2020年4月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年6月号、発売されました。表紙は『まちカドまぞく』。古きよきアメリカ思わせるポップでレトロなテイストがキュートなイラスト? ハンバーガーにホットドッグ、皆でそれぞれ思い思いに好みの食事を楽しみつつ、身を寄せ合うそこには気安い近しさ思わせて、その雰囲気がとてもいいんですね。ガーリーなスタイルのシャミ子の膝を枕に寝転がるご先祖が、ちょい悪風でいい感じ。かっこいい感じですよね。シャミ子とは背中合わせながらも、なにかと気にしてそうな桃もまたキュートでチャーミングです。

今月は新規ゲストが2本です。

『友達の攻略方法について』

リアル友人がいないという主人公。ゲーム実況中だけが素の自分をさらけだせる時間だっていうんですね。けれどそれはそれで悩みもあって、動画再生数が伸びない。固定ファンはいるんですけどね。っていう、そのファンの子が、なんと同じクラスの女の子だったっていうんですね。

実況者が主人公と気づいて近づいてきたその子。やたら熱を帯びた賞賛がこそばゆくて、いやもう大絶賛ではないですか。というか、ちょっと偏愛めいたもの感じさせて、ちょっとヤバ気ではありますね。

このふたり、友達になったのはいいんですよ。それに、再生数を伸ばすべくアドバイスまでくれるっていうのもいい。でもそこでおかしかったのが、あんだけ大好きだって熱弁してたこの子が、怒涛の批評をしてくるっていうのがすごくって、いやいやいや、君、好きだっていってたじゃないの!? いや、好きと良し悪しは別ってやつか。これ、理想的な批評家だな。ええ、あぶらみそさん、素晴しいスタンスだと思います。でもちょっと好きの度が過ぎるっぽいところ、これ、なかなかに厳しい距離感。とはいえ、はたから見てる分にはすごくいいと思いますよ。

『頭星フィールド』

偵察すべく地球に送り込まれたエージェント。人の姿に化けて、っていうんだけど、頭のまわりに輪っかがぐるぐる回ってる……。土星? なんか衛星みたいなのもあるよね。本人は完全に化けてるつもりだけど、輪っかのせいで即バレ。宇宙人好き? 未確認生物研究部なんてので部長やってるってヤバそうなのにつかまって、やたらめったら興味向けられるばかりか、いろいろビビらされて、振り回されて……。

これ、本人がバレた原因わかってないのがおかしいですよね。ジロジロ見られたの、秘密をバラされたからだって思ってるの、とんだ濡れ衣ってやつで、でもこれだけ抜けてるから、それからいろいろチョロいというのも、この宇宙人、なんだかんだで同居するのに向いてそうで、そのへん悪くないですよ。

『まちカドまぞく』

グシオン、生存!

それはそれとして、異世界が爆発して消えてしまうまえに脱出しないといけません。それでやたら桃が焦ったり、いろいろ計算あわなくて小倉もやたら動揺したりと、異世界からの脱出、なかなかにハードモードであるようです。

この計算違い。小倉の計算誤差とかなのかなと思ってたら、まさかのグシオン由来だったっていうのはびっくりしましたよ。シャミ子の携帯電話に、電子書籍版としてインストールされたグシオン! ああー、これ、欲しい! めっちゃ有能なAIアシスタントじゃん! というか、AIじゃないな。本物のインテリジェンスが搭載じゃんよ! こうやってグシオンがシャミ子についてくるってことは、今後もいろいろ関わってくること必至。これは嬉しいなあ。楽しいなあ。期待されるなあ。もう、わくわくですよ。

と、それはいいんです。命懸けのタイムアタックにどんどん冷静さ失っていく桃。また桃の小倉に対するイケメンムーブとかめちゃ面白くって、シャミ子さん、ちょっとジェラシー? これまで見せたことのないような表情してますよ、この子。でもって、異世界脱出の鍵、桃のセカンドハーヴェストフォームって、あれか! あれ、お蔵入りじゃなかったのか! ほんと、めちゃくちゃ笑わされました。なんかいろいろ酷いんだもん。あの歌とか、ほんと、歌詞が、セリフが駄目すぎる。ほんと、苦笑まじりの笑いっぱなしでした。

今回、桃と小倉の距離がぐーっと近づいて、ナイスですね。素敵です。きましたわ。小倉の桃に対する熱い、熱すぎる視線。情熱。いい香りするねって! さらには桃さま!? 最高だと思う。で、こうしてふたり和解したってことは、今後、より小倉の活躍も期待されるってことだな! ええ、いい感じに展開してきましたよ。というか、はいつくばる小倉、最高やなあ。めちゃくちゃ可愛いと思う。ほんと、小倉、超チャーミングです。

『RPG不動産』

ついに引っ越しですよ。新しい舞台、火山のある島! この山、例のドラゴンが巣を作ってるんだ。で、ファーがドラゴンの様子をサトナに報告する役割担ってたりもするんだ。なるほどなあ、ただ単に島流しみたいに引っ越しさせられたわけではないんですね。

ドラゴンとファーとの会話、結構重要なことが語られてましたね。ファーが、神龍ホワイトドラゴンの娘であること。ホワイトドラゴンこそが人から魔王と呼ばれた存在であること。そしてこの話は、事前にサトナからルフリアとラキラも聞かされていて、ああ、サトナからの依頼、魔王軍残党からファーを守ってほしいというの、なるほどあの謎のフードの人物、彼がその残党のひとりであるかも知れないっていうわけですね。

ファーを信じきれなかったことを詫びるルフリア、そのくだりもよかったです。この人の悔い、その深さがよくよく感じとれて、ともない情の深さもまたよくわかるこの場面。さらにラキラとともに、ファーに対する信頼のより一層に深まったこと感じさせたその様子。感動的であったと思います。人とともにあって喜びを感じているファーのしあわせを願うドラゴン、その見守るような優しい眼差しが印象的で、こうしたところに人とドラゴン、亜人たちとの共存、共和の可能性を思ったりしたのでした。

ところで、新居ですよ。部屋と荷物がひとり分多いというの。もうひとりの同居人? 誰だろう。知ってる人? 新人物? 最後の最後に気になる要素、どーんと放り込まれましたよ。

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