもですね。

『音のレガート』

クラシック音楽好きの祖父の影響で音楽に、器楽に興味を持つことになった美和音。高校に入ったのをきっかけに、音楽系の部活をはじめよう、そう思っていたというのに、この学校には吹奏楽部も管弦楽部もなかったというのです。ああ、そうだろうなあ。昨今は少子化時代。なかなか部員が集まらず合奏もままならない、維持することもかなわない、みたいな話、結構あるんだそうですね。

さて、音楽系部活に入りたいという音の望みは叶わないのか。そう思ったら、どこからか聞こえてきたトランペットの音。誘われるままに音の出どころに向かってみれば、音楽室で練習をしている子たち。吹奏楽部こそはないものの、アンサンブル同好会があったというのですね。

金管五重奏、クインテットをやりたいという。それでトランペットを吹いてみないかと誘われて、一度は尻込みしたものの、翌日思いきって試してみるというのですね。

しかし、楽器をはじめて手にした初日に1オクターブとかすごいよね。普通無理よ? ともあれ、皆で簡単な曲、かえるの歌の輪唱をやってみて、初めてにしてはかなり良かったんじゃない?? って、かなりどころか奇跡の新人だよ!

ともあれ、こうして音のアンサンブル部での活動がはじまろうというそのプロローグ。これからどんな世界が広がっていくのでしょうね。

『インフルエンサー桃花の無人島脱スマホライフ!!』

SNSにうつつを抜かして勉学に身の入らない上、反省のそぶりさえない娘にさすがに見兼ねましたか、お母さん、思いきった荒療治しましたな。スマートフォン没収の上、まさかの島流し! とはいえ、島には主人公桃花にとっては従姉にあたる瑠渚がひとり住んでいて、この瑠渚に娘を預けてみようというのですね。

期限は夏休みいっぱい! って、さすがに無茶! というか、その前に瑠渚さん、自給自足はいいとして、ようそんなワイルドな暮らししようと思われたものだ。かくして瑠渚とともに、野生のイノシシやワニ、奇怪な植物相手に狩猟採集生活しながらこの夏休みを乗り越えないといけない。なのに桃花の意識はSNSにばかり向いていて、このまま更新できなかったらフォロワーがどんどん減ってしまう! ああ、でもこれは今どきの人間ならどこかしら共感できる気持ちなんじゃないかって思いましたよ。

この漫画、こんな突拍子もない状況作って、リアリティよりも勢い? そんなノリかと思っていたのですが、桃花がSNSに、フォロワーの数に執着する理由、その背景がきちんと語られて、そして瑠渚の存在が桃花に確かなものとして意識されるようになったことで、当初の問題、SNS依存を克服するにいたるという展開してみせたところ、とてもよかったと思います。

なぜそんなことになったのか。それがわかることと、そこに共感を得られること。そして満ち足りていなかった気持ちが確かなものを得て、解決につながったこと。これ、ちゃんとしてたなあ! ええ、桃花の気持ちとその変化、丁寧に描かれていてとてもよかったと思います。共感して、最後には安心して、彼女のこれからを思い見送ることのできた。なにか気持ちのほっと軽く、明るくなる気がしたのです。

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