2020年12月11日金曜日

『まんがタイムきらら』2021年1月号

 『まんがタイムきらら』2021年1月号、昨日の続きです。

『さかさまロリポップ』

詩月、引退! それで魂の抜けてしまってる姉、柚希。たとえ役者でなくとも詩月は大切な妹だけど、役者としての詩月を応援していたしもっと見ていたかった。そんな柚希の気持ちを、詩月がやめるなら自分もやめるといいだした穂澄の言葉を聞いて、やっと実感をもって捉えことができた芽依。この、誰かと同じ立場の自分を想像することの難しさ、実際自分の身に起こらないことにはわからないということをよくよく感じさせてくれて、なんだかちょっと関心するくだりでした。

しかし、詩月さん、罪深いですよ! 中村ちゃんとの話しあいに同席を求められた柚希。どう思ったと聞かれて、泣いてしまう柚希に、ええいああ、もらい泣きですよ。この子、詩月がやめることも悲しいけれど、詩月が仕事でつらい思いをしていたかも知れないのに気づけなかった自分をも責めてしまって、でもほんと、詩月さん、鬼のようだ! 芯が強い子ですよ。自分の目的のためには姉の涙にも揺るがない。むしろ中村が揺らいでしまって、ああー、嘘だったんですか。今度演じる役のために、人の反応、その感情を動きを知っておきたかった。演技の鬼か!

でも、その反応を見るのに姉を選んだというの、きっと柚希が自分のこと一番に思っているだろうってわかってのことだったんだろうなあ。そして最後にはちゃんとあやまる詩月。今回の姉の涙、よほどのことであったものなあ! このあやまる時の詩月の表情、そこにこの子の姉への思いが見えたように思えて、詩月にとって柚希がどれほど大切な存在か。ええ、よく物語っていたと思ったのでした。

『しあわせ鳥見んぐ』

冒頭からめちゃくちゃ面白いな。ひとり鳥を観察するすず。ネクタイ模様がチャームポイントのシジュウカラ、その群の中にネクタイのない個体を見つけて、そっかぁ今日休みだもんね。

いやいや、そんなことあるかいな、違う種類なんだよ! って思ったら、次のページで翼が思いっきりつっこんでるのね。これは面白かったよなあ。自然な反応、あるべきところに感情の落ちる、そんなよさがありました。そして、そこから謎の鳥の種を識別していく流れに入っていく。スムーズで自然! 途中はしばしにコミカルさ見せながら、得られた情報を頼りに種を絞り込んでいく。この過程がまた面白いんですね。面白くてタメになる。わくわくさせられるものありました。

今回、でっかいカメラで遠くの鳥を狙っている女性が出ましたね。まだこれと明確に関わりを持ったわけじゃありませんが、今後、すずや翼と知りあっていくことになりそうな予感をさせて、この広がっていく感覚がまた興味をくすぐります。

今回、すずと翼、別行動でメッセージのやりとりしてるんですが、つまり基本すずはひとり行動で、最初は翼のアドバイス受けながらヒガラを識別。続いては自力でコゲラを識別。このステップアップ! ぱっと高揚するすずの様子も実にチャーミング。素晴しかった。

そして最後に気になる鳥が! これって猛禽、ハヤブサ、あるいはチョウゲンボウか。うーん、ハヤブサ? わからない! わからないからこそ続く展開が楽しみで、この鳥のこともそうなら、すず、そして翼がどんな行動するのかも楽しみに思います。

『下を向いて歩こう』

完結! シエルが白浜を離れる! そういってショックを受けていた硝子にシエルだったわけですが、おおう、シエルはここに残るのか! 小説のためにあちこち引っ越ししないではおられない母が、シエルをつきあわせるのはしのびないと、ここ白浜にシエルを残して、ひとり旅立とうという話だったんだそうですよ。

シエルも硝子も、えらいこと悲しんで、大変だったね。さざれもすさみんも本当に心配して、すさみんはそうか泣き明かしたですか! すさみんはちょっと素直じゃないだけで、情の深いいい子だなあ。

白浜コソコソ噂話! すさみんはうれしい時、タレ目になるそうですよ!

そうか、これちょっと遡って、すさみんの表情確認したくなりますね。ほんと、シエルにうれしいのバレた時のすさみん、赤面しちゃって、めちゃくちゃ可愛かったですよ。

今回で最終回。感動の部分は前回にやったから、今回は楽しいでしめくくろう、そんな思いを感じました。シエルに硝子、ふたりがこの浜で出会ったことを思い返そうとした矢先に、まさかの落とし物で大騒ぎですよ。そう……、海って、浜って、浣腸器が落ちてるの……。どうして? なぜ? ってありますけど、やっぱりそういうことなのかな? いや、どういうことなんですか?

最後にちょっとこれまでなかったような騒がしさが見られたところ。この子たちのうちとけたがためなのか、シエルとのお別れという不安から解き放たれたからなのか。わからないけど、こうしてどうしようもないことでわあわあキャアキャアいえるようになったの、そしてその仲はこの先さらに深まっていくだろうことを思わせる最終回。なんだかちょっとした卒業のような思いもして、まぶしく感じたのでした。

0 件のコメント: