2020年12月2日水曜日

『まんがホーム』2021年1月号

 『まんがホーム』2021年1月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。らいかが普段着アレンジのサンタクロース? フードつきコートのフードがサンタクローススタイルなんですね。今風サンタというべきか、あるいは可愛いワンポイント? あ、よく見たらサンタクロースじゃん! みたいな意外性もまた魅力を引き立てます。ほかにサンタクロースになっているのが『ラブアマ』、『ちくちく推して』。『孔明のヨメ。』は洋風衣装に身を包んだ孔明からのスノードームに喜ぶ月英さんですよ。

『孔明のヨメ。』

曹操怒涛の追撃を逃げ切った劉備一行。ただその消息は別働隊隊長の関羽と軍師代理月英までは届かず、ただ敗走したと知れるのみ。皆の身を案じ一時は茫然とするも、関羽からの作戦変更、劉備たちの救出を図るべく立案を求められて考えをめぐらせる月英。得られた情報から現在の自軍、敵軍の配置を予測し、追手曹操の意図をも読み解く月英。しかし、その意図を頼りに曹操を出し抜くべく策を立てるその頼もしさ。ああ、優秀人材大好きの曹操の目が向いていないわけですよ、まだ月英には。そこであっと思わせるようなことしたら、あの人はいったいどう思うだろう。それだけでもわくわくさせられます。

その曹操が面白かったんですね。劉備を逃がして歯噛みする曹操の人物評。張飛と趙雲、人間離れした大立ち回りしてみせたのは双方そうそう変わるものではないだろうに、なんでまあ張飛相手にはそんなにお怒り? 趙雲に向ける関心とはもうまったく違うのね。本当におかしい。そして張飛のとった策、竹で作られた橋を焼いて落とすことで、馬を怯えさせ、さらなる足止めを行うという発想の巧みさに孔明の存在を思うわけですよ。いやもうこうしてその存在を察知してくるところ、怖ろしげでありますよ。

さて、劉備側には魯粛が接触して、孫権の命を受け劉備との共闘を申し出る。ああ、予想とはまったく違う展開に翻弄されながらも、ひとつ孔明の思惑が実現しようとしています。この孔明サイドの動きと、そして月英サイドの動き。これがどう連動するのかしないのか。遠く離れながらも、相手の思惑察して連動したりなどしたら、さぞかし興奮の見せ場になるでしょうなあ。

『恋はリベンジのあとで』

石田、本当に失恋なのか。確かに石田はやめとけ、この男はあかんといってましたけど、なるほどやっぱりこうなりましたか。ある意味納得で、彼女さん聡明。少し冷却期間をおきたいというの、自分の気持ちを落ち着かせようとしてか、あるいは石田への思いをも冷まさせてしまうか。後者ではないか? 後者になるのではないか?

ある意味、相手の思いに配慮の足りない、それが石田です。だとしたら泉もそうだよな。泉も泉で、元彼からの便りに傷ついたりしているわけですが、そもそも浮気した男だろう? そんな男はあかんで。むしろ結婚前にそうした傾向明らかになったの、幸運と思うべきだと思う。

でも、このふたり、この漫画の状況の組み立てだと、泉と石田が今後急接近! みたいなことになるんだと思うんですけど、なるんか? 本当に? 相手の思いを斟酌しないという点においては双方さほど違わないけれど、ちょっとふたり根っこが違いますよね。石田は自分中心すぎて相手のことが後回しになる。泉は基本おっちょこちょいでいわんでいいこという。わかっててもいってしまう。はたしてふたりの相性やいかに!? なんですが、今回のラストを見てもな、相性よさそうに見えないのな! ほんと、ふたりの今後、まとまるにせよまとまらぬにせよ、いかなる方向に向かうのか、まるでさっぱりわからんですよ。

『座敷童子あんこ』

ええぞ、今回もええぞ。短くコンパクトなネタで、きりきり繰り出してくるナンセンスが小気味よい。基本、本当にどうでもいいようなのが多いんですよ? あんこが夜食についついヘビーなのいっちゃいがちみたいなのとか、ただそれだけっちゃあそれだけなんだけど、なんでこれが面白いんだろうね! さらにはフルジップパーカーとかもね、これ見た目のインパクトだろうなあ。めちゃくちゃ面白い。

こういうのを待ってたんだよ! ってなよさがあるんですよ。

基本キャラクターが強いのもいいのかなあ。わりと不埒な座敷童子の、わざとかうっかりかようわからん不届きな振る舞い。いや、幸太のどら焼き食べたの、あれはわざとだろう。うっかりなわけがない。と思ったら、続くサンタクロースのためのクッキーとミルク。これはわざとじゃないよな! というか、あんこ、どんだけ食欲に負けるの!

思えば夜食にしても盗み食いにしても、そして最後の縄引き千切りにしても、基本食欲が動因になってますね。これでこそあんこか。ええ、これでこそあんこなのだと思います。

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