2020年12月4日金曜日

『まんがタウン』2021年1月号

 『まんがタウン』2021年1月号、発売されました。表紙は『部長と2LDK』。部長と菜々、ふたりでクリスマスのお出かけでしょうか。ひとつの長いマフラーを一緒に巻いて暖まる、そんな様子に気持ちまであたたかくなりますね。部長と菜々、イヤリングがお揃い? どんどんカップル度があがっていってるように感じるのは私だけでしょうか。ちょっと緊張してる部長と満面の笑みを見せる菜々。そのコントラストもまたチャーミングと感じます。

『部長と2LDK』

ああ、エアコンが故障です。劇中ではまだ夏なんですね。しかも夏の盛り。エアコンが壊れてしまって修理屋さん待ちの間、いかに暑さをしのぐかという知恵の出しあい。いや、知恵は出してないな。

スイカにアイスに冷水に、ついには氷をかじるかというところまで追い込まれている菜々だけど、それ体調崩すパターンやで? 続いてホラー映画鑑賞を提案するのだけど、頑として拒否する部長。強がってるけど、怖いんだな。苦手なんだ。うん、部長のそういうとこ、よくよくわかってきた。いかにも部長らしい。

でも見るっていう。いや、菜々ひとり放置して別室にいくとかしたらよかったじゃん! なのに律儀に見て、まずはぬいぐるみ、続いて毛布、いや、タオルケットかな? かぶっちゃって、どんどん増えていくぬいぐるみがおかしい。こういうところが可愛いんでしょうなあ。

このホラー鑑賞が最後に効いてくるのおかしかった。夜中、無防備な菜々に忍びよる影! って、部長なんだけど、怖くてひとりで寝られませんでしたか! いいわけしながら菜々のふとんに潜り込むの、ほんと、こういうところが可愛いんでしょうなあ。いかにも部長らしいです。

『派遣戦士山田のり子』

番外編、めちゃくちゃ面白いな。漫画家アシスタント編なんですけど、のり子もファンという作家のもとに派遣されて、そこでののり子の様子です。いつもとなんか違うで? 漫画家の暴言にもまるで怒らず、むしろ好きな顔に描いてくださいとくる。で、今回、ずっとその顔なの。先生、修羅場なのによくそんな暇ありましたね!? でも、ほんと、のり子はこの作家さんのこと好きなんだろうなあ。その表情、というか絵なんですけど、その効果もあってかテンション高く感じられます。

作家さんがおかしいんですよ。のり子を見て自分のキャラの実写化を夢想してみたり、そして消しゴムホワイトトーン貼りで刀ふりまわすのり子を見ても、結果さえともなってればなんでもいい! ってもう、ほんと、小さいこたあ構ってられないんだな! ほんと、なりふりかまわないとはこういうことか。この鬼気迫る? 別のこと考えられないみたいな様子がおかしくって、素晴しかった。ラストののり子のサイン入りフェイスも、ほんと、今回どんな展開なのか。ナンセンス度高めと感じられて、めちゃくちゃ面白かったです。

『新婚のいろはさん』

テレビで樋口一葉の人生について学んだいろはさん。文豪の人生の影の部分。それを思い、いろはと結婚してしあわせという始の作家業、その成功について責任を感じてしまう! って、そんなこと思わんでもいいって! 終始しあわせみたいな文豪、作家だってきっといますよ!

でも、始、軒並ライジの作風にはカゲやヤミがある。そう指摘する哲子です。はたしてそれは思いすごしなのか、ファンゆえの深読みなのか。と思ったら、いろはもそのカゲに、ヤミに思い当たるところがあって、そしてそれはまだ幼なさの残るような頃から感じとっていたというその描写。ああ、大人になったいろはが始のもとにきた理由、その衝動に似たなにかもここに発しているのかも知れない。そして大人になったいろはには、あの頃の自分にはできなかったこと、わからなかったことができる、わかるようになっていて、こうしたところに踏み込んでみたからこそのいろはのより深まった思いや理解も感じられたように思ったのですね。

そのうちにカゲを、ヤミを抱えている始。そのカゲやヤミはいろはがきてくれた、一緒に暮らすようになったことで、どうにかなっていったのでしょうか。あるいはそれらを始自身も認識していたのでしょうか。そうしたところにも興味が向いて、けど、始も、そしていろはもですけど、普段の様子からはそうした面をうかがえないんですよね。うん、なかなかのハイレベル読解であります。

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