『まんがタイムオリジナル』2020年6月号、一昨日の続きです。
『ローカル女子の遠吠え』
今回は食器の話なのか。機能しか追わないりん子。めっちゃこの人らしい! でもって江崎さんはパンのシールを集めてもらえる皿。集めるのが好き? これもまた機能性? と思ったら、投げられても割れない……。闇が、闇が見える……。
いつもニコニコしている、包容力もある、そんな印象の江崎だけど、歩んできた道のりは結構な修羅場続きであるっていうのが微妙に笑いづらくなるこの人のチャームポイントですよね。独身、既婚、妊娠、子持ち、バツイツ、いつだって生きづらさがまつわりついてきた。ああ、生きるってことは苦しみなのですか!? と天を仰いで嘆きたくなるような話ですけど、でも、実際そうしたものなのかもなあ。結婚できないことが苦しみである秋津も、その苦しみがなくなればまた違った苦しみに直面する。人はいつだって苦しみとともにあるのだ、そんな人生観が通底している、そんな漫画なんですが、だからこそ時に描かれる今の楽しみ? 変わっていくなかで広がる視野のようなもの描かれると、しみじみ利いてくる。そんな風に思えるのかも知れません。
今回ちょっと面白かったの、静岡の家康に関わりない文化というの、登呂遺跡とりん子がいうの、あー、そら確かに関係ないわ。この目のつけどころ、さすがでした。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
今回、八重とみなちゃんの友情? それがほんとよくってね、期間限定のシェイクを飲みにいったふたり。限定をいかにおいしく味わうか、そんな談義にふけるんですけど、一緒に誰と食べるかでも変わる。八重と一緒だといつも以上においしい! 私もっ!
素晴しいと思った……。
ともにシェイクを飲み、笑顔で向きあうふたり。
素晴しいと思った……。
今回、都会だと緊張して味がわからないといっていたみな。基本ネガティブさが目立つこの子だけど、自宅付近、自然の中だからいつもご飯がおいしいんだっていうの聞いた八重がいうのですよ。前向きみなちゃん。ええ、こういういつにない明るさ、ポジティブさ見せてくれたこと、大変に嬉しく思ったのでした。
今回、いろいろあったけど、都会愛にやたら早口になる八重とかね、それも可愛かったのだけど、最後に大河さん呼び出してというの、やっぱり気の置けない友達と一緒にいるのが一番楽しい、そんなこと思わせてくれる展開。とても魅力的なエピソードでありました。
『僕は女心なんて知りたくない』
最高だと思う。独身女性の心の声が聞こえる春喜。彼の周囲にいる女の子たちの、たくましさ? 容赦なさ? それらが実に面白いわけですが、今回登場してきた女の子、古寺。姫谷の後輩、可愛いと評判の1年生。この子がまた個性的というか癖があるというか、最高に面白くって、この漫画の魅力増さしめてるなあと思ったのです。
先生から頼まれた仕事、その助っ人として佐藤を呼んだら姫谷の作業効率があがる。高瀬もくる。野尻もくる。そして古寺がやってきて、ここからが本番。一気にエンジンかかった感があったのです。
古寺も佐藤狙いかと高瀬が牽制にかかるかと思ったら、肝心の佐藤はいつものとおり春喜にべったりで、そして明らかになる古寺の真意。姫谷狙い! 春喜のこと誤解してめっちゃ攻撃してくるところとか、もう最高で、でもって望美の店にいってからも、ほんと気持ち、思いのすれちがいが面白いといっていいのか気の毒といっていいのか。でもって、望美が古寺の姫谷に向けた思いに気づくというのね。春喜がいうじゃないですか、望美の妄想の的中率コワイって。ということは、やっぱり春喜×佐藤も的中してるんですよ! 春喜、もう観念しちまえよ! いやもう、このくだり最高ですよ。
最後にね、春喜がひとつ思い違いをしてるんですよ。片想い地獄。自分は蚊帳の外だなんて思ってるけど、違うよ? 違うからね? 佐藤の気持ちに君が応えないかぎり、片想い地獄の終点は君なんだからね? いやはや、面白くなってきました。ますます面白くなってきましたよ。
『とびだせT.O.Z』
兄貴の自虐的練習法。あれ、母の教育がもたらした帰結だったんか! 久しぶりに実家に帰ってきた兄。予選で一位をとったというのに、なかば追い出されるようにして寮に戻っていく兄。ああー、200mすっぽかし、バレてるのな。
でも、なんで母はこんなにも兄に厳しいんだろう。嫌いなの? と思ったら違うんだ。ちょっとほめると調子にのってしまう兄の性格見抜いて、つねに厳しく、つねに発破かけることで、努力させ才能を引き出そうっていうんだ。いや、厳しいお母さんだなあ。とか思ってたら、兄のトレーニングメニュー、母考案! 母が道筋をつけて兄が独自で開発とか思ったら違った。母が道筋をつけてメニューも母の発案。しかもトレーニング器具、母製作! 怖るべし母の愛とでもいうべきなのか。見放されてる? 突き放された? そう思った兄だけど、そうじゃなかった。常に母は兄の成功を思って、その努力に応え続けてたんだ。ああー、ほんと変な母だけど、その愛に間違いはないのかも知れないなあ。
そして娘に対しての言葉もね、またよかった。ちょっとコンプレックス持ってるマナ。でも、できないことを気にしすぎることないんだって、ただ努力するだけで、それで成長していけたらいいんだって。ちょっと涙ぐんでいるマナがね、安心したのかな、なんかよかったねって思ったんですね。ええ、ちゃんと見てくれてる人、いたんですよって思ったんですね。
- 『まんがタイムオリジナル』第39巻第6号(2020年6月号)
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