2020年12月5日土曜日

『まんがタウン』2021年1月号

 『まんがタウン』2021年1月号、昨日の続きです。

『私たち同じ人を好きになりました』

あれから5年たったというのですか。敦子は少し落ち着いて、いや、落ち着いてないのか。でも日々責任感にさいなまれながらも仕事を頑張ってるというんですね。

というわけで、今回は後日談というか皆のその後が語られて、社長のみっちゃんは2年前に退任、妹まーちゃんは世界一周。変化しながらも根っこのところは変わっていない、そんなこと思わせてくれるエピソードでした。

さて、敦子の観劇趣味ですよ。観劇仲間、というかケンさんファン仲間が増えました! 年齢、職業もバラバラというのですけど、趣味のつながりってやつはこういうところがいいですよね。そして今も変わらずあっちゃん、みっちゃんは仲良しで、その年齢も立場も超越した関係、とてもいいなってやっぱり思わされたのでした。

『立ち呑み布袋でもう一杯』

なんかヤバい企画をやってる……。普通のハイボール2杯分をジョッキについだメガハイボール。こいつを飲めば飲むほど安くなるという危険な企画。500円からはじまって、飲むごとに安くなって、ついにはフリー。って、もうただでじゃんじゃん飲めちゃうってこと!? お店潰れちゃわない!? と思ったけど、どうもその前に客が潰れるっぽいな。うん、危険だ。実際、途中白瀬がランキング表に名前を残したいと無理した時、店長さんったら心配しちゃって、企画の存続できなくなっちゃうかもってさ、ほら、店が潰れちゃう。いや、潰れちゃいないか。企画の危険度があらわになっちゃうってやつですな。

これ、普通に飲んで7周してるような酒豪がいれば1周もままならないのもあって、そんな中、優勝とか商品とかやっちゃ駄目なやつだ! 店長とのツーショット写真の可能性が出た瞬間に無茶しだす白瀬、本気出す熊田。一騎討ちか!? と思ったら、全然ライバルの域に達してないですよ、白瀬さん! いやほんと、今回は熊田氏のひとり勝ち。と思ったら、残念賞だよこれ! ハイボールフリーパスって、期限が決められてたりするんかな? そうじゃないと店の経営なりたたんよね?

しかしこんな危険な企画、本当にあるのかな。あるんだとしたら、ほんと、ヤバいやつだと思います。

『君と銀木犀に』

雪虫からはじまる住む土地の話。葉介が当たり前みたいに思っていた雪虫を泉が知らなかったこと。そうか、泉はここじゃない場所で生まれて育って、そして引っ越してきたんだってあらためて思った葉介の口にした憧れ。そこに葉介の抱えてる閉塞に似た感情が見えて、そしてその気持ちに泉が気づく終盤のこと。ああ、前回の葉介がそうだったように、今度は泉が友達をはげまそうとするんだね。

全然可能性なんて閉ざされちゃいないよって。

思えば、そうと思い詰めてしまうのは当人ばかりで、客観的に見ればいくらでも可能性は開かれてるんだってこと、あるように思う。思い詰めがちなのは、子供だから、自分で環境を選ぶことのできない立場だってこともあるのかも知れないけれど、こうした思いにとらわれるのは葉介が子供だからじゃない、大人であっても同じような思いにつかまってしまうことも当然あって、だから、そんな状況にある人に泉の言葉はきっと響く。いけるよ、きっといけるよと、その言葉が響いた人にとって、それはかけがえのない励ましになるだろうなと思わされたのでした。

しかしこの子たち、その年齢相応と思わされるところがあれば、やけに大人びて感じさせるところなんかもあって、こうしたあいまいに揺れるところ、大人のようでけれど子供で、子供なんだけど大人という、それがこの時期にある少年少女のらしさなのかも知れないなって、そんなことも思います。だからこそ、大人が当たり前でしょうがないと思うことであっても、違った光を当てて、違った見え方を示してくれる。そんな特別な感じがします。

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